台湾に駐在して間もない方は、台湾人スタッフにすべてを任せない方が良い理由

台湾に駐在して間もない方は、台湾人スタッフにすべてを任せない方が良い理由

こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!

今回は台湾に駐在したばかりの方々に向けた重要なお話をしたいと思います。

結論から言うと、現地スタッフの意見を否定するわけでは決してありませんが、特にお金が関わる部分については、すべてを台湾人スタッフに任せきりにするのは避けた方が良いというのが今日のテーマです。

例えば、広告予算の使い方、広告代理店の選定、内装業者の選定などです。

なぜこんな事を話しているかというと、お金が発生する所には必ず不正の可能性が発生するためです。

このブログでは具体的にどんなことがあったのか、実際のエピソードを交えながらご紹介します👍👍

あるお問い合わせから始まった話

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2025年1月、ある日本企業の方から「台湾でプロモーションを強化したい」というご相談をいただきました。

お問い合わせを頂いた方は、駐在して半年〜8ヶ月ほどの比較的新しい駐在員の方で、ヒアリングを終えた後、僕たちは提案書とお見積りを提出しました。

しかし、提案書を提出した時期が旧正月直前だったこともあり、返事は旧正月明けに持ち越されることになりました。

少し余談ですが、台湾では旧正月前後の時期は、みんな目の前の仕事をこなす事に精一杯で、こうした提案書や優先事項の低いものは後回しになります。
日本の年末年始前後と同じですね。

話を戻すと、この方から旧正月が明けてからも特に反応はなく、さらに2週間ほどして再度連絡を取ると、「検討中」との返答が来ました。

この時僕は心の中で、「あ、もうダメだな」とは思っていました。経験上、OK が出る場合は提案書を出してすぐになんとなくわかります。

案の定その後1ヶ月が経過し、最終的に他の代理店に依頼することになったという連絡を受けました。

他社に決めた理由に感じた違和感

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この時、少し気になったのは、お断りのメールの中に「マーケティング部の台湾人スタッフの知り合いの代理店に依頼することにした」と書かれていた点です。

現地の事情がわからないのは仕方ありませんが、お金が関わる案件について、自分で業者選定に関与せず確認もしないのは非常にリスクが高いと言えます。

特にお金が絡む場面では、嫌われ役を買ってでもきちんと口を出し、チェックすることが重要です。すべてを現地スタッフに任せてしまうと、多くの場合、うまくいかなくなります。そこには緊張感がなくなってしまうからです。

実際にあった事例を一つご紹介します。

ある日系企業は、台湾人スタッフにインフルエンサーの手配を任せていました。しかし、スタッフへの事後報告も求めず、効果検証も行わなかった結果、ただ多額の費用を使い続け、無駄にしてしまいました。

正直なところ、台湾ではこのようなケースは決して珍しくありません。

キックバックや紹介料の可能性も

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最悪なのは、担当者同士の間でキックバックが発生しているケースです。

台湾では、特に内装業界などでこうした「キックバック」がよく見られます。
広告業界ではそこまで一般的ではありませんが、紹介料という形で利害関係が生まれるケースは十分に考えられます。

例えば今回の事例では、マーケティング部の社員の紹介で広告代理店の起用が決まった場合、その担当者が後に紹介料を受け取っている可能性は十分にあるのです。

「いやいや、そこまで大げさな話では…」と思われるかもしれません。
しかし、実際には新規店舗のオープン時に担当者と内装業者の間でキックバックが行われるのは、台湾では珍しい話ではありません。

日本人の感覚だと「うちのスタッフが勧めるなら大丈夫だろう」という程度の意識かもしれませんが、台湾ではこうした利害関係が背景にあるケースも少なくありません。

このように、知り合いやコネを通じた紹介が、必ずしも純粋な善意や適切な選定によるものとは限らない点には注意が必要です。

したがって、現地社員が手配した広告代理店を採用する場合でも、自分自身で必ずその代理店の担当者と会い、直接話を聞くことが大切です。

一部の駐在員の方は、言語の壁や手間を理由にこうした確認を避けがちですが、これを怠ると本当にトラブルに発展するケースもあります。

台湾駐在経験が浅いと見落としがち

逆に台湾で長くビジネスをしている方は、こうした事情をよく理解しています。

例えば、僕は先日台湾で8年以上不動産事業をしている不動産会社の社長と話した際、この方も、内装業者のキックバックは理解していました。

日本でも不正がよく起きるのは経理です。

台湾で長くビジネスをしている方は、台湾人の方は一般に非常に勤勉で、優秀であることを理解しつつ、お金が絡んだ時には日本の経理同様に気をつけることを理解しています。

では、どう選ぶべきか?

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「でも、台湾に来たばかりの頃は業者のこともよくわからない中、どうやって選べばいいの?」
と思う方もいるでしょう。

僕のおすすめは、リファラル(紹介)です。

台湾に来たばかりの人も数ヶ月経てば、知り合いは出来ます。

その中で信頼できる日本人や、既に取引のある企業からの紹介を活用することで、リスクを最小限に抑えることができます。

また、コワーキングスペースや会計士、銀行などに聞けばそこそこ間違いのない紹介を得られると思います。

実は今回僕らがお問い合わせをいただいた企業も、applemintをリファラルで知っていただいたとのことでした…😅

それにも関わらず、最終的に現地スタッフの判断に負けてしまったので、僕らとしては不甲斐ない限りなのですが、今後も頑張ってご紹介いただけるように結果を出し続けます!

まとめ

まとめると、台湾に来たばかりの頃は、現地の事情がわからないこともあり、つい何でも台湾人スタッフに任せたくなるものです。

しかし、お金が絡む部分まで丸投げし、さらにその後の効果検証を怠ってしまうと、ビジネスの成果はなかなか得られません。

もちろん、台湾ビジネスにおいて現地スタッフとの信頼関係は非常に重要です。ただし、金銭が関わる重要な決定については、安易に任せるのではなく、自分自身の目でしっかりと判断する姿勢が欠かせません。

そのためにも、慎重に進めること、そして必要に応じて信頼できる第三者(リファラルなど)の力を借りることが大切です。

これから台湾でビジネスを始める方や、駐在をスタートしたばかりの方にとって、今回の話が少しでも参考になれば幸いです。

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Leo Sato 佐藤峻

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