【台湾の古着の行方】台湾人にとっての古着とは

【台湾の古着の行方】台湾人にとっての古着とは

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。台湾には衣類を回収する箱がいくつもあるのをご存知ですか?こんなのです。

台湾衣類回収箱

僕は普段何気に古くなった衣類をこの中に入れていましたが、ある時ふと思いました。「この中に入れられた服ってその後どうなるんだろう?」と。

僕を含む多くの人が、古着は貧しい人に寄付されるか、布になってリサイクされていると思っていると思います。だけど色々調べるうちに、実際は全然違う事がわかりました。

そこで今回、改めて古くなった衣類がどうなるかを話し、その後に台湾の古着市場についてお話をしたいと思います。

※2022年3月13日更新:服のリユース率、台湾の古着市場について

古着の行く先

台湾の衣類回収箱に入れられた服がどうなるか?結論から言うと、ちょっとわかりませんでした。すみません。しかし所謂古着が日本でどのように処理されるのかは、資料があったので説明します。恐らく台湾も一緒かと思います。古着は通常3種類の処理の仕方があるようです。

  1. リユース市場に回って再び誰かに着てもらえる
  2. リサイクルされる
  3. 廃棄される

一つ一つ説明します。リユースはみなさんご存知の通り、古着としてまた誰かに着られる事です。次にリサイクルされる衣類ですが、実は僕らが思っているほど服はリサイクルはされていません。一般消費者から廃棄される衣料の多くは汚れていて、なおかつ繊維素材が不明確なものが多く、リサイクルにあまり適していないためです。

リユースに回る古着やリサイクルに回る古着、或いは廃棄される服を『ぼろ』と呼ぶのですが、ぼろの中で汚れが薄いものに関してはリユース市場に回ります。『ぼろ』の中で繊維素材が明確なものは反毛やウエスとしてリサイクルされます。

反毛とは原毛のことで、つまりは元の糸の事で、ウェスは簡単にいうと雑巾です。つまり、繊維が明確であれば糸にまで戻して再利用し、繊維が明確でなければとりあえず雑巾にするということです。

ここでお尋ねします。古着のうち、リユースとして再度販売される古着と、元の糸に戻る古着は全体のどれくらいかわかりますか?

回収された古着のうち、35%がリユースに回り、約30%がウエス、約20%が反毛として再利用され、残りの15%は廃棄されます。

参考:“服のリサイクル”の実情 || 門倉建造 / 門倉貿易株式会社 代表取締役

以前見た2010年の資料だと、古着のうち、リユースに回るのは全体の18%ほどで、反毛やウェスに回るのは全体の5%で残りの77%は廃棄されていたので、どうやら状況は良くなっているようです。

興味深いのがリユースのうち97%は国外へ輸出されるということです。日本人は物を丁寧に扱うため、国内向けには再販が難しい古着でも国外ではニーズがあるんだそうです。

リユース市場の縮小と行き場を失う古着

日本人は物を大切に扱うため、リユースされる服が35%あって、そのうちの97%は海外へ輸出されるというお話でした。それでは台湾はどうでしょうか?台湾は少し事情が違うようです。台湾も元々リユースされる服は国外へ輸出したり、田舎の恵まれない子どもに贈られていたようなのですが、近年古着の国外輸出に陰りが見えてきました。

関連記事:舊衣回收箱衣服哪裡去?

理由は東南アジアの国々で衣類への需要がなくなってきた事と、東南アジアの国々が衣類の製造を主要産業にし自国の経済を守るために、古着に NO を突きつけているためです。日本が国内の農家を守るために TPP に反対しているのと同じような感じです。

服の製造産地を見ると最近はベトナムやバングラデッシュが多い事に気づいた方はいますか?自分達で服を作る技術がある国がなぜ他の国から古着を輸入しないといけないのか?って話です。

また、古着を糸にまで戻した場合の反毛は自動車の内装材として使用されるフェルトという繊維素材が約半分を占めているらしいのですが、この素材の需要は年々下がっているようです。同じくウェスも需要は下がっていて、今後増える見込みはないようです。

関連記事:繊維製品のリサイクル

その一方で近年の SDGs のブームもあり、古着をリモフというプラスチックに変えて再利用する動きもあります。衣類の80%はポリエステルとか合成繊維で作られていて、これらは所謂プラスチックです。このリモフは加工しやすい割に頑丈なので、日本では道路標識やゴミ箱に使われているそうです。

