Posted on

applemint が考えるクリエイティブな空間とは

applemint が考えるクリエイティブな空間とは

こんにちは、applemint 代表の佐藤です。

applemint では 2021 年にオフィスの引っ越しを考えています。
今から内装代が怖いです….(苦笑)

applemint の新しいオフィスのコンセプトは「創造性が発揮される環境」です。
理由は3つあります。

1. applemint の社員がクリエイティブな発想をできるようにするため
2. applemint がクリエイティブ de 面白いことをしている会社と認知されるため
2. applemint がクリエイティブ de 面白い人を惹きつけるため

では、創造性が発揮されるオフィス環境とはどんな環境でしょうか?
そんなことを考えて、色々リサーチした結果、創造性が発揮される環境について色々見えてきたので、このブログでは創造性が発揮される環境についてお話をしたいと思います。

まずは、創造性 (creativity) の定義を行い、多様性の重要性、創造性が発揮されるオフィス環境の設計、最後に壁や床の色、照明の明るさ、椅子や床に至るインテリアに触れて終えたいと思います。

創造性 (クリエイティビティ) の定義

創造性とは何でしょうか?
創造性の定義については Steve Jobs氏 や、 Richard Florida教授、その他多くの経営者が述べています。
このブログは創造性についての学術論文ではないので、僕が個人的に思う創造性の定義について書きたいと思います。

僕が思う創造性とは、色んなアイデアに開放的な寛容性と、一見関連性のないアイデアや事象をつなげる柔軟性だと思っています。
一例を Jonah Lehrer氏の、Imagine:How Creativity Works、という本からご紹介したいと思います。

New York に Don Lee という有名なバーテンダーがいました。
化学専攻だった彼は、ある日アルコールと脂肪の原子の特性に目をつけました。
どういうことか?
例えば水と油は混ざりませんが、これは両極性によって起こります。
簡単に言うと、水の分子と油の分子は相性が合わず、引き合わないので水と油を混ぜても、一緒にならないということです。
アルコールはどうか?
アルコールの分子は水と似ているため、通常、油とアルコールは相性がよくありません。
ただし Don Lee は油と思われていた、ある化合物の分子とバーボンの分子が似ていることに目をつけました。
それは、ベーコンの風味をよくする化合物です。

そこで彼はベーコンを焼いた後、フライパンにたっぷり溜まった脂肪をバーボンにつけ、そのバーボンを冷やす事でまずは脂肪とバーボンを分離させました。
油は元々アルコールと両極性な関係のため、冷やされると、ベーコンの油だけ塊となって浮いてきます。
ベーコンの脂肪とバーボンは分離しますが、ベーコンに風味を与える化合物はバーボンと引かれ合うため、分離せずにバーボンにベーコンの風味が残ります。

このカクテルは PDT’s Bacon-infused old-fashioned といい、 Youtube に作り方が載っていたので貼り付けたいと思います。

これは、『化学』と『カクテル』という、一見全く関連性のない二つのトピックが組み合わさって、イノベーションが起きた事例です。
僕は Don Lee のようなバーテンダーは非常にクリエイティブだと思います。
彼は一見関連性のない二つのアイデアや事象を組み合わせる、寛容的で柔軟な思考を持っています。

そして僕は願わくば、applemint の従業員が自身の創造性を発揮して、一見関連性のないような異なるトピックをロジカルに、且つ柔軟に組み合わせて、イノベーションを起こして欲しいと思っています。

多様性の重要性

オフィス環境の話に移る前に、多様性について少し書きたいと思います。

創造性とは、オフィス環境という表面的な部分を整えさえすれば、発揮されるものではない、と僕は考えます。
創造性とは、人材と環境がセットになって、やっと最大限発揮されると思っています。
では、どんな人材を採用すればいいのか?

僕は採用をする際、面接者が募集ポジションに合った能力を持っているか、チームプレーヤーであるかどうかはもちろん、多様性と寛容性を重視します。
具体的には、他の国で留学や住んでいた経験はあるか、英語や多言語を話せるかをかなり見ます。
別に英語を実務で使うことはほとんどありません。 (ただし applemint では slack のコミュニケーションはほぼ全て英語です)
でも、英語が出来るか否かは重視します。

僕の経験上、英語を喋れる人は、他の人種や文化に興味があり、異なる文化に対して開放的な人が多いです。
つまり、僕は英語を話せる能力が欲しいのではなく、他の文化に開放的で、寛容的な姿勢を持つ人を採用したいということです。
親に言われて渋々英語を勉強した人は英語を話せるかもしれませんが、ちょっと話せば能動的に英語を学習したか、受動的に英語を学習したかはわかります。
ただし、英語が出来ないから応募してはいけないという訳ではなく、他の文化やアイデアに寛容的で、チームプレーヤーであれば大歓迎です。

