【有料級】2023年台湾の人事の現状

【有料級】2023年台湾の人事の現状

こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!

今日は2023年の台湾の人事の現状と最新の人材獲得の方法などにについてお話をしたいと思います。

結論から言うと、台湾における人材獲得の鍵は如何に自分達の事をどれだけ外に向けて発信できるかにかかっていると思います。

2023年1月現在、台湾の人材獲得はどこもかなり苦戦している印象です。また、台湾人スタッフとの関係構築や離職の防止は容易ではありません。

僕もコロナウイルスが全世界を襲った2020-2021年にスタッフが全員辞める経験をしています。

かと言って人材の流動性がない会社は会社で、辞めない社員がモンスター化し、トラブルを引き起こす事例も台湾ではあります。

普段このような台湾でのリアルな体験は applemint lab で共有をしていますが、今回は特別に台湾にいる日系企業の皆様のお力になれればと思い、HP でブログを書く事にしました。

このブログでは、台湾にいる日系企業を対象に、まずは台湾の人材獲得の現状をお伝えします。次に、台湾の人材を解雇したい場合のポイントや、人材の離職を防止する方法、そして最後に人材獲得のポイントについてお話しします。

少し長文になりますが、2023年1月現在の台湾の人材のリアルな現状について書きますので、ぜひご参考ください。

2023年台湾人材獲得の現状

人材採用1312 in 【有料級】2023年台湾の人事の現状

冒頭でもお伝えした通り、2023年1月現在、台湾での人材獲得は困難を極めています。サービス業は特に人材獲得が難しい印象です。旧正月前という時期の問題もありますが、僕は旧正月が明けても人材の獲得は難しくなるのかなーと思っています。

leo (佐藤峻)

旧正月はボーナスがもらえるので、通常ボーナスをもらう前に辞めるスタッフは少ないため、旧正月前の人材獲得は難しいと言われています。

最近聞いた話では、人材の獲得が難しくてお店を閉める方がいたり、人材の獲得が難しくてお店のオープン日を延期したりする方がいます。

サービス業以外に目を向けると、やはり人材獲得は難しい状況だと思います。

例えばデジタルマーケティングだと、5-10年以上の経験があるような幹部人材の採用が難しいという話を、以前人材派遣会社の方から聞きました。

僕らの採用事情を赤裸々にお話しすると、僕らは2023年1月現在採用活動を行なっていません。理由は2023年の景気の動向が不安定なためです。

僕らのような小さな会社は人材一人が与えるインパクトが大きいので、もう少し市場の状況や財務状況を見た上で、人材獲得を考えています。

また、台湾では例え面接に来る人材を手配できたとしてもドタキャンや適当に面接を受ける人がかなりいます。

従って、台湾における予想以上に時間がかかり、予想以上にコストがかかると考えてもいいでしょう。

また、やっとの思いで獲得した人材もミスマッチが起こると試用期間中に解雇する必要性があります。なので、台湾における人材獲得のコツをお伝えする前に、解雇についても少しお話をしたいと思います。

台湾人材の解雇

解雇1312 in 【有料級】2023年台湾の人事の現状

例え人材を採用できたとしても、一緒に働いたらミスマッチだったというケースが台湾ではかなりあります。そんな時はどうすればいいか?

結論からお話をすると、台湾では人材の解雇は試用期間内での適正判断が鍵になると思っています。

僕の勝手な印象をお話しすると、台湾では解雇は日本ほど難しくはないものの、労働者の権利が強い国なので、悪い解雇をするとよくトラブルが起きます。

ここでは人材の解雇に関して僕が聞いた2つのポイントをご紹介します。

その1. 試用期間中に適性を判断すること

台湾では試用期間を超えてからの解雇は一気にハードルが上がると考えていいです。

解雇で最も揉めるのは元従業員が労働局へ訴えるケースなのですが、試用期間内での不合格に関しては、ほとんどトラブルを聞いたことがありません。

その理由は解雇されたスタッフも試用期間内であれば、割と納得するためだと思っています。また、万が一試用期間内に解雇されたスタッフが納得行かずに労働局に訴えたとしても、会社側は労働局に不合格の妥当性を明記した書類を提出すると問題ないと言われています。

ただし試用期間とはいえ、解雇金は払う必要があります。

就業規則と弁護士

台湾では早い段階で就業規則を作成し、弁護士と契約する事をお勧めします。何かあった際にとても助けになります。

その2. その解雇は妥当か?署名のお願い

例えばある方が全く仕事をせず解雇したかったとします。その場合、その方が全く仕事をしていない証拠を毎度集め、何月の何日何時何分に仕事をしなかったか記録する必要性があります。

