applemint が考えるクリエイティブな空間とは

applemint が考えるクリエイティブな空間とは

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

applemint では 2022年の夏にオフィスの引っ越しを考えています。applemint の新しいオフィスのコンセプトは「創造性が発揮される環境」です。
理由は3つあります。

  1. applemint の社員がクリエイティブな発想をできるようにするため
  2. applemint がクリエイティブで面白いことをしている会社と認知されるため
  3. applemint がクリエイティブで面白い人を惹きつけるため

では、創造性が発揮されるオフィス環境とはどんな環境でしょうか?

そんなことを考えて色々リサーチをした結果、創造性が発揮される環境について見えてきた事があるので、このブログでは創造性が発揮される環境についてお話をしたいと思います。

まずは、創造性 (creativity) の定義を行い、創造性に不可欠な多様性の重要性、そして創造性が発揮されるオフィス環境や設計、壁や床の色、照明の明るさ、椅子や床に至るまでのインテリアに触れて終えたいと思います。

創造性 (クリエイティビティ) の定義

創造性とは何でしょうか?
創造性の定義については Steve Jobs氏 や、 Richard Florida教授、その他多くの経営者が述べています。

このブログは創造性についての学術論文ではないので、ここでは僕が個人的に思う創造性の定義について書きたいと思います。

僕が思う創造性(クリエイティビティ)とは色んなアイデアに開放的で寛容的で、一見関連性のないアイデアや事象をつなげる柔軟性の事だと思っています。

一例を Jonah Lehrer氏の、Imagine:How Creativity Works、という本からご紹介したいと思います。

New York に Don Lee という有名なバーテンダーがいました。化学専攻だった彼は、ある日アルコールと脂肪の原子の特性に目をつけました。

どういうことか?

例えば水と油は混ざりませんが、これは水と油の両極性な性質によって起こります。
簡単に言うと、水の分子と油の分子は相性が合わず、引き合わないので水と油を混ぜても、一緒にならないということです。

ではアルコールはどうでしょうか?

アルコールの分子は水と似ていて、通常油とアルコールは相性がよくありません。なので、油とアルコールを混ぜると分離します。ただし化学専攻だった Don Lee は油と思われていた、ある化合物の分子がアルコールであるバーボンの分子と似ていることに目をつけました。

それはベーコンの風味をよくする化合物です。そこで彼はベーコンをフライパンで焼いた後、フライパンにたっぷり溜まったベーコンの脂肪をバーボンにつけ、そのバーボンを冷やしました。後日バーボンとベーコンの油が入ったグラスの中には白い油とバーボンが分離されて入っていました。

次に彼は白い油を取り除きました。こうする事で、結局グラスの中にはバーボンだけが残ります。しかしこのバーボンにはベーコンの風味をよくする化合物が含まれています。なぜならこの化合物の分子とバーボンは引かれ合うためです。

こうして、ベーコンのいい香りがついたバーボンのカクテルが出来ました。このカクテルは PDT’s Bacon-infused old-fashioned と言います。 Youtube に作り方が載っていたので貼り付けます。

僕は Don Lee のようなバーテンダーは非常にクリエイティブだと思います。その理由は彼が、『化学』と『カクテル』という、一見全く関連性のない二つのトピックを組み合わせてイノベーションを起こしたからです。

彼は一見関連性のない二つのアイデアや事象を組み合わせる、寛容的で柔軟な思考を持っていました。僕は願わくば、applemint の従業員が自身の創造性を発揮して、一見関連性のないような異なるトピックをロジカルに、且つ柔軟に組み合わせて、イノベーションを起こして欲しいと思っています。

多様性の重要性

創造性が発揮されるオフィス環境の話をする前に、多様性について少し書きたいと思います。

創造性とは、オフィス環境という表面的な部分を整えさえすれば、発揮されるものではない、と僕は考えます。創造性とは、人材と環境がセットになって、やっと最大限発揮されると思っています。

では、どんな人材を採用すればいいのか?

僕は採用をする際、面接者が募集ポジションに合った能力を持っているか、チームプレーヤーであるかどうかはもちろん、多様性と寛容性を重視します。具体的には、他の国で留学や住んでいた経験はあるか、英語や多言語を話せるかをかなり見ます。

別に英語を実務で使うことはほとんどありません。 (ただし applemint では slack のコミュニケーションはほぼ全て英語か日本語です)それでも、英語が出来るか否かは重視します。

僕の経験上、英語を喋れる人は、他の人種や文化に興味があり、異なる文化に対して開放的な人が多いです。つまり、僕は英語を話せる能力が欲しいのではなく、他の文化に考えに開放的で、寛容的な姿勢を持つ人を採用したいということです。

