【花蓮の有機農家より】台湾の有機農家の苦悩

【花蓮の有機農家より】台湾の有機農家の苦悩

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

先日会社の社員研修で花蓮に行ってきました!研修ばかりに力を入れすぎて生き抜く時間がなくて、反省してます…(苦笑) 次回はきちんと『社員旅行』を実施したいと思っています… (行き先は北海道/知床です)

今回花蓮に行ったのはちゃんと理由があって、一つは台北から少し離れた所に行って普段と違う刺激を得ること。もう一つは僕がやろうとしている廃棄野菜に関連したビジネスの視察です。

なんで廃棄野菜かというと、僕はなぜか昔から廃棄野菜に興味があるんです。

プロフィールにある通り、僕は大学卒業後ワーホリビザで台湾に8ヶ月いたのですが、その当時有機農家に住み込みをしてました。毎日農作業をお手伝いしながら有機農家で無情に捨てられる規格外の野菜をよく見てて、それ以来廃棄野菜に興味を持ってます。

そんなことで、今回は花蓮に行ってきて、有機農家をレポートしてきたので、このブログではみなさんが知らないであろう台湾の有機農家の苦悩や、有機農家が頭を抱える問題とかについてお話ししたいと思います。フードロスや廃棄野菜等に興味がある方はぜひご覧ください!

ちなみにこのブログで話していることや花蓮の有機農家がどんな環境なのか動画で知りたい方は以下をご覧ください!

有機農家が抱える3つの問題

問題その1. 収入源の分散

有機農家が抱える問題は主に2つに分類できると思います。1つは自分たちでマネタイズする仕方がわからない、そして2つ目は規格外野菜の対応です。

僕が訪れた有機農家は売上の大半を小売業者に依存しています。恐らく多くの農家は消費者に直接売る方法を知りません。

つまり農家は野菜を消費者に直接売る方法を知らず、スーパーやスーパーと農家の間にいる中間業者ばかりに野菜を売っているということです。

消費者に野菜を直接売れたらどんなに素晴らしいかみんな理解しているものの(消費者に直接売れたら中間マージンが全て農家の売上になるから)、皆やり方がわかりません。

唯一彼らが行なっている消費者に直接売る方法は、週末にたまに開催されるファーマーズマーケットで売る事と、農場に直接足を運んでもらった消費者に売ることぐらいです。

ネットで消費者に直接野菜を売る方法なんてもちろん知りません….

問題その2. 規格外野菜への対応

近年廃棄野菜やフードロスの問題が取り上げられる一方で、小売業者やスーパーの農家に対する要求はエスカレートしていると農家の方が言ってました。消費者は常に良い品質のものを欲しているわけです。

しかし有機野菜はできる限り自然な栽培方法で野菜の安全を確保しようとします。するとどうしても規格外の野菜が生まれやすくなります。

野菜は本来色んな形状があることが自然なのですが、スーパーが求めるのは形状にばらつきがなく、重量も一定のキレイな野菜です。スーパーは一切妥協してくれません。

では農家はなぜそんな無茶な要求に従わないといけないのか?売上の大半を小売業者に依存しているからです。形状が悪い野菜を直接消費者に売ることが出来れば問題は解決するのですが、この問題はみなさんが思っているよりシンプルではありません。

次に形状が悪い野菜を消費者に売った時の懸念や問題点を挙げます:

問題点

1. 形状が悪い野菜を安く売ると、形状がいい野菜が売れなくなる可能性がある
2. 他社がクレームをつける (いい形の野菜が売れなくなるじゃねーか!)
3. 需要と供給のバランスが崩れ、野菜全体の価格が下がって農家が儲からない

形状が悪い野菜を直接消費者に売れたとしても、色んな問題が出てくるんです。農家の方々がどんなに革新的な人たちでも、農家やサプライチェーンを全て敵に回すなんて到底できません。

また、普段の業務の他に他社のクレームへの対応や、自社の野菜を売るマーケティングをしてたら超激務になります。人間は基本的に変化を嫌うので、今一応売上が出ているのに、他社の反発を買ってまで変化の波を起こす必要はないと思う訳です。

問題その3. サプライチェーン (小売店の存在)

台湾は一般的に小売店が強いと言われています。デパートやスーパーのことです。例えば日系の会社がデパートに対してデパート出店時に家賃交渉や歩合を交渉しても、最終的には出店側に不利な条件に落ち着きます。

デパート内で違うフロアへの突然の移転命令なんてしょっちゅうあるようです。ちなみに、デパート内で移転命令された時、場合によっては新店舗の内装費用は全部お店持ちです(苦笑)

デパートがこんなに強気な理由は、それでも台湾人がよくデパートに行くからです。そしてデパート同様スーパーやドラッグストア、大手チェーンの小売店もかなり強気と聞きました。もちろん、理由は、みなそこに行くためです。

何でみんなそんなに決まった場所に行くのか?人は基本的に変化を嫌うからではないでしょうか?これは台湾人に限らず日本人もそうです。

ではスーパー側の立場が農家より上の時、農家にどんなしわ寄せが来るか?

