Salveggieに見る地域創生のコンテンツ戦略:ブランドはどう理解され、どう共感されるのか?

Salveggieに見る地域創生のコンテンツ戦略:ブランドはどう理解され、どう共感されるのか?

みなさんこんにちは!applemint のマチルダです。

私たちはよく「あるものが買うに値するかどうかは“品質”で決まる」と言います。

しかし私はますます、「その価値を決めるのは、何であるかではなく、“どう語られるか”である」と感じるようになりました。

この実感は、日本・静岡のSalveggieチームを訪問して、より明確になりました。
「写真撮影と引き換えに野菜をもらう」ことから始まったこの地域実践チームは、写真、マルシェ、イベントを通じて、廃棄予定の野菜に温度と物語を与え、価値ある商品として届けています。

この記事では、今回の視察が私たちに与えたブランドコンテンツに対する気づきを整理し、コンテンツ戦略・地域とのつながり・文化の翻訳において、どう深く、遠くまで到達できるかを考察します。

Salveggieの語りのスタイル:パッケージではなく共感設計

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Salveggieの出発点はとても小さく、「写真撮影で規格外野菜と交換しよう」という提案から始まりました。
しかしこのシンプルな提案は、以下のような再現可能な地域参加モデルへと発展しました:

  • 写真・マルシェ・料理・イベントを通じて、「はじかれた野菜」を理解可能で共感されるストーリーへと変える
  • クリエイター、主婦、地元農家、コミュニティと連携し、自発的な文化の場を形成する
  • デザインと日常感あるコンテンツを使って、フードロスの課題を「参加できる体験」に変換する

Salveggieの活動は、「課題を好きになってもらう」ために、説得ではなく“招き入れる”ことが有効だと教えてくれます。
この戦略は「消費者に語りかける」ものではなく、「ユーザーと一緒に物語を紡ぐ」ものであり、理念を伝えたいブランドや地域チームにとって重要な気づきです。

彼らの例は、「コンテンツの質が低い」のではなく、「語り方が届いていない」だけであり、「価値がない」のではなく、「理解されていない」だけだと気づかせてくれます。

なぜこのストーリーに注目するのか?

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2.1 ブランド代理から文化翻訳者へ

私たちは単なる「プロモーション業者」ではなく、ブランドが“理解され、受け入れられる語り口”を一緒に模索する存在でありたいと思っています。特に文化の違う市場間においては、それが不可欠です。
ESG・地域創生・農業といったテーマが重要視される今、Salveggieの手法は「コンテンツ設計=文化翻訳・再創造」だと気づかせてくれました。

2.2 コンテンツ市場における語りのギャップ

私たちは日本と台湾の市場で、「良い理念でも語り方が間違っていると広がらない」現象を日々観察しています。
Salveggieのストーリーは、以下のことを教えてくれました:

  • 持続可能な農業というニッチなテーマを、どう“やさしく日常”へと翻訳するか?
  • マルシェ/体験/デザイン言語を使って、“廃棄野菜”をどう美意識ある選択肢に変えるか?

これらの翻訳力こそが、今後私たちが磨いていきたいコンテンツ設計力です。

観察から行動へ:私たちができること

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Salveggieを視察して感じたのは、「再現」ではなく、「示唆」です。
彼らのように地域価値を“見える化”するプロセスを観察したことは、私たちのコンテンツ戦略に新たな方向性を与えてくれました。
私たちは「ローカルな文脈」と「異文化間の接続」を実践するチームとして、以下のような活動を進めていきます:

3.1 日本地方ブランド × 台湾向けコンテンツ翻訳

台湾市場の文脈でブランドを「理解される」表現へ再設計

シェアしたくなる生活感ある語り口を設計

文化的共鳴を呼び起こすブランドイメージを構築

3.2 台湾農業/地域チーム × 日本での内容構築支援

ブランドの背後にある価値を再表現

日本市場に合ったコンテンツや表現形式を特定

戦略的かつ創造的な「伝え方」の支援を提供

3.3 参加型ストーリーデザイン提案

Salveggieを見て気づいた2つの重要な方向性:

① 「問題提起」より「招待」の語り口
 → フードロスを説教でなく、写真・交換・イベントという軽やかな形式で届ける姿勢は、ESGや地方創生においても応用可能です。

② 小さな活動でも文化を動かせる
 → 主婦・農家・フォトグラファー・コミュニティが共創する形は、限られた予算でも効果的な文化発信の可能性を示しています。

結びに|静岡の現場から、コンテンツの“責任”を再考する

Salveggieの事例は、「地域の価値とは、マーケティングではなく、“理解される語り方”と“参加可能な角度”で生まれる」ことを示してくれました。
applemint日本法人にとって、今回の視察は単なるインスピレーションではなく、“戦略的な探索”でした。

私たちが考えたいのは「どう売るか」ではなく「どう伝えるか」。
地域の価値が“聴かれ”、ブランドが“共感され”、文化が“翻訳される”ために、以下の3軸を深めていきます:

  • 日本地方ブランド向けの台湾市場対応コンテンツ戦略設計
  • 台湾ブランドのための日本市場向けローカライズと文化翻訳支援
  • ESG・地域創生案件へのストーリー性ある提案設計

理念をもっと遠くまで届けたい、ストーリーをもっと魅力的に語りたい──そんな思いをお持ちの方は、ぜひ一緒に語り合いましょう。

📍 applemintの「ブランドのローカライズ × コンテンツ翻訳 × 異文化コミュニケーション」について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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葉 明姍

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