広告代理店経営者が語る広告代理店の問題とapplemint の挑戦

広告代理店経営者が語る広告代理店の問題とapplemint の挑戦

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのお手伝いをしている applemint 代表の佐藤(@slamdunk772) です!

先日台湾で同業者の方とお話をする機会があり、広告代理店について色々と語りました。議題になったのは、顧客目線でサービスを提供する事って思うよりも難しいよね、というお話です。

ちょっと具体例を挙げますね。例えばあるお客さんが台湾で売上が落ち込んでいたとします。「売上改善」という目的に対して取れる宣伝手段はいくつもあります。広告代理店のお仕事はそのいくつもある手段の中から最も効率よく売上改善が期待できる宣伝手段を選ぶ事です。

残念ながら広告代理店は時に最も効率のいい手段ではなく、最も自分達に利益になる手段を選ぶ場合があります。これを今読んでる方は不快に思うかもしれませんがよく起こります。

会社の創業者や幹部は顧客を第一に思っている人が多いのですが、従業員は時に自分達に課せられた売上目標を達成しようとして、必要じゃない宣伝メニューを売ろうとします。或いは客観的に見るとTPOが間違っているメニューを自分ではいいと信じ込んで売ろうとするケースがあります。

これは広告代理店が抱える問題のほんの一例です。

このブログでは上記で挙げたような広告代理店が抱える問題点とその問題が起こる理由を解説し、それらの問題に対して applemint はどうしようとしているかお話ししたいと思います。

広告代理店にお仕事を一緒にする予定の方や広告代理店でお仕事をしたいと考えている方は必見です!

広告代理店が抱える問題その1.効率を重視した細分化

広告代理店の課題1

僕は applemint を創業する前に外資系と日系の広告代理店で勤めた経験があります。いずれの会社も組織の構造は似たようなものでした。通常広告代理店はサービスと機能によって部門と職種が分けられます。

部門は通常「テレビ広告部」、「ウェブ広告部」、「紙広告部」など媒体によって分けられます。次に部門の中に様々なお仕事をする職種が存在します。例えば「営業/窓口」、「分析」、「企画」、「デザイン」、「コピーライター」、「プロデューサー」みたいに分けられます。大きな会社ほど職種が細分化されます。

これは恐らく広告代理店に限らず多くの会社でも同じ事が言えると思います。では広告代理店に限らず多くの会社はなぜこのように部門と職種を細分化すると思いますか?改めて「なぜ」と聞かれるとすぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか?

広告代理店を経営する僕が思うその理由とは細分化した方が効率よく儲けられるからです。役割分担をすると従業員一人一人が受けられるクライアントの数が増えます。また、サービスや媒体毎に部門を分けると、その部門に専門性が生まれサービスの質が向上し、売上アップに繋がります。

しかし会社の効率を優先して部門を作って職種を細分化すると、前章でお話ししたような顧客の予算を取り合う問題もおきます….その結果、顧客は必要のないサービス(宣伝メニュー) を提案される事態がよく起きます。

広告代理店が抱える問題その2.一人じゃ何も出来ない広告代理店の人材

少し過激な表現ですが、広告代理店の職種が細分化した結果、一人じゃ何も出来ない人材が増えていると思っています。

佐藤峻leo sato

広告代理店に限らず多くの企業で、ある事はすごく出来るがそれ以外は何も出来ないみたいな人材が増えている気がします。

僕の前職は AE (Account Executive) といって、顧客の対応をする仕事をしていました。僕の主なお仕事は分析チームが書いてくれたレポートをクライアントに報告し、ウェブサイトのプロジェクト進行をし、プランニングチームが考えた企画をクライアントに報告するというものでした。

その後会社を辞めて履歴書を更新している時にある事に気づきました。「あれ、僕一人じゃ何も出来ないじゃん」と。

僕がクライアントに報告していた分析書は分析チームなしでは作れません。企画書もプランナーとデザイナーの協力なしには作れません。ウェブサイトもバナーもデザイナーなしでは何も出来ません。

面白いのがデザイナーも消費者目線で企画された構成なしにはいいバナーは作れなくて、プランナーも分析なしでは企画書を作れないということです。

いい例えになるかわからないですが、サッカー選手ってFW でも、MFでも、DFでも、皆サッカーはできるんで、やろうと思えばどこのポジションでも出来ますし、替えがきくじゃないですか?うまく出来るかは別として、サッカーは結局サッカーで基礎はおさえているからみんなどのポジションでも出来るって意味です。

