【台湾人材採用最前線】104 vs. Google 広告

【台湾人材採用最前線】104 vs. Google 広告

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

5年目を迎える applemint では、クライアントが増えてきたこともあり、新たに1名人材を雇うことにしました。もし無事に雇えることになったら applemint 7人目の社員です!

どうやって雇おうかな?と考えたのですが、結局普通に台湾の大手人材会社 104人力銀行を利用することにしました。
ただどうせやるなら AB テストみたいに104人力銀行と違うサービスを同時に走らせて、効果を比較したら面白いんじゃないかと思い、 Google 広告も走らせることにしました。

そこで今回は Google 広告と 104 人力銀行で、人材募集をかけた結果を包み隠さず皆さんにシェアしたいと思います!

104 人力銀行掲載結果

104人力銀行の結果

104人力銀行は台湾で最大の人材採用サイトです。職を探している人は104に登録をし、人材を探している企業は104で求人情報を登録します。

企業側は掲載期間を選び、支払いを済ませれば掲載スタートです。applemintは今回、120日間8400NT というプランを選択しました。早速どんな結果だったかお伝えします。

掲載1週間後

104掲載後、3日後ぐらいに 1名から連絡がありました。
好スタートです!!しかし、残念ながら弊社が求めている人材と全然違いました….

求めてる人材でなければ採用する意味がないので、切り替えていきたいと思います。

掲載2週間後

また1名から連絡がありました!
しかしまたしても弊社が探している人材とマッチングしません。というか、募集要項に22-24歳、未経験、エントリーレベル向けって書いてあるのに37歳の幹部候補みたいな人から連絡が来ました……
うちの会社に入って、なんなら自分が社長になろうとでも思っていたんですかね(笑)

掲載3週間後

弊社のクライアントと会食をした時、「掲載して待っているだけじゃだめだよ!直接連絡しなきゃ!」と言われました。
確かに受動的に待っていてもしょうがないと思ったので、 104 のフィルター機能で僕らの条件に合う人材に連絡をしまくりました。

50人ほど連絡をしたと思います。
結果、5名ほどから連絡が来ました!CVR でいうと10% です!全然期待していなかったのでかなり嬉しかったです。

掲載4週間後

掲載4週間がすぎたころ、新たに1名から連絡がきました。
連絡をして返事があった5名は、残念ながら履歴書に不安な点があり、結局面接まで進んだのは1名でした。


参考までに弊社の履歴書を見るポイントを2つお伝えします。

1. 僕らが一緒に働きたいと思うかどうか(チームプレイヤーとして優秀か、リーダーシップ経験はあるか、など)
2. 仕事がきちんとできる人かどうか

当たり前すぎますかね(笑) 特に重点的に見るのは、大学時代のアクティビティ、アルバイトの有無や職務経歴です。


職務経歴やアクティビティでは何を達成したかではなく、どうやって達成したか、達成までのプロセスを重点的に見ます。

台湾の多くの応募者は、スキルの部分に photoshop や Google Analyticsなど意気揚々と書いてきますが、僕らはあんまり見ません。
なぜなら、大学生が Google Analytics なんて書いてても、おそらく直帰率とセッション時間の意味を知っているぐらいで、実務では活かせないと思います(苦笑)

僕らは『何ができる』かというWhatばかり強調している人より、『どうやって達成したか』というHowがきちんと書かれた履歴書を好みます。


例えば Google Analytics というスキルを強調する場合、僕だったら以下のように書きます。

『大学時代に、スペイン語を学ぶリソースがオンライン上にないことに気づき、スペイン語を学ぶためのブログを書き始めました。
ブログ開設後、ユーザーがきちんと読んでいるか確かめるため、 Google Analytics を導入しました。
独学で Google Analytics の各項目の意味を調べ、仮説を基に内部リンクと動画を導入したら滞在時間が増えました。またスペイン語の家庭教師の依頼まで来ました!』

みなさんが採用者でも、Howがしっかり書かれた履歴書を出してくる人の方が興味を惹かれませんか?

