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【数字が苦手な人にこそ伝えたい!】MBA 財務専攻の applemint 社長が伝えるたった2つの会社を分析するポイント

【数字が苦手な人にこそ伝えたい!】MBA 財務専攻の applemint 社長が伝えるたった2つの会社を分析するポイント

こんにちは、applemint 代表の佐藤です。
企業を分析する時、よく「財務諸表を見ろ!」「数字は嘘をつかない」、なんて聞いたことありませんか?

私はそんな話に感化されて、東京でサラリーマンだった時代に、世界4大会計事務所の一つと言われている某会社が開いた財務中級セミナーに、参加したことがあります。
講師の方は非常にわかりやすくて面白かったのは覚えていますが、内容はあまり覚えていません。

なぜか?
今思い返すと、理由は二つあると思っています。

1. セミナーの内容に共感できない、知っていても自分の事にように考えられない
2. 流動比率や自己資本比率など、財務として大事な数字の計算方法は聞いてもすぐに忘れる

ということで、セミナーから約5年経った今、セミナーが良かったのは覚えていますが、具体的に何を学んだか覚えていません。

財務を自分のことのように共感をしてもらうには、自分たちの普段の業務、特にビジネスと関連性があるように感じてもらわないといけないと思っています。

そこで今回は、私が applemint スタッフ用に作った、 applemint の財務表の見方、ビジネス分析のトレーニングコンテンツを一部ブログにしました。

企業財務や、会社の分析の仕方に興味がある人は必見です!

絶対に覚えておいてほしいたった2つの概念

自己資本比率や流動比率など、小手先の財務を測る指標は一旦忘れてください。
財務諸表を見る上で私が大切にしているのは、たった2点です。

1. 会社がどうやって儲けているか
2. 儲けを最大化するために、企業は何に力を入れているか

この 2点です。

例えば、あなたが台湾ですごい物を見つけたとします。
まだ日本では売られていない、あなたしか知らないものです。
そこであなたは、日本で売ってビジネスをしようと考えます。
この時のあなたの商品一個あたりの儲け方は以下になります。

(日本で売る価格) – (台湾で仕入れた価格) – (郵送コスト) – (商品一つあたりにかかる人件費など) = 儲け

これが #1 の『会社がどうやって儲けているか』、のざっくりした概要です。
別に何も難しくありません。
商品1つに対する儲けを因数分解しているだけです。

次に、台湾で掘り出した物を1年間日本で売った場合の総売上は、以下のように求められます。

(売上) = (販売個数) x (購入単価) – (仕入れコスト)- (人件費とかのコスト)

まずは、このことを頭に入れておいてください。

では、上記のビジネスで、商品1個あたりの儲けを最大化するにはどうすればいいでしょうか?
やり方は主に 4つあると思います。

1. 日本で売る価格を上げる
2. 台湾で仕入れる価格を下げる、同じ商品をもっと安い値で購入する
3. 郵送コストを下げる
4. 商品にかかる人件費を下げる
5. 上記全て (笑)

また、1年間の総売上を上げる場合、やり方は主に3つあります。

1. 販売個数を増やす
2. 購入単価を上げる
3. コストを下げる

もちろん、企業は1年間を通して、#1 – #3全てを改善する努力をして、利益を最大化しますが、企業によっては、#1しか改善できないような場合があります。

例えば、石油を原料に何かを製造している会社が、石油のコストを下げようとしても何もできません。
そのため、この企業が出来ることは販売個数を増やすか、購入単価を上げるしかありません。

会社がどうやって儲けているか、そして会社がどうやって売上を最大化しようとしているか、この2つが私の企業を分析/財務諸表を見る出発点です。

Facebook のアニュアルレポートを見る

では、早速 Facebook について調べてみましょう。

とその前に、今一度冒頭で私が話した、財務諸表を見るポイント 2点を Facebook に置き換えて考えてみましょう。

Facebook はどうやって儲けているのか?
Facebook はどうやって儲けを最大化するのか?

次に、 Facebook のアニュアル・レポートを見ます。
今回は 2018 年のアニュアル・レポートを参考にします。
すると、42ページ目にしっかり、どうやって儲けているか書かれていました。

参考:https://s21.q4cdn.com/399680738/files/doc_financials/annual_reports/2018-Annual-Report.pdf

アニュアルレポートには、「売上の全ては広告費です。」と書かれていました。
売上である広告費は、マーケッターが 広告代理店や Facebook の代理店を通して、Facebook の広告商品を購入していると書かれています。

売っている商品が広告だけで、買い手は広告主や、広告代理店というなんともシンプルなビジネです。

Facebook の儲け方

では Facebook が儲けるまでの一連の流れはどんな感じでしょうか?
Facebook の儲けを以下のように因数分解してみました。

広告費収入 – 仕入れ (データセンター、サーバー施設など) – R&D – マーケティング費 – 従業員の給与 = 儲け

次に、 Facebook がどうやって儲けを最大化するか考えます。
やり方は主に、以下の3つに集約されると思います。

1. 広告費の収入を上げる
2. 仕入れ (コスト) を下げる
3. R&D やマーケティング費、人件費を下げる

データセンターやサーバー施設のコストを下げることはほぼ不可能でしょう。
データセンターは世界23億人のユーザーデータを管理する訳ですから、セキュリティや施設は最高にする必要があります。

R&D やマーケティング費、人件費を下げるのも難しいでしょう。
優秀な人材を獲得して、会社に残ってもらうためには人件費を削るわけにはいかないと思います。

そうすると売上を最大化するには、広告費の収入を上げるしかない訳です。

広告費の収入をどうやって上げるかを考える時に重要なのは、企業はなぜ Facebook に広告を出すかです。
答えは簡単で、Facebook に広告を出せば売れるからです (笑)
ではなぜ、売れるのか?

