【超実践的】applemint流分析大公開!台湾ウェブ広告のボトルネックを効率よく把握

【超実践的】applemint流分析大公開!台湾ウェブ広告のボトルネックを効率よく把握

こんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
台湾で展開しているウェブ広告の効率が急に落ちた時、皆さんはどうしていますか?

効率が悪化することは日常茶飯事です。
そんな時毎度違う分析のやり方、毎度違うレポートを作っていると非常に非効率だと思いませんか?
そのため、applemint では分析手法をマニュアル化することで、効率よく分析することを目指しています。

マニュアル化を始めたことで、もともと3時間かかったような分析とレポートが 2時間ぐらいに短縮できたのではないかと思っています。

そこで今回は applemint がどのようにして LP やウェブサイトの分析をしているのか特別に公開したいと思います!

前提

分析をする前にきちんと分析をする環境が必要です。
従って前提としてまずは以下の設定が完了されていることが必要です。

・Google Analytics 実装

・Google tag manager 実装

・LP カート部分にイベントトラッキング設置

・ Google Analytics eコマーストラッキング

もしこれらの内どれかが欠けていたら残念ながらこれから公開する分析の手法は100% できません。
もしも弊社にお願いをしたいという場合はコチラからご連絡ください。
そこまで費用はかかりません。
もしもインハウスで上記対応できればベストです!

いずれにせよ今から公開するやり方は参考になると思うので、現時点で上記の設定をしていなくても読み進めてもらえると幸いです!

CVR が悪い時に考えられるたった二つの仮説

デジタル広告悪化656 Recovered in 【超実践的】applemint流分析大公開!台湾ウェブ広告のボトルネックを効率よく把握

CVR が悪くなるのはなぜでしょうか?
シーズナリティでしょうか?
景気が悪いからでしょうか?
色々あると思いますが applemint では、主に2種類しか原因がないと思っています。

  1. 流入してくるユーザーに問題がある(広告に問題あり)
  2. LP に問題がある

当たり前に聞こえますが本当にこれが出発点です。
最終的には#1と#2 のどちらの方が問題である可能性が高いかをクライアントに報告をします。

LP に問題があると結論づける場合は言い訳っぽく聞こえることもあり、論拠となるデータを通常より多く集めます。
今回はまず #1 の流入ユーザー(広告)に問題があったと仮設した時に行う分析の手順からご紹介したいと思います。

流入してくるユーザーに問題がある(広告に問題あり)

good traffic

流入してくるユーザーに問題があるというのは簡単に言うと、購入意欲のない質の悪いユーザーが入ってきているということです。
大抵の場合、広告代理店に問題があります。
原因は主に以下です:
(1) 広告代理店がターゲティングしているオーディエンスに問題がある
(2)広告が不適切で間違ったユーザーを引き付けている

ではどうやって流入してくるユーザーに問題があるのか調べるのでしょうか?
まずは以下の3点を Google Analytics で確認します。

  1. セッションの品質
  2. コンバージョンの見込み
  3. エンゲージメント

順にお話しましょう。

セッションの品質を使って不調時と好調時を比較

まずはセッションの品質を使って好調な月と CVR が下落した月を比較します。セッションの品質は Google が機械学習によって流入して来たセッションがどれだけトランザクションに近いかを示します。

Google Analytics で「ユーザー」>「行動」> 「セッションの品質」をクリックします。
なお、セッションの品質を見るためには、 eコマーストラッキングが必要です。また、eコマーストラッキングを実装するには、 1ヶ月あたり1000以上のトランザクション (所謂CV) が必要で設定が少し面倒です。
台湾ではデジタル・マーケティングに力を入れていない日系の広告代理店とかですと実装していないケースが多々見られます。

下は随分前に CVR が下がった顧客のデータを好調時と不調時で比較した時のスクショになります。

session

オレンジ部分がCVR が比較的によかった時で、青部分が CVR が悪かった時です。
数字をモザイクで覆っているためわかりにくいのですが、全体を見るとセッションの品質が “1” のセッションは青の不調時が多いように見えます。
しかしそれ以外はどんぐりの背比べです。

実はこの時見ないといけないのはセッションの品質 51-100 のセッション数です。
この数字を全セッション数で割ることで、全流入セッションに対してどれだけ良質なセッションがあったか比率を見ることが大事です。

計算した結果、どうやら CVR がいい時と CVR が悪い時の高品質セッション数の割合はそれぞれ 4.57% と 3.2% でした。
つまり CVR が悪くなった時、高品質なセッションの流入が減ったことを指します。
念のため次にコンバージョンの見込みを確認してこの疑念を追求します。

コンバージョン見込みを使って再確認

コンバージョン見込みもセッションの品質同様 Google の機械学習を使って Google がコンバージョンになりそうなセッションの数を出してくれます。
こちらも eコマーストラッキングの実装が必要です。
Google Analytics 内、「ユーザー」> 「行動」> 「コンバージョンの見込み」で確認できます。

pipeline

こちらのデータを見ると、なんとコンバージョンになりそうな 51-100 点のセッションの比率は CVR が悪い時の方が多いという結果になりました。
ただし、21-50 点のセッション数の比率は CVR が好調な時の方が多かったです。

