【アニメファン必見】台湾声優業界は一人10役!?実はあんなキャラも同一人物

【アニメファン必見】台湾声優業界は一人10役!?実はあんなキャラも同一人物

アニメファンの皆様、こんにちは!applemintの津山です。

台湾は日本アニメの超重要マーケットだということをご存知ですか?台湾には数百の日本アニメが輸出されており、台湾人は小さい頃から日本アニメを見て育っています。

そんな台湾アニメ業界で、長年問題になっているのが「吹替版の声優不足」の問題です!

私も先日「ONE PIECE」の中国語吹替版を見たのですが、ちょっと日本語版とは雰囲気が違うな…と感じました。この理由は後ほど説明します!

今回のブログでは、台湾の声優業界が抱える課題と、知られざる台湾声優の秘密を、詳しくご紹介します!

実はあんなキャラとこんなキャラを同じ声優が演じている?!? 日本では考えられない組み合わせも続々登場。台湾アニメカルチャーに興味がある皆様は必見です!

驚きの台湾アニメ市場はなんと〇〇億円!

台湾アニメ市場

台湾政府の文化部が発表している統計によると、2018年の台湾ACG(アニメ、コミック、ゲーム)関連の国内マーケットの市場規模は、日本円で約3,500億円に達しています(23年6月レートで換算)。

日本アニメの海外市場は2021年に1兆4,000億円に達し、その中でも台湾は、アニメ輸出本数ではアメリカ、韓国、中国に続き世界4位です(年間188本)。台湾のケーブルテレビでは一日中、日本のアニメを流しているチャンネルもあります!

鬼滅の刃、進撃の巨人、名探偵コナンなども大人気です?

人気アニメの場合、台湾国内用に吹替版が必要となります。しかし台湾は日本のようにそこまで声優の数が揃っているわけではないのです!

台湾声優業界の現状

結論から言うと、今、台湾のアニメ声優さんは非常に不足しています。

声優さん

日本では声優名鑑に1,000名以上が名を連ね、その中にトップ声優がだいたい300名くらいます。

一方台湾の声優はたった100名程度、活躍してるのはさらに少ない20名ほどとされています。

台湾声優をまとめて紹介してるサイトを見ると個人Webサイトを持つ声優さんは70名ほどしかいませんでした…。

台湾で声優が少ない理由

台湾の声優が少ない理由は2つあります。

台湾声優業界の問題

1. 地位や収入が安定しないので成り手が少ない
2. 声優学校が少ないので新人が育たない

まず待遇面の問題です。台湾の声優の単価は日本の声優に比べて非常に低く、収入が安定しないのです。

1本のアニメを撮るとき、日本の声優は日本俳優連合の基準で最低金額が15,000円〜と決まっています。しかし台湾には最低基準がなく、募集から推測するに大体2000〜4000円が相場です。

台湾全体の給与相場は、確かに日本と比べ2倍の差があると言われますが、声優の場合はそれが5倍近くまで広がっています。

また育成も問題です。台湾には2年間の声優専門学校がほとんどありません。ナレーター専用クラスなので演技指導が無く、90〜120時間で終わる短いプログラムになっています。

つまり台湾の声優は、台湾では基礎を学んだのちは自主学習となり、一人でコツコツと技術を磨かなくてはならないのです。

台湾声優業界の特徴

声優さんの複数キャラ使い

では台湾ではどうやって各キャラの声優を確保するのか、不思議じゃないですか?

実は台湾の吹き替えアニメには秘密があります。それが「一人が同じアニメの中で2役以上を演じる」と言う裏技です!

台湾の吹き替えアニメの声優クレジットを見ると、一人2役、3役は当たり前!そのため現場で台本をもらい、すぐに演技に入ることも珍しくないそうです。

台湾の吹替版 ONE PIECEがいい例です。なんと、たった5人の声優さんで主役のほとんどのキャラクターを演じています?

ルフィーとチョッパー、ナミとロビン、ゾロとブルック、ウソップとフランキーはそれぞれ同じ声優さんが演じています。

https://youtu.be/HPj1L8lc9N4

台湾実力派声優のキャラクター100変化

台湾の声優が不足しているのは事実ですが、決して日本の声優よりも実力が劣っているわけではありません!