また、今後可能であれば、外国人も採用していければ、多様性が広がり面白いと思っています。(残念ながら今は資本や売上規模的に今は難しいですが…..苦笑)

遺伝子と多様性

なぜそんなに多様性にこだわるか?
以前 iPS 細胞で有名な山中教授が、遺伝子の多様性について語っていて、僕は彼の話が組織に応用出来ると思っています。

山中教授曰く、通常子どもは母親と父親の遺伝子を両方を引き継ぎます。
子どもなので当たり前ですよね。
しかし、近年の研究で、子どもは父親も母親も、どちらも持っていない遺伝子を持っていることがわかりました。
なぜこんなことが起こるのか?
一説によると、子どもが親と全く同じ遺伝子を持っていると、疫病が起きた際、子どもと親、両方亡くなる可能性が高いためだそうです。
子どもの生存率を少しでも上げるため、子どもは両親と異なる遺伝子を持っていると言われています。

参考:NHKスペシャル「シリーズ 人体Ⅱ 遺伝子」

つまり、多様性は生存率を上げるということです。
2019年のラグビーワールドカップで日本代表があれだけの好成績をおさめたのも、多国籍な選手で構成されていたことが要因の一つだと思います。
これを組織に当てはめると、一見価値観が同じ人材を集めることは、生産性アップに繋がり、効率がいいと思われますが、何かトラブルがあって1人が対応できないと、みんな対応できない可能性を秘めます。
つまり、価値観を均一化し、多様性を無くすことはどうやら生存率を下げることに繋がりそうなのでです。
僕はこの話が妙にしっくり来ていて、組織でも多様性を重視するようにしています。

参考:山中伸弥が「人類は滅ぶ可能性がある」とつぶやいた「本当のワケ」

クリエイティビティ (創造性) が発揮されるオフィス環境とは

ようやく本題の創造性が発揮されるオフィス環境について、お話をしたいと思います。
ここでも冒頭でご紹介したJonah Lehrer氏の、Imagine:How Creativity Worksをベースにお話をしたいと思います。

Joydeep Bhattacharya 教授は、クリエイティブなアイデアが出る時、脳内はアルファ波がよく出ていると述べています。
脳内でこのアルファ波が出ている時、人間の注意は内側に向けられ、アルファ波が、今まで関連性がないと思われたインプットを脳内で結びつける手助けをするのだそうです。
今まで関連性がないと思われた事象やインプットが結び付くと、Don Lee のようなイノベーションが起きます。
つまり、創造性の鍵はアルファ波と言えます。
では、どういう時にアルファ波が出るのでしょうか?

アルファ波が出るのはリラックスしている時と言われます。

アルコールを飲んでいるときに、アルファ波が出ているって言ったら、なんとなくアルファ波と創造性の関連性がわかるのではないでしょうか?笑
つまり、オフィス空間も社員がなるべくリラックスできる環境を作ると、創造性が促進されると思われます。

アルファ波に関する参考:メタルも「癒しの音楽」になる!?知っておきたい「α波」のはなし

では創造性が大事と言われているこの時代に、なぜ多くの企業は社員がリラックスできるような空間を設けないのでしょうか?

理由の 1つは、企業側が余計なコストをかけたくないからでしょう。
もう一つはリラックスできる空間が、生産性を低下させる可能性があるからだと思います。

脳内でアルファ波が出ている時はリラックスして注意力が内側に向けられるという話はしました。
しかし、仕事をしていると、メールやエクセルの表計算、報告書の準備など注意力を外側に向ける必要があります。
所謂、世間一般で言う『集中』しないといけない時間が、仕事の大部分を占めるのではないでしょうか?

そんな時に、アルコールを飲んで、鳥の鳴き声や、川のせせらぎの音が聞こえるリラックスした空間にいて、仕事が捗るのか?という事です。

つまり、ここで言いたいのは、リラックスできる空間と作業をする空間は分けた方が良さそうという事です。

コミュニケーション:雑談の力

リラックスしていると注意が内側に向き、アルファ波が脳内で関連性がないと思われた事象や、アイデアを結びつけることはわかりました。
次に大事なのは、如何にして色んなアイデアをインプットするかだと思います。
どんなに社内に多様な人材がいても、それぞれ社員が交流をしなければ意味はありません。
僕は以前空軍の友人や、船乗りの友人から普段絶対に聞けないような話を聞き、すごく刺激になりました。

