【台湾起業番外編】台湾における商標 (トレードマーク)について

【台湾起業番外編】台湾における商標 (トレードマーク)について

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

さて、今回は台湾で起業する上で大事な商標 (トレードマーク) についてお話をしたいと思います。applemint が初めて商標の申請をしたのは起業して全然お金に余裕がなかった時です。僕の台湾人のパートナーのエリックが申請を促しました。

正直その当時はお金に全然余裕がなくてそもそも僕らみたいな無名の会社がする必要あるか?って思ってしまいましたが、今振り返るとやっておいてよかったのかなと思います。

なぜかと言うと商標って何か問題があった時、すぐには解決できないからです。
それは商標の登録までに時間がかかることが原因なのですが、今回のブログでは台湾における商標の申請時の注意点や商標登録にかかる時間や費用をお話していきたいと思います。

商標の申請の仕方

商標が必要か必要じゃないかと聞かれたら「必要」と答える人が大多数だと思います。ただし、起業したばかりの会社が必要かと聞くと別に後回しにしてもいいのではないかと言う人が結構いると思います。

僕は起業したばかりの会社でも商標の登録をするべきだと思っています。
冒頭でも書きましたが、商標って申請をしてから登録まで時間がかかるんです。仮にこれをご覧の方が飲食店を起業して、めちゃくちゃ人気が出たとします。

そしたら必ず模倣する人が出てくると思うのですが、その時に商標を申請したのでは遅いのです。参考までに以下に僕が台湾で見たパクリ店をご紹介します。

family656 in 【台湾起業番外編】台湾における商標 (トレードマーク)について
jins656 in 【台湾起業番外編】台湾における商標 (トレードマーク)について
karada656 in 【台湾起業番外編】台湾における商標 (トレードマーク)について
こちらは KARADA factory さんのお店と同じ色使いをした整体のお店です

模倣店が出たとき、ロゴの商標を登録していたらその模倣店は同じロゴを使うことができません。ただし商標を許可なしで使用していたと訴える場合、模倣店は商標登録をしているカテゴリーで商標を使っている必要があります。後ほど詳細に書きますが、商標には色んなカテゴリーがあります。

applemint は『広告』や『市場調査』等のカテゴリーで商標を申請しているのですが、これらのカテゴリーは大枠のカテゴリーです。この大枠のカテゴリーの下に更にいくつものサブカテゴリーがあります。

もしも僕らを模倣する広告代理店が出て applemint の商標を使用した場合、重要なのはこの広告代理店がどんなサービスで僕らの商標を使っているかです。例えば業種が僕らが商標登録をしたサブカテゴリーと被っているかいなかということです。

とても重要なので次の章で詳しく書きたいと思います。

※ユニクロや Nike 等大衆に知られているブランドに関しては『著名商標』と呼ばれる商標が存在します。例えば Nike が『飲食』カテゴリーで商標を申請していなかったとしても Nike という名前の飲食店を開くことはできません。

台湾では中国で起きたような『無印良品』の商標問題は起きることはほぼないと思われます。また、他人のロゴを勝手に使うことは商標の前に著作権の侵害になります。

台湾における商標の注意点 (カテゴリー)

では先ほど触れたサブカテゴリーについて話をしたいと思います。これは最近知ったことなのですが、商標はどうやらきちんとサブカテゴリー別に申請をしないといけないようなのです。

例えば、『広告』という大枠のサービスのサブカテゴリーを見てみましょう。

ad.trademark656 in 【台湾起業番外編】台湾における商標 (トレードマーク)について
参考:智慧財產局商標檢索系統

『広告企画』、『広告設計』、『広告美術設計』等かなり多くあります。例えば僕らみたいな広告代理店が商標を申請する場合、自分達が提供しうるサービスに当てはまるサブカテゴリーの商標を申請する必要があります。

サブカテゴリーで商標を登録しないと他社がサブカテゴリーで商標を申請できます。

そう聞くと、「じゃーサブカテゴリー全て申請したら楽じゃん」と思うかもしれませんが、これには落とし穴があります。もしも商標を申請したサブカテゴリーでそのサービスを提供しない場合、他社がそのサブカテゴリーの商標を無効にすることができます。

例えば僕らが『テレビ広告』というサブカテゴリーで商標を申請したとします。
でもテレビ広告なんて一切取り扱っていないとします。この場合、他社は『テレビ広告』というサブカテゴリーで『applemint』の商標を無効にすることができます。

ちなみに商標を申請できるサブカテゴリーの数には制限があって、一定数を超えるとサブカテゴリーを1つ追加する毎に200元かかる場合があります。どれを足すかは専門家のアドバイスが必要になると思います。

期間

canlendar in 【台湾起業番外編】台湾における商標 (トレードマーク)について

次に台湾における商標の申請から登録までの期間について話をします。結論を言うと経験上1年ぐらいかかります。
この理由ですが、単純に商標を扱う智慧財產局の申請書レビューに時間がかかるためです。

めちゃくちゃ早くて半年でレビューされる可能性がありますが、レビューの結果補足資料が必要な場合もあるので、再申請をしてまた半年なんてかかります。早い方で7ヶ月で商標を得たという人もいるようですが、1年ぐらいは覚悟しておいた方がいいと思います。

費用

次に費用について話します。基本的に商標の登録は思ったよりもお金はかかりません。1カテゴリー3,000元 (1万円ほど) です。ただし商標は1-45ほどのカテゴリーに分類されており、カテゴリー別に費用が変わるので注意が必要です。

例えば1-34カテゴリーはサブカテゴリー20個までは登録が 3000元ですが、20を超えると追加毎に200元かかります。また、1-34カテゴリーは1カテゴリーにつき3000元かかります。

これに対して35-45カテゴリーは5つまでは3000元ですが、5つを超えると1個追加する毎に500元かかります。また、申請費用の他に弁護士にお手伝いをお願いした場合、弁護士の費用がかかります。

経験上、大体トータルで 30,000元ほどかかると思えばいいと思います。

また、弁護士の費用はスポットでお願いをすると比較的に高くつきます。ただし弁護士と顧問弁護を年間契約するとお得になると思います。台湾では通常弁護士の年間契約は時間で区切られており、年間20時間、年間50時間、年間100時間などで費用が異なります。

顧問弁護士に商標の申請と登録をお願いすると、この年間時間が減ります。多くの弁護士は年間契約を行なった場合、1時間あたりの単価をスポットでの1時間よりお得にするので年間契約の方がお得になります。

また、商標の他に契約書のレビュー等でも弁護士は必要になるので、とりあえず一番少ない時間で年間契約をすることをお勧めします。台湾で起業後、法律関連で必ず何らかの問題が起きます。年間契約をしていると何か起きた時に気軽に LINE で相談なんかもできます。

以上が台湾の商標についてでした!最後は弁護士の話になってしまいましたが、台湾で起業を考えている方は商標のコストも頭の片隅に置いておいた方がいいです!

applemintへのご相談やご連絡はこちらから!

Leo Sato 佐藤峻

関連ブログ

にお問い合わせ