また、スタッフが仕事をしていない場合、仕事をしていないことをそのスタッフに通達する必要があります。通達せずに勝手に解雇すると問題がおきます。

そのほかに、雇用側が作成した通知書に、不適正である事実を明記し、スタッフの了承を得るといいと言われています。

leo (佐藤峻)

スタッフの署名が取れればベストです。

この際、一部のスタッフは署名を拒むそうですが、大事なのは会社側はきちんと通達したという事実です。従って通達時に他の第三者のスタッフがいるといいでしょう。

通達をせずにいきなり解雇したりすると、往々にして雇用側に不利になるのでお気をつけください。

台湾における人材の獲得

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それではようやく台湾における人材獲得についてお話をしたいと思います。

結論をお話しすると、戦略的なコンテンツ配信と Facebook の広告がいいと思います。

よく日系企業の中には、比較的に高い給与で仕事のオファーを出せば大丈夫と思っている方がいますが、そんな事はありません。

むしろ最近僕が感じるのは、台湾人の若い人は給与面よりも労働環境や仕事内容を見ているのではないか、という事です。

例えば僕らの会社の給与水準は決してものすごい高いわけではありませんが、現在数名の台湾人スタッフがいます。その台湾人スタッフに共通しているのが、親が台北に住んでいて実家から通勤している事です。

彼らには家賃や食費のプレッシャーはありません。給与が月3万元でも、実家暮らしならそのうちの2万元ぐらいは貯金できるでしょう。

そうすると給与も大事だと思いますが、それよりも就職先の会社にはどんな人がいて、どんな仕事をしていて、どんな労働環境かという方が気になると思います。

採用側は黙っていても自分達の良さは伝わらないので、ホームページや YouTube、SNS、ブログなどの媒体を通して発信をする必要性が出てきます。

そうしなければ Facebook 広告をしても、いざ広告を見た人材の目に止まりません。これが僕が言う、戦略的なコンテンツ配信と Facebook 広告配信です。

台湾人材の離職防止と人材の流動性

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最後に台湾で人材を獲得した後の離職防止について、僕が普段から心がけている事についてお話ができればと思います。

applemint は過去に採用者が全て辞めた事から色々学び、そこから離職したスタッフは今の所いません。参考になるかわかりませんが、僕が意識している事を共有できればと思います。

公平さを視覚化する

applemint ではスタッフの給与に対して、「なぜその給与なのか?」を合理的に説明しています。給与とはスタッフが会社に提供できる価値をお金にしたもので、”価値” の一番簡単な測り方は儲けです。

従ってスタッフがどれだけ会社に儲けをもたらしているか可視化する事が大事だと思っています。

leo (佐藤峻)

人事部やデザイン、総務、会計などのスタッフは別の測り方を準備します。

そこで僕らでは、会社の数字をいつでも見れるようにし、データをクラウドで管理しスタッフの成績も随時更新されるようにしています。

僕は半年に一回、自分達がなりたい姿から逆算して今年に何をしないといけないか定義し、そのために必要な資金を算出します。その後自分達の現状と照らし合わせ年間で必要な利益をスタッフに伝えます。

その際に、各スタッフがどれだけの儲けを会社にもたらす事が出来ればいいか合理的に算出し、それを KPI としています。

スタッフが僕が定義したよりも大きい利益を稼いでいれば、僕は給与アップという要求から逃れられません。逆も然りで、スタッフが必要な儲けをもたらしていなければ、スタッフも給与アップを要求しづらいです。

僕はこのようにして公平な関係を大事にしています。

自分でまずはする

人に何かをやってもらう時、まずは僕がします。僕がスタッフのみんなにブログを書いてほしいと言って、自分が書いていなければスタッフはやる気が出ないでしょう。

こういう言い方をすると一部の方から反感を買いそうですが、台湾で色んなリーダーの方々を見ていて思うのは、やりたい事があった時にまずは自分でやる人が結構少ない事です。

例えば YouTube の動画を始めたいと言う人に僕は今までかなり会ってきましたが、iPhone で自分で撮って、YouTube で編集を学んでやってみればいいのに多くの人はやりません。

自分がやらない事ややりたくない事だけを人に押し付けても、スタッフはあまりやる気はないでしょう…

感謝の言葉を伝える

最後に当たり前かもしれませんが、何かをしてもらったら感謝の言葉を伝えています。

僕らのお客さんで離職率が低いお客さんがいるのですが、ある時なぜ離職率が低いか聞いたら、「毎度感謝の言葉を伝えているからですかねー」と総経理の方がおっしゃってました。

その言葉を聞いて、僕も感謝の言葉を伝える事を意識し始めました。当たり前かもしれませんが、意識するとちゃんと行動に出るのでいいと思っています。

以上、長文になりましたが applemint 代表佐藤より、2023年台湾の人事の現状についてでした!

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Leo Sato 佐藤峻

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