以前以下のブログで書きましたが、Wieden & Kennedy というNike の広告代理店が、Nike のために考えた 「Just Do it」というスローガンは、元々 Wieden&Kennedy のインターン生の会話から生まれたものでした。
イノベーションや、創造性の発揮にはユニークなインプットは欠かせません。
だからこそコミュニケーションや雑談は重要なのです。
applemint Lab で『ダサいT-シャツコンテスト』を企画していますが、これも僕が社員の雑談を拾って閃きました。(クリエイティブなアイデアかどうかは別です…苦笑)

More to read
books

applemint 代表佐藤が最近読んだオススメしたい本 (6/6)

台湾にある applemint というデジタル・マーケティングの会社の代表が読んだ本の紹介です。

PIXAR も部門を跨いでのコミュニケーションや、ちょっとした雑談を非常に重視しています。
『Pixar オフィス』と検索をすると、Steve Jobs 氏が如何にコミュニケーションを大事にしてオフィスを設計したかがわかります。

Pixar のオフィスはアトリウムのような空間で、オフィス中央部分には社員のメールボックスや、コーヒーを飲むスペース、そしてトイレがあります。
メールボックスの確認、コーヒー、トイレは 1日に1回は必ずします。
つまりこれらの機能が中央にあるということは、どんな社員でも 1日に1回は必ずオフィス中央部に行くことになります。
Steve Jobs 氏は社員が中央に集まった時に、コミュニケーションが起こるように仕向けたのです。

これも全ては社員の交流を通して、インプットの機会を増やすためと言えます。
そのため、applemint でもバーカウンターのようなスペースを中央に設け、そこにコーヒーマシーンでも置き、社員間で必ずコミュニケーションが生まれるようにしたいと思っています。

参考:スティーブ・ジョブズがピクサーオフィスに込めた想いとは

インテリアと創造性

椅子について

椅子について、 apple の元チーフデザインオフィサーの Jonathan Ive 氏が深澤直人氏との会談で、興味深いことを話していたのでシェアします。
Ive 氏は apple の新社屋の椅子をどれにするか、非常にこだわったそうです。
Ive 氏いわく、椅子一つで人々の態度は変わり、それが会話に影響すると語っています。
例えば、ソファーでする会話はリラックスしているため、比較的に開放的なムードになります。
一方で、オフィスチェアに座ってするような会話は仕事ムードになるでしょう。

このように椅子を変えれば、話し方が変わるため、どの椅子で、どんな話をするか考える必要があります。

椅子についての参考:【特別対談】世界を変えた工業デザイン ジョナサン・アイブ × 深澤直人

applemint では作業用の椅子のほか、ソファーやリラックスできる椅子をオフィス内のどこかには設置したいと思っています。
ソファーの色は創造性を掻き立てるような緑や、青を取り入れつつ、グレーのような周りと同化する色もいいと思っています。
作業用の椅子の色は、機能重視で汚れが目立たない黒にしようと思っています。

ただし、引越しの段階では、家具は必要最低限だけ揃えて、後から足していこうと思っています。(そもそもそんなにお金ないですし….)

座らないという選択

近年、長時間座り続けることの健康面への悪影響がフォーカスされています。
また、立っている時の方が座っている時より、アイデアが出やすいと言われています。
以前 NHK の白熱教室を見ていた時、スタンフォードのデザインスクールではブレインストーミングの時、みんな立っていたのが印象的でした。

こうした観点から、昇降式のスタンディングデスクを導入する企業が増えており、あの apple も全従業員のデスクをスタンディングデスクにしたと、CEO の Tim Cook氏が語っていました。

参考:The David Rubenstein Show: Tim Cook

applemint でも予算を見ながら昇降式のスタンディングディスクを一部導入しようと考えています。

机の色

机の色に関しては木の色を考えています。
机の色を白や黒といった色にすると、あまりに『作業場』という雰囲気になりかねません。
木を導入しすぎるとリラックスし過ぎる可能性はありますが、床の色は気を使う予定はないですし、アクセントのため、木の色にしようと思っています。

壁の色

壁の色は人間の行動に影響を与えると言われています。
では、創造性を最大限発揮させる、壁の色とはどんな色でしょうか?
Jonah Lehrer氏によると、どうやら青い壁が創造性を発揮させる色だということがわかりました。
青い壁は海や空を想起させ、アルファ波を増加させるのだそうです。

でも、青い壁で覆われたオフィスなんて逆に集中できなくて嫌ですよね?
そこで、applemint では青をアクセントで所々に入れていければと思っています。(applemint のロゴのターコイズ色を入れるかもしれませんが、そこはバランスを見ます)
ちょうど Good Patch社のオフィスが、いい具合に青をアクセントで入れていたので、貼り付けたいと思います。
所々の木材家具がリラックス感を引き出し、統一感もあって、ものすごくいいオフィスだなと思います。