厳しい台湾の声優業界でも不動の地位を勝ち取った実力派声優さんたちは、多くの有名キャラを演じ分け、台湾のアニメファンを驚かせました!以下では、その一部を紹介します。

台湾の名声優その1. 蔣篤慧

演じたキャラクター:野原しんのすけ、江戸川コナン、NARUTO、まる子など

台湾声優業界の第一人者といえば「蔣篤慧」です!台湾吹替版の評判が非常に高い「クレヨンしんちゃん」で、主役の野原しんのすけを演じた声優さんです。

彼女の吹き替えは、まさに日本で見る矢島晶子さんの「しんちゃん」そのもの!そのほかにコナンやナルトなど日本アニメ好きには欠かせないキャラクターの数々を担当しました。

また「ちびまる子ちゃん」では、まる子、花輪くん、杉山くん、藤木くん、永沢くんなど、合計13のキャラクターを演じ分けています!もはや一人芝居に近いですね…。

残念ながら、蔣篤慧さんはご病気のため2019年に49歳の若さで急逝されました。しかし彼女が、台湾で日本アニメ普及に貢献した立役者であることは、間違いありません!

台湾の名声優その2. 王瑞芹

演じたキャラクター:あたしンちのお母さん、野原みさえ、犬夜叉の日暮かごめなど

王瑞芹は、「クレヨンしんちゃん」同様に台湾吹替版の評価が非常に高いアニメ「あたしンち」の主役、お母さんを演じています。

王瑞芹の「お母さん」は、あの愛らしさと破天荒さを完全に表現した見事な吹き替えです。中国語がわからない日本人でも、声を聞けばすぐに気がつくこと間違いなしです!

また、野原みさえや、犬夜叉の9人のキャラクターを担当するなど、現在も活躍を続けています。王瑞芹も、日本アニメ普及に大きく貢献した存在といえます!

台湾の名声優その3. 林美秀

演じたキャラクター:しずかちゃん、鬼滅の刃の胡蝶カナエ、こち葛の秋元麗子など

20年以上に渡り台湾声優会で日本アニメを支えてきた林美秀は、これまで日本アニメで500近いキャラクターを演じてきました。

中でも面白いのは、こち亀の「擬宝珠檸檬」と「擬宝珠夏春都」。この二人はおばあちゃんと孫の関係で、なんと年の差100歳なんです(4歳と104歳)!

こんな無茶なオーダーにも応えられるなんて、林美秀の実力の高さが伺えます!

台湾声優業界を盛り上げる3つの方法

最後に、今後の台湾声優業界を盛り上げるための方法を3つお伝えします!

方法1. 日本からスクール進出

台湾の新たな声優を育成するために、スクールの存在は不可欠です。しかし現状では台湾には日本のような専門学校がなく、学ぶ場所が限られます。

そこで2014年、日本の角川が台湾にアニメ専門学校を設立しました。声優コースだと期間が半年〜1年と、台湾の他の教室よりやや長めで、きちんと日本の技術を学べるようです。

台湾で日本アニメの人気は衰えることを知りません。日本声優専門学校がもっと留学生を受け入れて育成し、台湾に姉妹校を作って台湾人の先生にするなどすれば、拡大のチャンスがあることは間違い無いでしょう。

方法2. 日本と台湾の声優を集めてイベント

台湾の日本アニメの人気の高さを利用して、台湾と日本の声優さんがコラボしたイベントなども面白いと思います!

実際に2018年の台北国際アニメフェアには、ウソップや工藤新一を演じる山口勝平さんが招かれ、大盛況となりました!

日本の声優人気の高さを利用して、台湾と日本で『同じキャラ』を演じる人気声優、例えばスラムダンクの桜木花道が一緒に登場するイベントを企画すれば、台湾声優の認知度もさらに上がるのではないでしょうか。

方法3. 日本の声優が台湾に進出

最後は日本の声優が台湾に進出する方法です。中国語の発音は繊細で習得するのが難しいのですが、日本でも声優業界の競争が激化している今、もし中国語をマスターできれば、活躍のチャンスが広がります!

実際にAKB48の元・メンバー「阿部マリア」さんは中国語をマスターして台湾の芸能人として大活躍中です!

声優の卵の皆さん、今からいち早く中国語を勉強して、台湾で勝負してはいかがでしょうか!?

いかがでしたか?

本日は台湾の声優業界についてお伝えしました。台湾では鬼滅の刃、進撃の巨人、ハイキュー、チェンソーマン等、次々に大ヒットアニメが出ており、今後も吹き替え声優さんのニーズが高まることが予想されます!

皆さんも台湾旅行に来た際は、ぜひTVで日本アニメの吹替版を見て、その実力を確かめてみて下さいね!

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Kaori Tsuyama

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