この二つのデータを見た結果、私は CVR がいい月も悪い月も良質なセッションはそれなりにあったと結論づけました。
効率が下がったのは運用広告に問題があると言いづらいという結果です。
しかし CVR が悪くなっていることは確かです。
そこで次に LP の問題点と見ていきたいと思います。

LP に問題があると仮説した際の確認方法

弊社では LP のコンテンツが良ければユーザーは購入カートを追加するという仮説を立てています。
これは LP のコンテンツが見にくければユーザーは購入する気にならずカートに追加しないということと同じです。
そこで、ある特定の条件下でのカート追加数を重視します。

その前に全体像を把握したいため、まずは好調時と不調時のコンバージョン率を比較してどれだけ効率が悪化したか頭に入れます。
「コンバージョン」> 「目標」> 「概要」とクリックします。

conversion

どうやらこちらのお客さんは前月に比べて CVR が60%ほど下がったようです。次にカート購入数に関する分析を行います。
まず、「行動」> 「イベント」> 「イベント概要」と進み、予め実装しておいたカート追加時に発生する「Add to cart」を選択します。
イベントトラッキングは Google tag manager を使って LP に実装します。

event-tracking

そして次が肝心です。
カスタムセグメントを使ってセッションの品質50以上のユーザーだけを抽出して比較を行います。
好調時と不調時のカート追加数だけ比較しても、その中には流入時にすでに購入意欲が高い品質の高いセッションも含まれているため、好不調の原因は広告が理由か LP が理由か特定できません。

そのため、きちんと同じ条件下で比較をする必要があります。

カスタムセグメントを作ってカート追加数を調べたら、次にカート追加イベント数をそれぞれのセッション数で割ります
もし、不調時のこの数字と好調時のこの数字に違いが出れば LP がボトルネックになっている可能性が高いです。

もしこの時に違いがないのに CVR が急激に落ちた場合、購入カートに問題が起きていた場合が高いです。
購入カートに問題が起きていると仮説を立てたときは今度はカートのどの部分で離脱しているか見ます。
システムに問題があると仮説を立てた場合はOS別の CVR やデバイス別の CVR を見たりもします。

たまにタブレット端末で決済ができなかったなど、システムの問題をこの分析中に見つけることがあります。

たまに調子が悪くなるとすぐに変更を求めるお客様がいますが、AB同じ条件でテストして有意差を出すには、ある程度のトラフィックが必要です。
そのため予算が大きくない広告主でない限り、大体2-3週間の我慢は必要です。

調査結果

調査の結果、このクライアントはカート追加後にシステムの不具合が起こっていたことが発覚し、 LP が CVR に影響を与えたと結論づけることができました。

番外編・流入に問題があったときの Google Ads を使ったオーディエンスの変更

今回は特別に流入ユーザーに問題があった時の対策を一つご紹介します。
流入ユーザーに問題があった時、その原因は様々です。
例えば運用広告のターゲティングに問題があると仮説を立てた場合、ターゲットの変更が必要です。
どのように次のターゲットを設定すればいいでしょうか?
Google Ads の「オーディエンスのインサイト」が便利です。

audience

こちらはあるクライアントの Google Ads オーディエンスのインサイトです。
Google が機械学習で購買意向が強いオーディエンスは他にどういうグループに属しているかを表します。
従来のGoogle 広告にも同じ機能はありましたがリニューアル版の方が正確な気がします。

これを見ると購買意欲の高いオーディエンスはデザイン、高級ジュエリーに興味を持っていそうなことがわかります。
例えば Facebook でこれらの興味を持ったオーディエンスに対してターゲティングをまだしてない場合、これらのオーディエンスへのターゲティングをして見るといいでしょう。
実際このインサイトを参考に Facebook のターゲティングを変更したところ効率が大幅に改善された例があります。
是非使ってみてください!

終わりに

いかがでしたでしょうか?
今回教えしたのは実は分析の一部です。
広告に問題があるか、LP に問題があるかどちらの可能性が高いかを見極め、問題を感じた方を徹底的に分析します。

今回の話を要約すると広告運用に問題があると仮定した時、まずは全体像を把握するため、セッションの品質、コンバージョンの見込みを確認します。
もし、問題がある場合は、どの媒体に問題があるか確認をし、カスタムセグメントを行なって具体的にどの媒体がなぜ悪くなったのか仮説を立てて検証していきます。

LP に問題があるか確認をする方法はまずは全体の CVR を確認をします。
次にカスタムセグメントを使って広告運用を通して起きたカート追加数を全セッションで割り、好調時と比較をします。
カートに問題があると思ったらカート追加数を CV 数で割って、カート追加後の CVR を過去3ヶ月分確認して異常の有無を確認します。

いかがでしたでしょうか?

これを読んでみて applemint にLP の分析をお願いしたい、或いは台湾でウェブマーケティングをお願いしたいという方がいたらコチラからご連絡ください!

当該内容の正確性や完璧性について一切の保証をいたしませんのであくまで参考にご覧ください。

applemintへのご相談やご連絡はこちらから!

Leo Sato 佐藤峻

関連ブログ

にお問い合わせ