面接に来る方の中には親に言われて渋々英語を勉強して英語を話せる人がいるかもしれませんが、面接でちょっと話せばその人が能動的に英語を学習したか、受動的に英語を学習したかはわかります。

ただし、英語が出来ないから応募してはいけないという訳ではなく、他の文化やアイデアに寛容的で、チームプレーヤーであれば大歓迎です。

また、applemint では今後可能であれば外国人も採用し、多様性が広がり面白いと思っています。

leo (佐藤峻)

台湾は表向きには国際的な社会を目指すと言っているかもしれませんが、外国人の労働許可証発行とビザには一定のハードルがあり、外国人の雇用はそれなりの資本がある会社しかできないのが現状です。

遺伝子と多様性

もう少しだけ多様性についてお話をさせてください。僕がなぜそんなに多様性にこだわるかというと、多様性が企業の生存率を上げる事に貢献すると考えているからです。

以前 iPS 細胞で有名な山中教授が、遺伝子の多様性について語っていて、僕は彼の話が組織に応用出来ると思っています。山中教授曰く、通常子どもは母親と父親の遺伝子を両方を引き継ぎます。

しかし、近年の研究で、子どもは父親も母親も、どちらも持っていない遺伝子を持っていることがわかりました。

なぜこんなことが起こるのか?一説によると、子どもが親と全く同じ遺伝子を持っていると疫病が起きた際、子どもと親の両方亡くなる可能性が高いためだそうです。子どもの生存率を少しでも上げるため、子どもは両親と異なる遺伝子を持っていると言われています。

参考:NHKスペシャル「シリーズ 人体Ⅱ 遺伝子」

この話を組織に当てはめると、一見考えが同じで、価値観が同じ人材を集めることは生産性アップに繋がりそうですが、何かトラブルがあった場合みんな死ぬ確率が高いという事だと僕は思っています。僕のこの意見に賛同しない人は当然いると思いますが、少なくとも僕は信じていて、多様性を重視したいなと思っています。

参考:山中伸弥が「人類は滅ぶ可能性がある」とつぶやいた「本当のワケ」

クリエイティビティ (創造性) が発揮されるオフィス環境とは

ようやく本題の創造性が発揮されるオフィス環境について、お話をしたいと思います。
ここでも冒頭でご紹介したJonah Lehrer氏の、Imagine:How Creativity Worksをベースにお話をしたいと思います。

本の中で Joydeep Bhattacharya という教授は、クリエイティブなアイデアが出る時脳内はアルファ波がよく出ていると述べています。脳内でこのアルファ波が出ている時、人間の注意は内側に向けられ、人は今まで関連性がないと思われたインプットを脳内で結びつける手助けをするのだそうです。

今まで関連性がないと思われた事象やインプットが結び付くと、Don Lee のようなイノベーションが起きます。つまり、創造性の鍵はアルファ波と言えます。では、どういう時にアルファ波が出るのでしょうか?

アルファ波が出るのはリラックスしている時と言われます。

ちなみにアルコールを飲んでいるときもアルファ波が出ていると言われます。アルコール飲んでいる時って確かにクリエイティブになりますよね?笑つまり、オフィス空間も社員がなるべくリラックスできる環境を作ると、創造性が促進されると思われます。

参考:メタルも「癒しの音楽」になる!?知っておきたい「α波」のはなし

しかし僕らの周りの企業を見ると、一部のテック系企業以外はリラックスさせる空間よりも「ザ・オフィス」のような空間が多いですよね😂 僕はその理由は2つあると思います。

一つは、企業側が余計なコストをかけたくないからだと思います。もう一つはリラックスできる空間が、同時に生産性を低下させる可能性があるからです。

脳内でアルファ波が出ている時、脳はリラックスして注意力が内側に向けられるという話をしました。しかし仕事をしていると、メールやエクセルの表計算、報告書の準備など注意力を外側に向ける必要があります。むしろ8時間勤務の内、6時間ぐらいはそんな事ばかりです。

そんな時にアルコールを飲んで、鳥の鳴き声や川のせせらぎの音が聞こえるリラックスした空間にいて、仕事が捗るのか?というと捗らないでしょう。つまり、ここで言いたいのは、リラックスできる空間と作業をする空間は分けた方が良さそうという事です。

インテリアと創造性

ここから、もう少し「創造性」が発揮されるオフィス環境について深掘りをしていきます。長文でお疲れかもしれませんが、どういう内装が創造性に影響するか興味がある方はもう少しお付き合いください。

創造性と椅子の関係

椅子について、 apple の元チーフデザインオフィサーの Jonathan Ive 氏が深澤直人氏との対談で興味深いことを話していたのでシェアします。Ive 氏は apple を離職する前、apple の新社屋の椅子をどれにするか、非常にこだわったそうです。Ive 氏は、椅子一つで人々の態度は変わりそれが会話に影響すると語っています。

