【2022年版】台湾の政党・地域別支持基盤・選挙事情

【2022年版】台湾の政党・地域別支持基盤・選挙事情

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

applemint は台湾にあるデジタルマーケティング会社なので、当然ながら台湾の政治の影響を受けます。与党が移民政策をタイトにし、外資企業に不利な制度にすればその余波は applemint まで及びます。

2020年には台湾の総統選挙が実施され、蔡英文という台湾の割と独立派の与党のリーダーが再選を果たしました。

厳密には独立というより「中立」or 「現状維持」という姿勢の党

そこでこのブログでは、改めて台湾の政党を簡単に紹介をした上で、過去の統計からざっくりした地域別の政党支持基盤をご紹介し、過去の台湾の選挙結果や投票率をご紹介したいと思います。

政治関連のブログは結構センシティブなので、先に断っておくと僕はこのブログを通して特定の政党の支持を表明するわけではありません(苦笑)

台湾の政党

まずは台湾の政党をご紹介しようと思うのですが、とにかく政党の数が多いので今回は 5つに絞ってご紹介をしたいと思います。
ちなみに、台湾の全政党を知りたいという方は以下の wikipedia から確認してみてください。

参考:台湾の政党一覧

中国国民党 (國民黨)

公式HPより (2022年3月28日アクセス): http://www.kmt.org.tw/

国民党 (KMT) は元々中国で孫文が始めた政党です。孫文は中華民国の礎を築いた人です。
中華民国はその後蒋介石がトップになった際、中国で内戦が起こり内戦に破れた国民党は台湾に渡りました。

中国や台湾の歴史については池上彰さんがわかりやすい解説をしているのでよかったら以下ビデオをご覧ください。

参考:池上彰の現代史講義 第04回 「中国と台湾の対立」

ビデオの中で池上さんが語っていますが、蒋介石は台湾に渡った当初は現在の中国は中華民国のものであるという主張をして中国の奪還を考えていたようです。
しかしその後奪還が難しいと判断してからは現状維持という現実路線を歩むことになりました。

2022年3月28日現在、国民党は台湾では野党で、与党は民進党です。国民党と言うと、「中国寄り」というイメージが強いのですが、中国との統一を望んでいるというよりはどちらかというと現状を維持して中国と仲良くしたいと思っている印象を受けます。

従って国民党を支持している全ての方が中国と台湾の統一を望んでいるというよりは、現実的に世界経済の主権は中国にシフトしているし、自分たちの経済のためにも仲良くしようと考えている人がいる印象を受けます。

参考:中国国民党 (wikipedia)

leo (佐藤峻)

比較的にビジネスマインドな人が国民党を支持しているイメージです。

民主進歩党 (民進黨)

公式HPより (2022年3月28日アクセス):https://www.dpp.org.tw/

台湾初の野党であり、2022年3月28日現在台湾 (中華民国) における与党です。昔の台湾は国民党一党で、言論や政党結成が厳しく管理されていましたが、1987年に政党結成が解禁になった時に民進党ができました。

現在の台湾において国民党と並ぶ2大政党の一つです。

中国国民党がどちらかというと中国と仲良くしていきたいのに対して、民進党はどちらかというと台湾独立や、中国とは距離をおきたいと考えている政党と言えます。

参考:「総統選は中国との戦い」 台湾・蔡氏、リード保つ

台湾では国民党 = 中国寄り、民進党 = 台湾独立、と二大政党の構図がすごく分かりやすいので投票率が高いのではないかなと勝手に思っています。

ちなみに民進党は「台湾独立支持」というイメージがありますが、総統の蔡英文氏が表立って「独立したい!」と言う事はありません。その辺は国際社会や中国を刺激しないよう意識しています。

民衆党 (民眾黨)

公式HPより (2022年3月28日アクセス):https://www.tpp.org.tw/

2019年に台北市の市長「柯文哲」氏が立ち上げた政党です。現在は国民党、民進党に次いで第三の勢力となっています。柯文哲氏は元お医者さんで2014年に無所属から台北市長選に出馬し、爆発的な人気を得て台北市の市長になりました。当時は民進党を支持する姿勢を示し、表裏がない発言で若者の人気を得ました。