広告代理店ってそれが難しいなって思いました。職種が細分化された結果、特定の事しか出来ない人材が増えて、例えばその職種が将来必要じゃなくなったら仕事なくないか?って思いました。 

この話をまとめると、広告代理店は大きな会社ほど仕事が細分化される傾向にあって、細分化された職種につくと仕事の範囲が狭いから1人で出来る能力がつかなくなる可能性が高いのではないかって事です。

佐藤峻leo sato

残念ながらこの事に気づいている求職者はなかなかいませんが…

広告代理店が抱える問題その3. 温度差

部門間の温度差

通常お客さんに一番近い営業やお店の店員さんは割とお客さん目線で、お客さんから一番遠い分析チームや工場の人とかがお客さん目線じゃない場合が多いです。皆さんも経験があるのではないでしょうか?

僕がメーカーに勤めていた新卒時代、お客さんから緊急事態の連絡がよくあって、慌てて工場に連絡を取っても工場からは「あーいつもの事だから気にしなくていいよ。」とよく言われました。中国や新興国の脅威を工場の人に話しても中々危機感を感じてくれなかったのを覚えています。

同じような事は広告代理店でも起きます。広告代理店に勤めていた時、お客さんの数字が悪くなったら僕はすぐに分析班に相談してましたが、分析班からの反応はクールなものでした。

あの時よく思ったのは、「自分で分析が出来たらなー」という事でした。結局職種が細分化されまくると1人じゃ何も出来ない事が多く面倒だなってよく思ったものです。

applemint の挑戦:効率を無視した部門/職種撤廃

ちょっとここまでの内容をまとめますね。

広告代理店の課題

1. 広告代理店はサービスやメディアで部門が分かれていて、度々必要じゃない広告メディアが顧客に提案される
2. 仕事が細分化されていて、自分1人じゃ何も出来ない人材が増えてる(と思う…特に組織が大きな企業)
3. お客さんとやりとりをするスタッフがその場で改善や修正が出来ない事がある

これらの問題に対して applemint は実はある挑戦をしています。それが「部門なし」&「広範囲な仕事内容」です。

まず、僕らの会社では社員が顧客の窓口になってやれる事をできる限りします。例えば「佐藤」というお客さんがいたら、うちのスタッフは佐藤の広告運用から分析、広告の企画、コンテンツ企画と執筆までやります。

これにより、お客さんの課題が見えたら自分で分析して実行までスピーディーに出来ます。また、どこかの部門の売上のために無駄なサービスを売るモチベーションは生まれません。

ただ課題はあります。それは、顧客の要らないサービスを売るモチベーションは完全には消せないという事と、売上効率が悪い事です。

僕らのスタッフの評価基準は抱えている顧客の粗利や勤務態度です。残念ながら粗利が評価基準にある以上、お客さんが必要としていないのに粗利が高いサービスを売ろうとするモチベーションは出てきます。

だから僕らはスタッフに嫌というほど僕らのモットーである、 “we don’t sell garbage” (ゴミを売るな) を伝え、ロジックがない効果に自信が持てないサービスを提供していないか目を光らせています。今は少人数なのでそれが出来ていますが、会社の規模が大きくなったら難しいでしょう….

佐藤峻leo sato

会社の規模が大きくなって、この体制がうまくいかなくなった時はまた動画を撮ろうと思っています。

次に、売上の効率が悪いのも課題の一つです。仕事の範囲が広いので1人のスタッフが受けられる顧客の数が限られ、それが営業利益に影響します。

それでも僕らは続けられるなら、この組織を続けたいと思っています。それはお客さんのためであり、実はスタッフのためだったりします…

モチベーションと従業員の将来のため

随分昔の動画ですが、行動経済学者のダン・アリエリー氏が仕事のやる気について話をしました。その当時彼は会社が効率を求め人々の仕事を細分化した結果、人々はモチベーションを無くしているのではないかと話しました。

僕はこの意見に同意です。仕事が細分化されすぎるとクライアントへの気持ちが薄れやる気を失くすと感じています。そこで僕は仕事をサービスで分けるのではなく、クライアント毎で分けることにしました。

また、僕は以前広告代理店を離職して転職活動をしようとした時、自分が一人じゃ何も出来ないことに気づきました。僕はせめて applemint を辞めるスタッフは一人でも色々出来る実力をつけて欲しいと思っています。

以上、applemint 代表佐藤より広告代理店の課題と決して表には出ない applemint の組織の裏にある密かな思いでした。

佐藤峻leo sato

今回思いっきり表に出してるし… 笑

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Leo Sato 佐藤峻

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