  • 極端な品質の要求
  • 安定した出荷/納品 (毎月何kgを安定的に納品してという要求)
  • ディスカウントの要求

この中で有機農家にとって厄介なのは上二つです。質に関しては規格外の章で話しましたが、安全な野菜を栽培しようとすると規格外の野菜はどうしても生まれやすくなります。そこへ、更に形状や重量に対する極端な要求が来ると、有機農家は参ってしまいます。

また、Youtubeの動画で少しふれましたが、現在台湾は東側と西側で極端に異なる天気が続いています。東側の太平洋側は雨が続き、西側は晴天が続いています。

雨が続くと質にばらつきが生まれ、安定した供給が難しくなります。逆に晴天が続く西側は安定した供給が可能です。スーパーは決まった量を決まった時間に納品できる農家を好みます。(スーパーに限らず一般的に)

花蓮の有機農家は悪天候の中晴天の台湾中部や他の有機農家と争うので、かなり大変な訳です。

そこへトドメと言わんばかりに卸値を下げろという要求も来ます。スーパーや大手小売店の卸値はかなりやばいという話を聞いたことがあります。ただスーパーと取引をすると薄利かもしれませんが、安定した売上が期待できます。多くの農家が小売店への依存から脱却できない理由は安定した売上です。

解決策

ここまでの話をまとめます。僕が聞いた限り台湾花蓮の有機農家は主に3つの問題に直面しています。

  1. 収入を小売店に依存している
  2. 規格外野菜への対応
  3. 小売店からの圧力

それではこういった問題を解決するにはどうしたらいいか?僕が何か言えた立場ではありませんが、いくつか僕なりの解決策をまとめたいと思います。

自分たちで売る (ブランド化)

農家はそろそろ自分達で消費者に直接売る方法を考えないといけない時代が来たと思います。ECサイトなんて簡単に作れます。ECサイトを作ったら Youtube でもいいので、自分達の農家のストーリーや有機農家の問題等共有するべきだと思います。

例えば有機農家の場合、他の農家が有機栽培ではなく普通の栽培をしている中、なぜ自分達は有機野菜の栽培にこだわっているか、ちゃんとストーリーがあるはずです。それに共感する消費者は必ずいます。

必要なのは覚悟です。

例えば僕は applemint のストーリーや applemint の存在意義を伝えるため&認知度を上げるために Youtube をはじめました。好きで顔を出し始めた訳ではありません(笑)

おかげで Youtube を視聴してからのお問い合わせは増えていますし、『顔が見えるサービス』に繋がっています。

今後は自分達がどういうブランドであるかというコミュニケーションと消費者との交流が必要になってくるでしょう。

廃棄野菜の加工

これはよくみなさんが思いつく解決策ですね。廃棄野菜は加工してしまえば形が見えないからいいじゃんってやつです。

でも、周りを見渡して廃棄野菜の加工品って多いですか?あえて廃棄野菜で加工したと謳ってない商品が多いからかもしれませんが、あまり見ないと思います。

もし流行っていないとすると理由は質と加工の手間だと思っています。そこでご紹介したいのがポートランドの Salt & Straw という会社です。

廃棄野菜や廃棄されるフルーツをアイスクリームに加工しているそうです (全部ではなく恐らく一部)

中には聞いたこともないアイスクリームの味もあるようです。廃棄野菜やフルーツを使って、今まで誰も試したことがないフレーバーにするのは面白いと思います。

ただし、味がまずかったらリピートされないので、味は確実に美味しくしたいです。また、 Salt & Straw のサイトを見るとわかりますが、ウェブサイトのデザインがポップで誰でも気軽に試せる雰囲気です。

台湾の農家のデザインやコミュニケーション力は絶望的に低いので、工夫を加工品もチャンスはあると思います。

小売店からの圧力は収入が分散され、自分達が消費者からダイレクトに課金できるようになれば解決するでしょう。そのためには自社ブランド化やコミュニティ形成が必要になるでしょう。

以上、超偉そうに有機農家の現状と僕なりの解決策を書いてみました。ただ、解決策だけを書いたところで何も変わらないので、今後は実際に廃棄野菜を使っていくつか実験をしたいと考えています。

その実験内容は今後 applemint lab で共有したいと思っています。

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Leo Sato 佐藤峻

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