柯文哲氏はその勢いのまま2期目も台北市長選挙に立候補し再度当選しました。その後元々中国とは一定の距離をとる民進党を支持していたものの、今度は中国との友好路線に態度を変えた事で、支持率が急落しました。

leo (佐藤峻)

僕の友人は、「裏切られた。二度と支持しない」と言ってました…

親民党 (親民黨)

公式HPより (2022年3月28日アクセス):https://www.pfp.org.tw/TW/Home/

元々国民党にいた宋楚瑜氏が結成した党です。
宋楚瑜氏が国民党に在籍していた際、当時の総統だった李登輝氏の政策に賛同できずに自身で政党を立ち上げました。

基本的には国民党と同じ考えをもち、中国寄りと言われています。

2020年の総統選で国民党から立候補するトップを決める争いに破れたフォックスコンの創業者、郭台銘 (テリー・ゴウ) 氏はその後 2020年の総統選で親民党から立候補する宋楚瑜氏を支持しています(苦笑)

参考:郭台銘傾向支持親民黨 老虎軍團:郭、宋開會訂決策 (中国語)

親民党の宋楚瑜氏は 2000年から繰り返し総統選に出馬しているものの、2020年現在に到るまで当選の実績はありません。

時代力量党 (時代力量黨)

公式HPより (2022年3月28日アクセス):https://www.newpowerparty.tw/

2014年ひまわり学生運動をきっかけに2015年に生まれた党です。
ひまわり運動は主に台湾と中国の間の市場開放を目指した貿易協定で、一部の人は台湾が中国に飲み込まれると考えこの貿易協定に反対したことから起きた運動です。

時代力量はひまわり運動で活動をしていたメンバーが中心となって始まった政党です。そのため思想や考えは民進党と近く、当初は良好な関係だったようですが、今は良好というほどではないようです。

元々ものすごく注目されていた党なのですが、その後内部でいざこざが勃発し主要メンバーの離党が相次ぎ、現在はかつてほどの求心力はないと言われています。個人的に非常に残念な党の一つです。

台湾基進党 (台灣基進黨)

公式HPより (2022年3月28日アクセス):https://statebuilding.tw/

友人から聞いた政党です。
台灣基進黨のトップ (主席) は陳奕齊という方で、この方は時代力量の党同様にひまわり運動に影響を受けた人です。

つまり台灣基進党は、どちらかというと台湾独立のような思考を持っている方と言えると思います。また、台灣基進黨の主要メンバーの一人である、陳柏惟(チェン・ボーウェイ)氏は2022年の 1/11総統選とは別に行われた立法院委員の選挙で国民党支持基盤が強い台中の地区で当選を果たし話題となりました。

山本太郎氏のようにどこか人を引き付ける演説が魅力の方だそうです。

その後2022年に2020年の選挙で敗れた国民党の立候補者が陳柏惟氏を罷免投票にかけ、なんと陳柏惟氏を罷免する事に大多数が合意したので彼は失脚しました。

その後の再選挙では罷免投票を提案した国民党の候補者が勝つと思いきや、なんと民進党の議員が勝ってしまい、はたまた話題を呼びました。

地域別支持基盤

台湾の主な政党がわかったところで次に台湾のどの地域がどの政党を支持しているか書きたいと思います。

この表は僕が <2020 臺灣選民結構追蹤與當前各縣市選民分布推估:1月> というサイトで見たものを参考に作りました。ちなみに台湾のどの地域がどの政党寄りかというのは情報ソースによってかなり変わってきますのでご注意ください。

