【台湾の性教育の課題】進まない正しい”性”への理解

【台湾の性教育の課題】進まない正しい”性”への理解

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

今日は台湾の性教育の課題についてお話をしたいと思います。

少しセンシティブなトピックになりますが、個人的に興味を持ったので、今回調べた結果を共有できればと思います。

僕が台湾の性教育に関心を持ったのは、AV男優のしみけんさんがきっかけでした。

AV男優のしみけんさんは自身の YouTube チャンネルや SNS で度々「AVはパフォーマンスです」とお話をしています。AV で行われている性行為はパフォーマンスであり、決して真似してはいけないと彼は語っています。

しかしながら AV がパフォーマンスであるという事を認識している台湾人は恐らく少ないのではないか?というのが僕の仮説です。それと言うのも、僕が昔認識できていなかったからです。

僕はたまたましみけんさんが日本語で発信しているのを見て、 AV がパフォーマンスである事を理解しましたが、日本語がわからない大多数の台湾人男性は、性教育をきちんと受けていなければ日本の AV を性行為と思ってしまうのではないでしょうか?

そうだとしたらこれはかなりの問題だと僕は思います。

そこで今回、僕は台湾ではどのような性教育がされているのかを台湾人スタッフへヒアリングし、台湾人スタッフと一緒に台湾の性教育に関して調査をしてみました。

性教育を行う難しさ

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性教育はどこまで話していいかの線引きが非常に難しい教育です。これは台湾だけでなく、日本も同じです。アメリカの性教育も正直うまくいっているとは思いません。

僕は高校時代をアメリカで過ごしましたが、その時の性教育は杜撰なもので、いざ性教育の授業が始まると、コンドームを茶化すような生徒がチラホラいたのを覚えています。

では台湾はどうでしょうか?

台灣女人連線という団体の、黃淑英理事長が発表した、最近の性教育に関する研究によれば、台湾の性教育に関する教科書は未だに伝統的な考え方に固執していて、避妊や安全な性行為が HIV 感染を防ぐ事を述べる代わりに、「性行為をしてはいけない」、「結婚後は性行為をしてはいけない」と書かれているそうです。

その他に教科書には間違ったコンドームの使い方や、性教育の発展より性教育を抑制するような文言が数多く見られたそうです。

僕は個人的に思春期の学生の性欲を抑えるのは無理に近いと思っています(宗教上の理由がなければ)。

正しい性教育を受けていないと、性欲をもった若者は違法アダルトサイト等を通じて性に触れるでしょう。

正しい知識が性への入り口にならず、間違った知識が入り口になるのはもったいないなーと思っています。

スタッフの体験談

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applemint には数名の20代のスタッフがいます。20代のスタッフが高校で性教育を受けたのは、10年ぐらい前の話になるため、決して古い話ではないと思います。

ここでは、あるスタッフの体験談をお話しします。

そのスタッフが受けた性教育の授業は「保健体育」という名前だったそうです。授業では中絶の生々しい動画が映し出され、動画の最後に先生から、「セックスはダメです!」と言われたそうです。

この話を聞くと、うちの台湾人スタッフが受けた台湾の性教育は黃淑英理事長の研究と似ていますね。つまり、性教育を教える事は難しいから、それだったら性行為自体を悪い事と思わせればいいという考えだと思います。

全ての学校がこのような教え方をしているとは思いませんが、僕の仮説では台湾の多くの学校がこのような性教育をしているのではないかと思います。

ちなみに、彼女の学校では妊娠した生徒がいたらしく、その学生は妊娠後問題児と扱われ退学処分になったそうです。

学校に責任があるわけではありませんが、正しい性教育が受けられていたら、違う結果になっていたのではないかと思います。

台湾人の実際の性に関する数字

最後に台湾人は性に対してどのような考えを持っているか、お話をしたいと思います。

台湾の25歳から49歳の女性500名を対象に、行われた女性の性的満足度に関するオンライン調査(台灣女性性生活滿意度)によると、96%の女性が良好な性生活はパートナーとの関係構築に役立つと答えながらも、4割の女性は性生活に不満を持っている事がわかりました。

また、今回の調査では、30歳以上の台湾人女性の半数以上がオーガズムを偽ったと回答していました。

男性は一般に女性がオーガズムを感じる事に対してこだわりを持つ場合が多いです。今回の調査で分かったのは、恐らく女性が男性の気持ちを察してオーガズムを偽っているということではないでしょうか?

これは両者にとってあまり健全な関係ではありません。しかし性に関する問題ほど話しにくいトピックはありません。

女性側が男性側に性行為の不満を訴えれば、男性側は傷つくかもしれません。

そこで applemint では、主に台湾人のカップルの方を対象としたような楽しく学べる性教育のイベントを企画中です。

今後詳細が分かり次第、皆さんに共有をしたいと思います。

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Leo Sato 佐藤峻

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