こんにちは!台湾でデジタルマーケティング会社の代表を務める、applemint の佐藤 (@slamdunk772) です。
今日は、台湾で現地採用や面接を担当している方、または台湾での給与相場を知りたいビジネスマンの方向けに、「台湾での給与水準をどうやって調べるか?」というテーマでお話ししたいと思います。
特に僕と同じように台湾で人材採用に関わっている方には、すごく実用的な話になると思います。
Contents
面接中にふと感じた「この金額、妥当?」

つい先日、うちの会社で1人の女性が面接に来てくれました。
その方は台湾大学出身で、卒業したばかりの新卒。面接中も落ち着いていて、とても感じのいい方でした。
流れとしては順調に進み、最後に「希望の待遇額はありますか?」と聞いたところ、彼女の回答は月38,000元。
正直なところ、「新卒にしてはちょっと高めだな」と感じたんですよね。
でも、台湾大学出身の新卒ならそれぐらい普通なのかも…? いや、それでも少し高い気がする…
結局オファーを出して、最終的に断られたものの、この時はいくらが妥当なのかわかりませんでした(今でこそChatGPT とかありますが…😅)
そんなふうに思ったものの、そもそも“何を基準に高いか低いかを判断していいかわからない”って、よくあることだと思います。
「104 Salary」って知ってますか?
そんなときに、うちの台湾人パートナーであるエリックがSlackで共有してくれたのが、salary.104.com.tw
というサイト。
台湾の最大手人材ポータルサイト「104人力銀行」のサブドメインで、職種別・業界別の給与水準が一覧で見られる、めちゃくちゃ便利なサイトです。
例えば広告代理店業界で検索すると、
- ジュニアレベル(おそらく経験1〜2年以内)
→ 月給:約36,000元 - 中央値(経験5年程度の20代後半〜30代前半)
→ 月給:約44,500元 - アッパーレベル(経験7年以上の30代半ば以降)
→ 月給:約51,623元
といった具合に、実際の市場の給与データがグラフや数値でまとめられていて、とても見やすいです。

数字で見る台湾の広告業界の給与水準
実際にうちが属している広告代理店業界で調べたところ、想像以上に給与水準が上がっていることに驚きました。
例えば僕の感覚だと、経験5〜6年のスタッフに48,000元くらい払えば十分かなと思っていたんですが、このサイトを見ると市場平均が47,950元になっていて、「あれ、自分の感覚ってもしかして古いかも…」と軽く衝撃を受けました。

これはおそらく、ここ数年の台湾の物価上昇や、IT・デジタル関連職種の需要拡大による影響があるんじゃないかなと思っています。
「相場感」を持っていないと採用で損をする時代
面接のときって、求職者から希望待遇を提示される場面ってよくありますよね。
そのときに「高いな」「低いな」と直感で思っても、裏付けとなるデータがないと判断に迷うと思います。
それに、もし相手から「御社の規定に合わせます」と言われたとしても、自社の給与水準が市場とズレていたら、優秀な人材の採用を逃してしまう可能性だってあるわけです。
そういった意味でも、salary.104.com.tw
のようなツールを使って市場感覚を把握しておくことは、人事に限らず、現地で働くマネージャー層にとっても必須なんじゃないかと感じました。
新卒の38,000元は高いのか?
ちなみに、冒頭でお話しした台湾大学の新卒の女性が希望していた「月38,000元」という金額についてですが、
このサイトを参考にすると、新卒としてはやや高めだけど、まったくありえない数字ではないことがわかりました。
もしかしたら求職者の方もAI を活用し、自分の妥当な給与を予習してきたのかもしれません。
つまり、「高い」と感じた僕の感覚のほうが、少し古かったのかもしれません。
感覚に頼るのではなく、こうした客観的な情報で判断できるのはすごく助かりますし、何よりフェアですよね。
今後の採用活動にどう活かすか?
なので今後、台湾で新しい人材を採用するときには、
- 事前にその職種の給与水準を104 Salaryで調べる
- 求職者の希望金額が妥当かどうかの判断材料にする
- 必要に応じて社内の給与レンジの見直しにも活用する
といった形で、採用の“裏付け”ツールとして活用するといい思います。
AI に聞いちゃうのもいいと思いますが、AI がこの有料会員向けのデータにアクセスできない可能性があるので、そうすると若干不正確なデータが返ってくる可能性があります。
「台湾の給与水準って、どれくらいが妥当なんだろう?」と少しでも迷ったことがある方は、ぜひこの salary.104.com.tw
を一度チェックしてみてください。
あ、言い忘れましたが、このサービスは基本有料会員向けのものとなると思いますので、そこはご注意を。
給与水準がわかれば現地スタッフとの信頼関係構築にもつながりますし、求職者とのやりとりにも自信を持てるようになるはずです。
以上、applemintの佐藤でした。
現場でリアルに感じたことをそのまま書きましたが、少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
それでは、また。
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