現在に到るまで

掲載1ヶ月がすぎ、新たに2回、applemintから複数人にメールを出しました。返事があった人のうち、4名が面接に進みました。

Google 広告掲載結果

Google広告掲載結果

一方、Google 広告では「日商公司」「工作」(日系会社、仕事)や、「數位行銷」「工作」(デジタルマーケティング、仕事)などのキーワードを入稿しました。
例えば求職者が「日商公司」と Google 検索した時に、applemintの広告が出るようにするためです。

開始1週間後

「數位行銷」「工作」(デジタルマーケティング、仕事)や「廣告業務」「業務」(アカウント・エグゼクティブ、仕事)のキーワードは、クリック率がいいのですがお問い合わせは来ませんでした。
また「日商公司」「工作」(日系会社、仕事)は、クリック率 もほとんど上がりませんでした。

開始2週間後

一向にクリック率が上がらない「日商公司」「工作」のキーワードに関しては広告文をすぐに変えました。具体的には「週2リモートワーク」などのキャッチコピーを入れました。

結果、 CTR は 1.5% ぐらいから 2.7% ぐらいに上がりました。

しかし Google 広告の一般的な平均 CTR は 5-6% 以上と言われており、まだ全然低いです。しかもクリック数は増えましたが、肝心の応募は全然来ませんでした。

開始3週間後

2週間終えて、広告費用を 3000NT ほど消化しました。しかし全く応募がこなかったので、早々に広告は停止しました。

結論、反省点、今後の展望

台湾人材採用課題と展望

結果、104vsGoogle広告では、 104人力銀行の方が圧倒的に人材応募は来る!ということがわかりました。
つまり『応募』を KPI にするならば 104人力銀行の圧勝です。

Facebook 広告もやりたかったのですが、 applemint は Facebook のページを今まであまり更新してなかったので、あえてやりませんでした。弊社はFacebook広告でクライアントの採用をお手伝いしていますが、成果を見ると結構コスパは良さそうです。

最後に、今回の反省点を3点述べます。
1. 欲しい人材を明確に描いていなかった
2. 欲しい人材がどうやって仕事を探しているかペルソナを描いていなかった
3. 非効率だった

例えば、面白くてちょっとぶっ飛んでいる人材が欲しかったとします。
面白い人材を獲得するためには、まずは面白い人材が集まる場所に行かなければリーチできません。

そのためまずは、104人力銀行や Google 広告は面白い人が存在しているメディアか?ということを考える必要があります。

今回の採用では、applemint はマーケティングの会社なのに、今回の人材採用ではマーケティングの基礎中の基礎である「ターゲティング」が全く出来ていませんでした。

明確なターゲティングがなく、最初に安易に104人力銀行をやってみよう!という戦術から入ったことは、今回の反省点です。

ちなみに今後の展望ですが、 applemint では面白くて頭が柔らかい人材を欲しいと思っています。

しかし人材採用をしてみて、そもそも面白い人は、面白い会社にしか行かないなと思いました。日本だったら、チームラボやライゾマティクスや面白法人カヤック、などが面白い人がいく会社にあたると思います。

あと、今回本当に思ったのは、もし世の中に面白い会社と認知されていたら、 104人力銀行や Google広告なんて全然必要ないということです。

Google は黙ってても年間2万枚の履歴書を受け取るそうです。ということは単純計算で1日5479枚の履歴書を受け取っています。

今後は applemint でも、世の中に『面白いことをしている会社』と思わせるため、今後どんどん面白いことをしていきたいと思っています!

ちなみに22年6月現在、applemintではHR専門のスタッフを雇いました!今後はFacebookやInstagram、コンテンツを通じた人材確保を目指していきます。

以上、台湾から現地の人材採用事情をお伝えしました!

applemintへのご相談やご連絡はこちらから!

Leo Sato 佐藤峻

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