例えば、人はソファーで会話をするとリラックスしているため、比較的に開放的なムードになります。一方で、オフィスチェアに座って話をすると、会話はもう少しシリアルなものになります。このように椅子を変えるだけで話し方が変わるため、作業スペースと休憩スペース、面談スペースでその都度椅子を分けるといいでしょう。

椅子についての参考:【特別対談】世界を変えた工業デザイン ジョナサン・アイブ × 深澤直人

座らないという選択

近年、長時間座り続けることの健康面への悪影響がフォーカスされています。また、立っている時の方が座っている時より、アイデアが出やすいと言われています。
以前 NHK の白熱教室を見ていた時、スタンフォードのデザインスクールではブレインストーミングの時、みんな立っていたのが印象的でした。

こうした観点から、昇降式のスタンディングデスクを導入する企業が増えており、あの apple も全従業員にスタンディングデスクを準備したと、CEO の Tim Cook 氏が語っていました。

参考:The David Rubenstein Show: Tim Cook

applemint でも予算を見ながら昇降式のスタンディングディスクを一部導入しようと考えています。

机の色

机の色に関しては applemint では木の色を考えています。机の色を白や黒といった色にすると、あまりに『作業場』という雰囲気になりかねません。しかし木を導入しすぎるとリラックス 効果がありすぎるため、床の色は黒やコンクリート色のグレーを使う予定です。

その代わりに休憩ルームは木目の机を考えています。

壁の色

壁の色は人間の行動に影響を与えると言われています。では、創造性を最大限発揮させる、壁の色とはどんな色でしょうか?Jonah Lehrer氏によると、どうやら青い壁が創造性を発揮させる色だということがわかりました。青い壁は海や空を想起させ、アルファ波を増加させるのだそうです。

でも、青い壁で覆われたオフィスなんて逆に集中できなくて嫌ですよね?
そこで、applemint では青をアクセントで所々に入れていければと思っています(applemint のロゴのターコイズ色を入れるかもしれませんが、そこはバランスを見ます)

ちょうど Good Patch社のオフィスが、いい具合に青をアクセントで入れていたので、貼り付けたいと思います。所々の木材家具がリラックス感を引き出し、統一感もあって、ものすごくいいオフィスだなと思います。

参考:https://goodpatch.com/blog/office-design/

壁の色はブルーをアクセントカラーに、雲の色みたいな白を考えています。完全に真っ白な壁は避けたいと思っています。白い壁は清潔感を与えますが、その代わりに圧迫感を与え、生産性が低下するという研究結果が出ています。

参考:オフィスの壁を白に塗ってはいけない!?色がもたらす作用

コンクリート色のグレーはラウンジにはいいかもしれませんが、作業スペースの壁をグレーにすると、気分が高揚しないので灰色も避けたいと思っています。白に近い色を選ぶ理由ですが、今後壁に本や植物、写真をディスプレーしていきたいと考えているためです。

考えている壁の色 @ VWI BY CHADWANG グレーではないです 苦笑
考えている壁の事例

床の色

次に床の色ですが、明るい木材の色を床に選択すると、どうしてもリラックス感ばかりが出てしまい、生産性が少し懸念されます。そこで床の色は、作業スペースではコンクリートのような重い色を applemint で考えています。その代わりに天井は白くしたいと思っています。

以下見て頂くとわかりますが、下に重い色を置いて上に軽い色を置くと、コントラストで空間が開放的に見えます。黒い天井は洗練されててかっこよく見えますが、applemint のオフィスではカッコよくするのが目的ではないので天井は白くします。

フロアを重い色にして天井を明るくした部屋 (左) vs. 天井を重い色にした部屋 (右)

参考:【事例付】オフィスの印象をあやつる床デザインを徹底解説!

照明の色

照明の色は主に、『電球色』、『昼白色』、『昼光色』の3種類あって、それぞれ目的が違うことはご存知ですか?
3つの色がそれぞれどんな色か想像がつきにくいと思うので、以下に写真を貼り付けたいと思います。

これを見て、どの色がどんな目的に適しているか何となく理解できると思います。
電球色はリラックスさせる効果があるため、リビングやラウンジに適していると言われます。

昼白色 (ちゅうはくしょく) は太陽の光の色に非常に似ているため、長時間いる場所に向いていると言われています。最後に、昼光色 (ちゅうこうしょく) は脳を覚醒させる効果があるので、集中したい場所や、細かい作業をする場所に向いていると言われています。

参考:電球・蛍光灯の色の種類「電球色」「昼白色」「昼光色」について徹底解説!

以上 applemint 代表佐藤が考える「創造性」が発揮される空間でした。長文を読んで頂きありがとうございました!

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Leo Sato 佐藤峻

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