こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!
今回は、台湾に赴任して間もない日本人駐在員が直面する現実について話をしたいと思います!
僕が実際に台湾で仕事をしてきた経験や、最近出会った新任駐在員とのやり取りを通じて見えてきた「日台のギャップ」について、リアルに綴ってみたいと思います。
結論から言うと、1年目「日本は〇〇だから台湾もしよう!」みたいに思いがちなんですけど、2年目にもなれば台湾の現実が見えて、台湾に良い意味でも悪い意味でも現地化して日本の真似を諦めるみたいな内容です😅
「なぜ現場でうまくいかないのか」「どうすれば現地社員と信頼関係を築けるのか」という問いへのヒントを、僕自身の経験とともに共有します!
台湾に来たばかりの駐在員が感じる違和感

台湾に来たばかりの駐在員は、台湾が日本と比べてあまりにも多くのことができていないことに結構絶望します。
「おいおい、台湾どうなってんだよ。」みたいな感じです😅
僕もその経験はあります(あ、駐在員としての経験はありませんが…)
僕が最近出会った某新任駐在員も同じようなことを現在進行形で思っていると思います。
先日某会議後、新米駐在員の方からマーケティング、とりわけCRMや潜在顧客の育成に関する質問がありました。
「日本では、潜在顧客に対してメールマガジンを送り、開封率を分析して最適化し、パイプラインを可視化する…みたいなマーケティングをしています!台湾でもぜひしたいです!」
至極真っ当なご意見です。すごく共感できます。
僕も出来るなら助けになりたいです。
しかし、その考えを台湾の現地法人で実行しようとすると、うまくいかないことは多々あります…
そもそも「リソース」が違いすぎる
今回僕に日本のマーケティング施策を共有してくれた方がお勤めの企業は、日本では上場していて、全社員を合わせると何千人、もしかしたら何万人という大きな組織です。
もちろん日本本社にはマーケティング部門もあり、担当者も多数いて、データ分析やCRM戦略の最適化に取り組める土壌があります。
では台湾はどうかと言うと、台湾の現地法人は、10人程度の小規模オフィスで、下手したら日本の一部署よりも人数が少ないみたいな感じです。
給与水準も当然、日本本社よりは低い場合がほとんどです。
そんな中で、日本と同じようなハイクオリティなマーケティング施策を実現しようとするのは、正直なところ厳しいわけです。
なぜか?
給与とモチベーションは比例する
日本で出来ることが台湾で出来ないのは、台湾人が優秀だからじゃないというわけではありません。
日本で上場している企業も台湾では中小企業の場合がほとんどで、単純に給与水準が低いし無名だからだと思っています😱😱
でも、日本人がよくやりがちな勘違いとして、「給料はそこそこでも、頑張ってくれるだろう」という期待があります。
これは日本の企業文化ではまだ一部通用しているかもしれません。でも台湾では違います。
給与に見合った仕事しかしないのが海外です。それが海外では当たり前なんです。
例えば最近日本では、大企業ともなると新卒の給与が低くても25万円、多いところで30万円なんて話を聞きます。
これを2025年5月現在の為替レートで台湾ドルに換算すると大体5万元〜6万元です。
もしもこの水準の給与を台湾現地の方にオファーできたら、かなり優秀でやる気のある社員が来て、日本でしているようなマーケティング施策もできるかもしれません。
僕自身がぶつかった壁

実は、僕がapplemint を立ち上げたのも、日本と台湾のレベルの違いに直面したのがきっかけでした。
日本で広告代理店に勤めていた頃は、めちゃくちゃ優秀な上司や先輩がいて、マーケティングに対する姿勢もスキルも相当高かったんです。
分析を深掘りするアナリストがいて、クオリティに対するこだわりもすごかった。
仕事の早さも尋常ありません。
それが台湾に来ると、どうしても「ん?」と感じることが多々ありました。
そこで僕は自分の会社を立ち上げることにしたわけですが、この日本と台湾のレベルの違いは誰しもが通る道です。
ただ、誤解してはいけないのは、日本人の方が台湾の人より優秀なのではなく、単純に待遇の差と企業規模の違いによって、レベルの差は生じています。
現に、TSMC の社員が日本の半導体現場に行けば、おそらくレベルの違いに驚くでしょ
現場の現実とどう向き合うか?
では、どうすればいいのか?
一貫性を持って愚直に続けるしかありません👊
多くの駐在員は、自分の任期ではどうすることも出来ないと悟り、諦めます(わかる人はわかる😳)
「日本ではこうやってたんです。だから台湾でも…」
そう思ってしまうのは仕方ないことです。でも、1年、2年と経つうちに、良くも悪くも「台湾の現実」が見えてきます。
そこで初めて、「ああ、日本のやり方をそのまま持ち込んでも通用しないんだ」と気づくんです。
しかも台湾は離職率が高く、中小企業の場合は、なおさら人材の流動が激しいです。
駐在員として赴任してきたばかりの方々は、それが中々わかりません。
改めて強調したいのは、これはあくまで「現地とのリソースや構造の違い」であって、「台湾の人の能力がどうこう」という話ではありません。
限られた人材、限られた給与水準、限られたリソース。その中で、現実的に何ができるのか?という視点が、台湾での駐在や経営には欠かせません。
日本の常識で物事を判断しすぎると、気づいたときにはギャップに苦しむことになります。でも、こうした現実を理解したうえで「じゃあ、何ができるか?」を考えられるようになれば、台湾でのビジネスはきっと面白くなると思います。
ちなみに、たまに「うちは離職率が低いんだよ」という台湾では中小企業の総経理の方に会いますが、よくよく聞くと改善を諦めて、従業員に楽な労働環境を作っているだけのケースがほとんどです。
そりゃー従業員は辞めません。
ということで以上、applemint代表の佐藤でした!また次回も、リアルな台湾ビジネスの現場から声を届けていきます。
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