MBA では教わらなかった日本人の台湾起業 0→1

MBA では教わらなかった日本人の台湾起業 0→1

こんにちは、台湾でデジタルマーケティングの会社を起業して4年目の佐藤 (@slamdunk772) です。

今回のブログでは、「今後台湾で起業をしたい!」けれども誰からも出資してもらえない、という人向けに僕が台湾で、無出資でどうやって生き延びたかご紹介します。

僕は以前 MBA でビジネスを勉強していたのですが、残念ながら MBA にいた時、無出資からビジネスを軌道に乗せる方法を学びませんでした。僕がその当時起業のクラスで学んだのは、 VCへのピッチの仕方や、IPOを見据えた株の配分など、出資を前提にしたものばかりでした。しかし現実は僕みたいに無出資でスタートする人が大半だと思っています。

なので、このブログでは、僕が具体的にこの3年間何をしてサバイブできたかお話をしたいと思います。僕の会社は BtoB なので、BtoC に当てはまらない点もあると思いますが、このコラムが何らかの役に立てば幸いです。

ターゲティングのお陰で僕は生き残っている

target

僕は無名プレーヤー、つまり無出資の会社で最も大事なのは、ターゲティングだと思っています。このターゲットとは無名のあなたの商品やサービスを買ってくれる理由がある人/会社を指します。あなたが狙いたい人/会社ではありません。

僕の具体例を話します。

僕はまず日系企業をターゲットにしました。海外では、人は同じ人種、同じ言語を話す人とコミュニケーションを取りたいことを、僕は経験上知っています。アメリカにいた時、英語が喋れる母親が、なぜか日本人のお医者さんに通った理由がこれにあたります。

日系の会社の老闆が、台湾で日本人や、日本語が喋れる人と仕事をしたいのは自然なことです。

次に考えたのは、日系企業が僕らを必要とする理由です。僕は起業する前に1年間、台湾の現地の広告代理店に勤めていました。その時に、台湾にある日系企業が広告代理店のデジタルプローモーションに対して、以下のような不満を持っていたことを目にしました。

台湾にいる日系企業の不満

1. サービス費に対する透明性がない
2. 柔軟性がない (低予算お断り)
3. 質が低い

そこで僕らは、日系企業相手に、透明性と、柔軟性、質の高さをアピールすることにしました。こうすれば、台湾にいる日系の企業は、僕らを選ぶ必然性が出来ます。

ポイントは、あなたの商品やサービスを買ってくれそうな人は誰で、その人に何をアピールすれば買う必然性か考える事です。

ではもしもあなたが、ターゲットを明確に出来ない場合、どうすればいいか?

僕は、マイノリティをターゲットにすることをお勧めします。僕は台湾で日本人というマイノリティの立場を利用して、日本人向けにサービスを提供しました

あなたが数学好きなら、数学好きをターゲットにするといいかもしれません。ニッチなターゲティングは残念ながら儲けは期待できないかもしれませんが、僕は無出資の会社はニッチやマイノリティをターゲティングする事が生き残る術だと思っています。

無出資からの顧客獲得

顧客獲得

次に、一番難しい弱者の顧客獲得について話します。大事なのは、自分のターゲットがどこで自分に接触して、僕らが何を伝えれば顧客になるかです。

まず僕は、日系の企業に接触できる場面を以下のように考えました:

  • 飲み会
  • 会社訪問 (アポなし含む)
  • セミナー参加/展示会出展
  • SNS
  • オンライン
  • その他

アポなし訪問とセミナー以外は全て試しました。アポなし訪問は僕がされたら嫌なので、試していません。

この中で、最も力を入れたのはオンラインです。もっと具体的に言うと、SEO です。お金がなくてオンライン広告は打てなかったので、オンラインでターゲットに接触するのは SEO しかなかったというのも正直な話です。

僕は、台湾でデジタルプロモーションに困っている日系企業が、Google でどんなキーワードを検索するか考えました。次に、それらのキーワードを全て狙いました。

また、ウェブサイトのデザインは、透明性や柔軟性があり、品質が高いことをアピールできるようなデザインにしました。これはもちろん、ターゲットを意識しています。

結果的にこれが見事にはまりました。僕らのようなサービスは、Google 上でターゲットに接触すると良かったということです。次に Google で接触したターゲットに、僕らはターゲットの課題を解決できることを伝えました。

ポイントはどこでターゲットと接触して、接触した時に何を伝えれば顧客になるか考えることです。

一つ面白い事例をご紹介します。

僕の知り合いは大阪で、日本の芸人と周る、超マニアックなツアーを企画していました。彼がターゲットにしたのは大阪にいる外国人です。では、その彼はどこを接触ポイントに選んだと思いますか?

答えは「路上」です。彼は心斎橋をうろついている外国人を相手に、英語でビラ配りをしました。結果、このビラ配りは SNS やその他の方法より数倍集客効果があったそうです。接触ポイントはオンラインや SNS が全てではないということです。

まとめ

台湾ゼロ→1まとめ

まとめます。僕は無出資で、0から生存するために大事なのは、ターゲティングだと思っています。ターゲットを特定できない場合、まずは自分が好きなマイナーなグループやニッチ、マイノリティをターゲットにしてみてください。

次にそのマイノリティとどこで接触すれば顧客になるか考えます。僕らはGoogle を選びましたが、皆さんはどうでしょうか?また、接触ポイントでどんなコミュニケーションをすれば、顧客になるか考えてみてください。

無出資でお金がなくても考えれば顧客は獲得できます!むしろ、今ではあの時出資を受けなくてよかったと思っています。Owndays 社長の田中修治氏は、会社が苦しかった時どうしても資金が必要になり出資を受けたそうですが、その時に随分株を持っていかれ、会社を取られたような気がして泣いたと話していました。

起業というと、出資される事が良いような風潮がありますが、僕は出資されないで済むならそれが一番だと思っています。出資されると、投資家から経営についてうるさく言われますし(笑)

願わくば今回のブログが、出資を受けずに台湾で事業を始める人の参考になれば幸いです。

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Leo Sato 佐藤峻

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