参考:https://goodpatch.com/blog/office-design/

壁の色はブルーをアクセントカラーに、雲の色みたいな白を考えています。
完全に真っ白な壁は避けたいと思っています。
白い壁は清潔感を与えますが、その代わりに圧迫感を与え、生産性が低下するという研究結果が出ています。

参考:オフィスの壁を白に塗ってはいけない!?色がもたらす作用

コンクリート色のグレーはラウンジにはいいかもしれませんが、作業スペースの壁をグレーにすると、気分が高揚しないので灰色も避けたいと思っています。
白に近い色を選ぶ理由ですが、今後壁に本や植物、写真をディスプレーしていきたいと考えているためです。

考えている壁の色 @ VWI BY CHADWANG グレーではないです 苦笑
考えている壁の色 by Swell Cafe / 写真参考:Here Now
本のディスプレーの例@ Boven

理想はラウンジスペースと作業スペースを分けることですが、applemint はそんなに人数いませんし、大きなスペースを借りるほどの余裕もないので、床の色を変えて、工夫して分けたいと思います。

床の色

次に床の色ですが、明るい木材の色を床に選択すると、どうしてもリラックス感ばかりが出てしまい、生産性が少し懸念されます。
現時点で考えている床の色は、コンクリートのような重い色です。
壁の色はコンクリートの色を避けますが床はコンクリートのような重い色にして、天井を白くしたいと思っています。
こうすることで、開放感を演出し、スタッフの創造性最大化を手助けできればと思っています。
下の図を見るとわかりやすいですが、左は開放感があるのに対して、右は天井が重い色なため、閉じ込められている感じがします。

そのため applemint では、おしゃれオフィスのように天井を黒くするのではなく、白くしたいと思っています。

フロアを重い色にして天井を明るくした部屋 (左) vs. 天井を重い色にした部屋 (右)

参考:【事例付】オフィスの印象をあやつる床デザインを徹底解説!

照明の色

照明の色は主に、『電球色』、『昼白色』、『昼光色』の3種類あって、それぞれ目的が違うことはご存知ですか?
3つの色がそれぞれどんな色か想像がつきにくいと思うので、以下に写真を貼り付けたいと思います。

これを見て、どの色がどんな目的に適しているか何となく理解できると思います。
電球色はリラックスさせる効果があるため、リビングやラウンジに適していると言われます。
昼白色 (ちゅうはくしょく) は太陽の光の色に非常に似ているため、長時間いる場所に向いていると言われています。
最後に、昼光色 (ちゅうこうしょく) は脳を覚醒させる効果があるので、集中したい場所や、細かい作業をする場所に向いていると言われています。

参考:電球・蛍光灯の色の種類「電球色」「昼白色」「昼光色」について徹底解説!

これを聞いたら経営者の多くは、作業スペースの照明を昼光色にして、従業員を集中させようと思うでしょうが、ずっと明るい環境にいたら逆に疲れますよね?
昼光色は、デスクライトに限定し、オフィスのライトは昼白色にすると、いいと思われます。
applemint でも作業スペースに昼白色を導入し、ラウンジスペースには従業員ができる限りリラックスしてコミュニケーションを取れるような、電球色を導入したいと思います。
オフィス空間を光の明るさで分けると面白そうですね。

最後に applemint Lab について

最後に applemint Lab についてお話をさせてください。
applemint では、今まで他の誰もやったことないような実験をオフラインで行いたいと思っています。
そのためにはオフラインの空間が必要です。
ちょうど、Wieden + Kennedy Tokyo のように、1階がオフラインの空間、2階が作業スペースというのが理想です。

参考:https://jobs.japandesign.ne.jp/report/wiedenkennedy-tokyo/

でもこんないい物件が、狙っている中山区で見つかるのでしょうか….泣
地道に探したいと思います。

僕は残念ながらあまり多くのアーティストを知らないので、Wieden + Kennedy Tokyo のようにギャラリーをやったところで質は見えています(苦笑)。
でも、面白いアイデアはたくさんあります。
例えば、禁煙・禁酒のクラブイベントを開いたらどうなるかちょっと気になりませんか?
10人に結果を予想してもらったら、9人は「人が来ない」、と回答するでしょうが、誰もしたことがないと思うので、誰にもわかりません。
applemint Lab では、このような誰もしたがらないような実験を行う場に出来たらと思っています。

2年後オフィス改築後に、このブログを更新します!笑
長文ありがとうございました!
オフィスの内装を考えている人の参考になっていたら幸いです。

NEW

NEW BLOGs

applemint の最新のブログをご紹介!

applemint に関する問い合わせはこちらから