【2023年台湾広告事例】台湾アパレルブランド ONE BOY のユビキタス戦略

【2023年台湾広告事例】台湾アパレルブランド ONE BOY のユビキタス戦略

こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!

今日は台湾のアパレルブランド ONE BOY が行った広告の事例についてお話したいと思います。日本在住の方は、ONE BOY と聞いてもあまりピンとこないと思います。

ONE BOY とは台湾のアパレルブランドで2022年に一気に知名度を上げたブランドです。最近ではこのブランドが取った広告戦略が度々メディアで取り上げられ、それが更に認知度を押し上げる要因になっています。

このブログでは ONE BOY が台湾で取った広告展開をお伝えした上で、今後台湾に進出する日系企業や、台湾に進出した日系企業が、台湾でどのように広告を出せばいいかというヒントになればと思います。

ONE BOY の広告

oneboy1312 in 【2023年台湾広告事例】台湾アパレルブランド ONE BOY のユビキタス戦略

タイトルにも書きましたが、ONE BOY の広告はユビキタス(どこにでも)に出現します。地下鉄、バス、バス停、YouTube、Google、Facebook などその範囲は本当に広いです。

真意の程はわかりませんが、噂によると1ヶ月の広告費用は1億円あるとかないとかです。

そんな ONE BOY 広告の ROAS は内部の人にしかわかりません。ただ、正直広告費用を短期的に売り上げで回収できているかと言えば、僕は回収できていないと思います。

それぐらいアパレルブランドとしては異常な広告費を使っています。

もしも回収できているのであれば、原価が相当安い訳で、ユニクロのようにグローバル企業でもない ONE BOY が大量生産して原価を抑えている事は多分ないので、そう考えると品質に疑問を持ってしまいます…

とはいえ、たった1年で多くの台湾人が認知した功績は凄いと思います。

彼らの広告はあまりにも大量に出るので、結果的にメディアの注目を惹き、一部の人は妬んで、嫉妬が混ざった記事を書いています。

試しに Google で “ONE BOY” と検索をしてみてください。かなりのマーケティング分析記事が出ます。

次に彼らが具体的にやった広告プロモーションについてお話をしていきます。

有名芸能人の大量起用

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参考:https://oneboy.com.tw/Shop/ (2023年2月9日アクセス)

ONE BOY が一気に認知度を上げるきっかけになった出来事が有名人の大量起用です。台湾では有名人の起用を “代言”と言って、イメージモデルを起用する事は珍しくありません。

台湾で有名なブランドは、日本人にも馴染みのあるビビアンスーやその他有名人を度々起用しています。

このイメージモデルの起用ですが、もしも商品のパッケージからオフライン/オンラインの広告までイメージモデルの写真を使用する場合、契約料は凄まじい金額になります。

それでもどうせイメージモデルを起用するならオフラインにもオンラインにも使いたいので、企業は高額な契約料を支払います。

そうすると多くの企業はイメージモデルを起用する場合、有名人を1人しか起用する予算がないのですが、ONE BOY はなんと同時期に超がつく有名人を4-5人起用しました。

これだけで億単位円の広告費が飛んだと思います。こんな大胆な広告費の使い方をしたのは ONE BOY が初めてだったと思います。

それぐらい”超”がつく有名人の同時起用はインパクトがありました。また、超有名人の起用とは別に、そこそこ有名な芸能人やインフルエンサーも数名起用し、正直広告費の源泉はどこなのか?と気になるほどでした。

オフラインの大量露出

次にこの ONE BOY が行ったのが大量のオフライン広告でした。

バスはもちろん、主要な駅や百貨店の看板にも広告が出ました。この時に広告として掲載されたのが、前章でお話した超有名芸能人です。

これがものすごく効果がありました。もしも一人だけの起用だったら、「あーxxxさんがイメージモデルしてる」としか消費者は思わなかったでしょう。

しかし、ONE BOY は同時に4-5人の超有名人を起用して、あまりにも多くの場所で異なる芸能人の広告が出るので僕や僕の同僚は、「xxxさんと、xxxさんと、xxxさんがONE BOY のイメージモデルをしてたんだけど…」というような会話が生まれました。

また、ONE BOY はこの大量露出の時期になんと実店舗まで出しました。

僕の同僚が2022年に ONE BOY のジャケットを購入したのですが、彼女はオフラインの広告で ONE BOY を見て、ネットで価格やデザインを見て、店舗に行って買ったそうです。

ちなみに彼女が店舗で買い物をした時、お店の中は相当混雑していたようです。

また、 ONE BOY はオフラインの広告だけではなく、Google や Facebook などオンラインの広告も抜け目なくしています。

台湾で認知を上げたいなら集中投下がいいのでは?

この ONE BOY のケースから僕らは何が学べるでしょうか?大量の有名人のイメージモデル起用がいいのでしょうか?はたまた、大量のオフライン広告がいいのでしょうか?

僕は ONE BOY が行った広告の集中投下は賞賛に値すると思います。通常企業はリスクや損失を恐れ、まずは慎重に広告を行う場合がほとんどです。

しかし彼らはリスクを負って大胆に消費者がどこへ行っても彼らのブランドに触れるように複数の有名人を同時起用しました。その結果、たった1年でかなりの認知度を獲得しました。

3年後に ONE BOY の認知度がどこまでなっているかわかりませんが、僕は消費者の認知度は一度ある程度上げれば、維持するのはそこまで費用がかからないと思っています。

例えば50%の認知度を獲得し、50%をキープするのは、0→50よりも費用がかからないという意味です。

ただしこれが、認知度70→100を目指すと別問題で、これはもっと費用がかかる場合が多々あります。

日系企業の多くは台湾に進出し、広告予算を均等に12ヶ月で割って毎月広告予算を費やそうとすると思います。それよりも、場合によってはむしろ12ヶ月分を一気に3ヶ月で使う場合がいい可能性がありそうです。

また、オンラインでの販売を目指す DtoC の企業は広告の費用対効果を重視するあまり、オフラインの広告はノータッチという場合がほとんどです。

今回僕の同僚がオフラインを通じて ONE BOY を認知した事は興味深い点です。費用対効果を測れないからオフラインをしないという考えは、何も DtoCに限らず多くの企業が同じ事を考えていると思います。

しかしだからこそ力を入れた ONE BOY が近年一人勝ちしているのかもしれません。今後も ONE BOY の広告から目が離せません。

以上 applemint 代表佐藤からでした!

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Leo Sato 佐藤峻

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