Facebook に人が集まるからです。

つまり、Facebook を分析する上で大事なのは、ユーザー数ということです。
それも、アクティブなユーザーでなければいけません。
Facebook に一度登録したけど使っていないユーザーは、 Facebook に集まっていないため、意味がありません。

Facebook がこれからも利益を上げ続けるには、アクティブなユーザー数を増やすしかないのです。

売上とユーザー数の相関を調べたところ、相関係数が0.98ありました。
ユーザー数が増えれば、売上が増えるということです。

Facebook の株主もそのことは理解しており、アニュアルレポートには、しっかりアクティブユーザー数の推移が記載されています。
以下、ご覧ください。

参考:https://s21.q4cdn.com/399680738/files/doc_financials/annual_reports/2018-Annual-Report.pdf

マンスリーアクティブユーザー23億人ってすごいですね…
特に左下のアジア圏のユーザーの伸びが顕著ですね。

営業利益と1ユーザーあたりの売上、売上とユーザー数の相関

Facebook の儲けが広告費であることから、ユーザー数の増加が、如何に大事かわかりました。
次に、営業利益を見ます。
営業利益率を見ることで、会社が如何に効率よく売上を自分たちの懐に入れているか分かります。

(in millions)201820172016
売上55,83840,65327,638
営業利益24,91320,20315,211
営業利益率44%39%45%
ユーザー数2,3202,1291,860
1ユーザー
あたりの
売上
241914.8

営業利益率の前に、簡単に売上を見ます。
2018年は 558億ドルあります。
円換算すると5兆円あります……
その内の 44% は仕入れや、人件費、マーケティングコストを除いた営業利益ということです。
その額、何と2.4兆円….
ここから税金を引いて、何と2.2兆円が2018年懐に入っています。
これだけお金が入れば、オフィスの食事を全てタダにすることなんて楽勝ですよね….

次に、2018年の 1ユーザーあたりの売上を見ると、1ユーザーあたり大体24ドル (約2500円)稼いでいることが分かります。
しかも Facebook のすごいところは、アクティブユーザー数の増加率より、1ユーザーあたりの売上率の方が高くなっているということです。
どういうことか?

まず、売上の成長率を見ると、2016年から2017年にかけては47%UP、2017年から2018年にかけては、37%UP しています。

次にユーザー数の増加率を見ると、2016年から2017年が 14%UP、2017年から2018年は8%UP です。

ユーザー数の増加率は微増なのに売上の成長率は、増加率よりも高いのです。つまり、ユーザー数の増加有無に関わらず、 Facebook の広告を買う広告主が増えているということです。
理由は様々でしょうが、これはすごいことです。

結論:2つの概念を改めて考える

改めて企業を分析する上で大事な、概念を繰り返します。

1. 会社がどうやって儲けているか
2. 儲けを最大化するために、企業は何に力を入れているか

Facebook の場合、Facebook は広告費で儲けていることが分かりました。
次に、Facebook は広告の売上を最大化するため、アクティブユーザーの増加に力を入れていることが分かりました。
ユーザー数と広告の売上には明らかな相関があり、Facebook は現在23億と呼ばれるアクティブユーザー数を、今後30-40億とかにしたいのだと思います。

また、ユーザー数は微増なのに対して、1ユーザーあたりの広告費 (売上) が上がっており、これは広告商品の魅力が増していることを示唆します。
AI を使ったターゲティングや、メッセンジャーや instagram の story 広告等がうまくいっているのかもしれません。

しかし、広告の魅力がいくらあっても、広告を出す対象、つまりユーザーがいないプラットフォームには、広告主は広告を出しません。
つまり、AI を使った分析や、広告商品の改善は Facebook にとって一番高いプライオリティではありません。
今後も Facebook が力を入れるのはユーザー数を増やすことでしょう。

結論を話すと、Facebook の財務諸表を見るにあたって意識するのは、「Facebook が今後もどうやってユーザーを増やしていくのか?」ということです。

私は正直、一年に2.2兆円も懐に入れている会社の資産を見て、安全性を調べるのはあまり意味がないと思っています。
アニュアルレポートや財務諸表は何十ページもありますが、その全てを見るのは無意味です。
Facebook の場合、どうやってユーザーを増やすのか、ユーザーの retention率をどうやって維持するのか、意識しながら財務諸表を見れば、自然とどこを見るべきかわかるのではないでしょうか?

applemint では企業を分析するという目的において意識しているのは、企業はどうやって儲けているか、そしてその儲けをどうやって最大化するか、のみです。
どの企業も共通して見るのは、『売上』、『売上成長率』、『営業利益』、『営業利益率』、ですがそれ以外は企業の儲け方によって、見る場所を変えます。

また、applemint では Facebook の他に、吉野家 vs. 松屋のケーススタディ、Nike (製造業) のケーススタディや、飲食業でも異色のマクドナルドのケーススタディを準備しています!
吉野家と松屋のケーススタディーは非常に面白くて、同じ牛丼を売る会社なのに、儲け方が全然違って、非常に面白いです!

この記事がどなたかの財務知識の助けになれば幸いです。

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