例えば北部の台北/新北がやや民進党となってますが、この地域は歴史的には国民党の支持が強いです。従って、

また、この表の下の部分だけ見ると「あれ、国民党の方が支持する人多いのに、なんで2022年現在の台湾の総統は民進党なんだ?」と思った方もいるでしょう。

この表の基となるデータが作られたのは2020年の総統選の投票前後で、その後「中立」と答えた人の多くが民進党へ投票した結果、民進党が総統選に勝利したと思われます。

ちなみに上のグラフを見ると「高雄」は緑色で民進党の支持基盤が強いのですが、なんと2018年の高雄市長選では韓國瑜という国民党の人が初めて高雄市長に当選しました。彼はその後罷免投票にかけられ罷免させられましたが、一時的に高雄における民進党の支持基盤が揺らぎました。

2022年は再び市長選があります。台北市長を2期務めた柯文哲氏はもう立候補できません。従って、国民党か民進党か民衆党か、或いは他の誰かが次の台北市長の座を射止めるわけですが、果たしてだれになるのでしょうか。

過去の総統選、選挙結果

2020年1月11日の総統選は与党民進党代表の蔡英文氏が勝利しました。蔡英文氏の2019年の同時期の支持率が極端に低かったことを考えると大逆転の勝利と言えると思います(以下参考)

参考:自由時報:民調早露勝選端倪》蔡表態拒一國兩制 支持度就一路上揚

この4年に1度行われる台湾の総統選ですが、実は民衆が直接選挙に参加できるようになったのはつい最近の1996年です。それまでは国民党の一党政治でした。

その後1990年代初頭、李登輝氏が民主化の動きに合わせ、総統選直接選挙に向けて行動を始め、1996年ついに民衆の選挙参加によって台湾のトップが決まることになりました。

この1996年の選挙で総統に選ばれたのは最近お亡くなられた李登輝氏です。

参考資料:Presidential election maps of Taiwan

1996年以降、2000年の総統選では民進党が初めて勝利しその後 2004年も勝利しますが、スキャンダルが発生し、2008年2012年は続けて国民党が勝利しました。

2016年の総統選は 2014年にひまわり学生運動と呼ばれる、中国との貿易協定に反対するデモが起こり国民党の支持率が一気に低下し民進党が圧勝し、2020年は香港デモの影響もあり、再び民進党が勝利しました。

過去の投票率

2020年の台湾総統選は香港のデモの影響からか、かなりの盛り上がりを見せました。その結果、投票率は 74.9% と、前回2016年の66.27%から大幅なアップとなりました。以下、1996年から今回の2020年の総統選までの投票率の推移を貼り付けます。

中央通訊社:2020大選世代差異 掀民意海嘯https://www.cna.com.tw/news/firstnews/202001120154.aspx

ちなみに以下は2020年総統選の年齢別の投票数です。

中央通訊社:2020大選世代差異 掀民意海嘯https://www.cna.com.tw/news/firstnews/202001120154.aspx

2020年の投票で一番投票率が高かったのは 65歳以上でなんと80%以上あったそうです。

leo (佐藤峻)

高齢者に配慮した政策を優先しなければいけないのは日本も台湾も同じですね。

まとめ

台湾は国連からは国として認められておらず、多くの国も正常な外交を持っていませんが台湾で生まれた育った台湾の人は中華民国のパスポートを持つ非常に興味深い国です。

また、中国との関係性も非常に複雑な国です。台湾では近年若者の政治への関心低下が叫ばれていましたが、今回は多くの若い人が選挙に参加したものと思われます。

日本に住む僕の知り合いは日本から選挙のために台湾に帰りました。

僕が選挙の日に見たこちらの記事では、オランダ在住の台湾人の人がアムステルダムから選挙のために戻ろうとしたらその日に限って飛行機のトラブルが発生しパリ経由で帰ったとしても選挙に間に合わないことがわかり空港で泣いたという話がありました。

台湾の人は選挙時、法律で戸籍のある住所にわざわざ戻って投票しなければいけないため、人によっては何時間もかけて戻ります。

日本人は期日前投票の制度があって、国外からも投票しようと思えば出来るという非常に恵まれた環境にあることを改めて思い知らされました。

applemint に関する問合せはこちらから

Leo Sato 佐藤峻

関連ブログ

最新の台湾デジタルマーケ、台湾越境EC、店舗集客、BtoB、起業情報を得よう!

Languages
contact applemint にお問い合わせ