みなさんこんにちは!台湾でデジタルマーケティング会社の代表を務める、applemint の佐藤 (@slamdunk772) です。
今日は 「結局、辞める辞めないって“人”じゃなくて“環境”じゃない?」 という、テーマでお話したいと思います。
突然ですが、台湾で会社を経営していたら必ずぶち当たる疑問があります。
それは、
「台湾人って、なんでこんなに辞めるの?」
です😅
台湾でビジネスをしている方なら、かなりの確率で一度は考えたことがあるはずです🙇🙇
うちも例外ではなく、過去に何度も採用と退職を繰り返し、なんなら「退職管理のプロ」になりかけた時期もあります(笑えない…)😭😱
他の経営者の方ともこういう話をたまにしますが、その時につい口癖で言ってしまうのが、「台湾人はよく辞める」という言葉です。
確かに台湾の方はよく辞めるかもしれません。
しかし先日、日本で複数名の台湾人スタッフを雇用している企業の営業部長の方とお話しした際、日本ではそのようなことはほとんど起きず、結局は「環境が人を辞めさせたり、続けさせたりしているのだな」と強く感じる出来事がありました。
今日は、そんな話をしたいと思います。
台湾人の離職率

台湾における台湾人の離職率は日本と比べると高いです。特に若い世代に関しては高いと言えます。
ある記事では1年以内に会社を辞める新卒は50%という記事もあります😱
第一份工作不用待滿一年了?1111:不到一年,近5成新鮮人已換工作、逾3成換了兩次
ちなみに applemint では過去に3人新卒を雇いました。その結果、一人は4ヶ月で辞め、もう一人は半年で辞め、もう一人は1年で辞めました。3人の平均勤続年数は7ヶ月です..😭
そのほか、新卒ではないスタッフでも、1〜2年で辞めてしまうケースはこれまでに何度もありました。
一方、日本人スタッフの場合は、現時点でそこまで短期間で辞めることはほとんどありません。
そのため僕は長い間、「台湾人は辞めやすく、日本人は辞めにくいんだ」と勝手に思い込んでいました。
でも最近は、「それって結局、環境の違いなんじゃないか?」と強く感じ始めています。
日本で働く台湾人は辞めない!?

僕が「環境の影響って本当に大きいな」と強く感じたのは、以前、たくさんの台湾人スタッフを日本で雇っている企業の方と会食したときの話がきっかけです。
その方によると、日本で働く台湾人スタッフはほとんど辞めないそうです。
もちろん、中には本当に今の仕事に満足している人もいると思います。
ただ、全員が全員そうではないはずです😅 それでも辞めないのは、やはり“環境の力”が大きいと感じました。
というのも、その企業はもともと台湾発で、立ち上げ当初の台湾オフィスではスタッフがかなり辞めていたとか…😭
どれだけ対策を打っても改善されず、それが日本に拠点を移して台湾人スタッフと働いてみたら、驚くほど辞めなくなったそうなんです😳
結果的に、その会社は「台湾でスタッフを維持するのは難しい」と判断し、現在台湾には法人こそあるものの、実務スタッフは会計担当の1人だけだそうです。
同じ代表者で、同じ”台湾人” のスタッフなのに、東京では辞めず、台湾ではどんどん辞めていく…
台湾は辞めてもノーリスク、日本は辞めるのがリスキー
日本では台湾人スタッフがほとんど辞めず、台湾ではスパッと辞めてしまう…
この背景には、「次の仕事の保証があるかどうか」という環境要因が大きく関係していると思います。
まず、日本で働く台湾人はビザの発行が想像以上に難しく、転職できる人は本当に限られています。
そのため、日本で生活を続けるには、多少嫌なことがあっても踏ん張る必要があります。辞めること自体のハードルが高いんですよね。
一方で、台湾では辞めても生活の基盤が崩れないケースがほとんどです。 applemint を短期で辞めたスタッフも、ほぼ全員が台北の実家暮らしでした😱
仕事を辞めても住む場所があり、ご飯にも困らない。だから次を急がなくていい。
これと似たような話は、中国でも聞いたことがあります。
上海で働くスタッフの場合、家族と上海に住む“上海人”は比較的ジョブホッピングが多い一方で、地方出身者は辞めにくいという話を、以前上海に駐在していた日本人の方から聞きました。
そして日本(特に東京)に関して言えば、東京は地方から大学進学を機に出てきた人が多く、簡単には辞めません。
周囲が辞めない環境にいることで、台湾人スタッフもつられて離職しにくくなっている側面もあると思います。
給与ハードル

これはあくまで僕個人の見解ですが、給与が 48,000 NTD 以下だと比較的辞めやすく、それ以上になると辞めにくくなる傾向があると思っています。
理由は、48,000 NTD 以下、あるいはそれと同程度の給与であれば、他にも選択肢があるからです。
台湾では解雇規制が厳しいため、企業側は基本給を積極的に上げず、代わりにボーナスで調整するやり方を採用しているケースが多く見られます。
これは、基本給を上げすぎると、解雇したくなったときの負担が非常に大きくなるためです。
実際、知り合いの会社では、スタッフの給与を上げすぎた結果、希望退職を募っても誰も辞めず、困ってしまったという事例もありました。
それでも業績悪化などでどうしても辞めてもらう必要がある場合、企業は「基本給」を基準に解雇金を支払わなければならず、基本給が高いと会社の負担は相当なものになります。
こうした労働環境から、雇われる側の台湾人も「基本給が上がりにくい」ことを理解しているため、一定以上の給与をもらえると辞めにくくなる傾向があります。
僕は、そのラインがだいたい月給 60,000 NTD くらいだと感じています。
環境が変われば、人は変わる
人は何かが起きたとき、その理由を「人」に求めがちな傾向があると思います。
けれど、実際には環境要因の影響が大きかったり、まったく別の原因が隠れていることも多々あります。
これまで僕は「台湾人は辞めやすい」「日本人は辞めない」といった雑な括り方をしてしまうことがありましたが、そういう単純な話ではないなと感じました。
また、日本には退職代行のようなサービスがありますが、台湾ではあまり聞きません。
その理由の一つは、日本ではそもそも人があまり辞めず、逆に台湾では辞めることへの抵抗が少ないため、こうしたサービスのニーズ自体が高くないのではないかと考えています。
とはいえ、僕自身としては環境のせいにせず、台湾でも辞めにくい労働環境をつくっていけたらいいなと思っています。
今日も張り切っていきましょう〜!
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