ここまで話をまとめると、日本ではリユースの90%以上は国外へ輸出されるものの、それは日本人が丁寧に服を扱っているからであって、台湾の場合はよほどいい古着でない限りリユースの輸出は難しくなっています。

また、古着をリサイクルをしようにも、ウエス(所謂雑巾)の需要は年々低下しています。幸い日本では現在化学繊維から生まれるプラスチックを再利用する動きが出ていますが台湾では聞きません。

これらは何を意味するかと言うと、近年 SDGs が流行ってはいるものの、台湾の服は大半が廃棄されていて、この廃棄量は今後更に増えそうという事です。

台湾のリユース市場の変化

最後に、台湾の古着やリユース市場について話して終わりたいと思います。台湾はブランド品を買い取る質屋は結構あります。知り合いがブランド品の買取を行なっています。ブランド品は中古でも世界のどこかでは必ずニーズがあるため、買い取ったもん勝ちの世界です。

そのため質屋は「買取り」を強化します。一般の人は、「そんなに買い取ってばっかりでお金はどうしてんの?」と思うかもしれませんが、質屋って買い取ったもん勝ちの世界なので、買い取れれば売上が自動的に上がる感じです。

特にここ2年間はコロナ禍で現金が不足した人が増えた事から質屋へブランド品を売る人が増えて質屋は業績が上がったようです。

古着はどうかというと、日本の大手古着販売のチェーン 2ndStreet が台湾に進出してきました。僕の勝手な予想ですが、大半の古着は恐らく日本から輸入して販売していると思います。2ndStreet さんの HP を見ると台湾でも買取はしているようですが、僕にはどうも台湾の人が丁寧に服を扱うイメージがなく、結局買取が難しい気がしています。

これは台湾の人が雑に衣類を取り扱っているという訳ではなく、季節が関係していると僕は考えています。

四季の変化が乏しい台湾

以前僕の知り合いのアパレルブランドのデザイナーが日本の古着市場が常に活発なのは、日本人は夏場になると冬に来ていた服を売って新しい服を買い、冬場になると夏に来ていた服を売って新しい服を買う人が多いからと話していました。

これは日本人が服に興味があって、尚且つ日本には四季があるから見られる行動ではないでしょうか?

これに対して台湾は、台北が冬場少し寒くなるぐらいで、台湾全体の気温は一年を通して比較的に高いです。そのため、服を変える必要がほとんどありません。つまり大抵の人は一度服を買って着始めるとその服がボロくなるか気に入らなくなるまでずっと着ている可能性が高いということです。売るタイミングがないのです。

日本のように四季があると、流行りものが好きな人であれば最短で3-4ヶ月ほどで服を売ってしまいます。3-4ヶ月の比較的綺麗な服がリユース市場に出回ることは想像に難しくありません。

また、リユース市場にはコートやジャケットが非常に多いのですが、通常コートやジャケットとといった衣類は裏地があって、二重になっており、これにより耐久性が格段に上がります。そのためコートやジャケットといった服はぼろくなりにくいです。

一方で台湾では台北以外、冬服はほとんど要りません。日本に冬場スキーに行くような旅行者は、1着ダウンを持って旅行用にタンスに眠らせておけばそれで事足りるでしょう。

最後に、台湾に訪れたことがある人ならわかると思いますが台湾の人は全体的に服にあまり気を使わない人が多いと思っています。(苦笑)夏場なんてとにかく機能性重視で男性は短パンサンダルばかりです。

これらを考えると僕はとてもじゃないですが、台湾で古着の市場が大きくなるイメージが湧かないのです。あえて言うならば、多少の四季があってファッションに比較的敏感な台北であればまだ市場はあると思いますが、南部の古着市場は育てるのに非常に時間と労力がいると思います。

従って僕が台湾で古着の展開をするとしたら、とにかく日本の良い古着を安い費用で輸入して台湾の人に販売する事に集中します。僕の周りの台湾の人は「中古品」に対して良いイメージを持っていない人が多いです。それもそのはずで、台湾の中古品は本当にボロいです😂

しかし、日本の古着や中古品はとにかく質が高いです。僕は過去に二人の台湾人を日本の古着屋に連れて行った事があります。二人とも行く前は全然乗り気じゃなかったのですが、お店に入った瞬間あまりの質の高さと安さに「CP值好高」(コスパ最高!)と連呼してました😆

つまり台湾でも日本の古着は質が高いと教育すれば台湾で日本の古着はもっと売れると思っています。

以上 applemint 代表佐藤からでした!

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Leo Sato 佐藤峻

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