【2022年版】数字から見るリアルな台湾人の消費傾向

【2022年版】数字から見るリアルな台湾人の消費傾向

こんにちは applemint代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
マーケターの仕事は売れる仕組みを作ること、と某有名マーケターが言ってました。

売れる仕組みを作るためには、消費者の心理を理解しなければいけません。
消費者の心理を理解するためには、まずは消費者が何にお金を使っているか理解する必要があります。

これが台湾のマーケティングの第一歩だと思います。

しかしいくら「台湾」「マーケティング」と検索しても、台湾人の消費傾向を書いてくれているような記事が見つかりません。なぜでしょうか?

単純に台湾人の消費傾向を調べるのが面倒で、誰もボランティアでしたがらないからだと思います。

そのため、Google 上にある台湾のマーケティングに関する情報は、「台湾人は親日だ」、「台湾人は Facebook 使用率が高い」、「台湾のデジタル広告の市場が伸びている」、といった表面的なものばかりが並びます。

今回はそれらの情報から、一歩踏み込んで、私が台湾人の収入と支出を細かく見て気づいた、台湾人の消費傾向をお伝えしたいと思います。

かなり細かく数字を見たため、かなり有益な情報になっていると思いますので是非一読ください!

まずは支出の原資である所得を見てみた

まずは2001年 – 2015年までの過去15年の所得と可処分所得(disposable income)を調べ、ついでに両者の比率を調べました。

所得が額面の給与だとすると、可処分所得とは手取り給与を指します。例えば、額面の給与が100万円で、手取りが80万円だとすると、所得が100万円で可処分所得が80万円ということです。

所得と可処分所得の比率を15年に渡って比較すれば、自由に使えるお金の比率がどう増えたかわかります。

例えば給与が100万円から120万円に20万円アップしたのに、手取り給与は 20万円上がらなかったら嫌ですよね?

つまり所得が上がっても所得に対する可処分所得の比率が上がるか、維持されなければ自由に使えるお金は増えないのです。このことを理解した上で以下数字をご覧ください。

taiwan income


数字を見ると所得に対する可処分所得の比率は、ここ数年で0.83 から 0.79 と下がっています。これだけ見ると嫌な感じがしますが、その分所得が大幅に上がっています。

所得は2001年 8,318,144 NTに対して2015年 12,726,414NT、と48% アップしています!

つまり、所得に対する可処分所得の比率は減ったものの、台湾人が実際に手にする可処分所得は、過去に比べて上がっているということです。

(参考:https://www.dgbas.gov.tw/ct.asp?xItem=33338&ctNode=3099&mp=1 )

本題:台湾人は可処分所得 (自由に使えるお金) をどうしているのでしょうか?

可処分所得(自由に使えるお金)が増えていることがわかったら次に、台湾人は自由に使えるお金をどのように消費しているかを見てみます。

可処分所得は通常2通りの使い方があります。
貯蓄と消費です。
要するに貯めるか使うかということです。

今回は”消費” (支出) にフォーカスをあてます!
数字は政府系の統計サイトで得た、消費者の収入と支出についての統計データを基にしています。

food-beverage

まずは食品・飲料・タバコの支出を調べました。

2001年と比べると 2015年の食料品及びタバコの支出総額は15年前と比べて 36.81% 増加です。

また、食料品及びタバコの支出はここ 15年、コンスタントに全体の支出に対して 16-17% を推移しています。

所得に対して自由に使えるお金の割合は年々少し減っていますが、食料品を節約している感じではなさそうです。

これは人々がより豪華な食生活になったのではなく、単純に物価が上昇したため、と思われます。
つまり、物価上昇に伴い、食品の出費は節約したくても出来ていないと捉えることも可能です。

台湾の物価についてはコチラのサイトがわかりやすいです。
結論を言うと、物価はかなり上がっています。

次に、衣類の支出を見た所、2001年頃をピークに、衣類の全支出に占める支出の割合は年々減り、2001年に 3.9% だった衣類への支出が 2015年には 3% 程度になりました。

もちろん、総支出額は 2001年と比べると増えていますが、衣類への出費は減っている傾向にあると思われます。

住宅・水道などの支出〜台湾人の家賃から年収を逆算してみる〜

次に住宅、水道、電気代などについてお話します。
(参考: http://win.dgbas.gov.tw/fies/a11.asp?year=105)

住宅、水道、電気代の支出はコンスタントに全体の 24-25% です。

つまり、所得が上がろうが下がろうが大体給与に対して 25 % のお金を家賃やその他電気代や水道代に使っているということです。

そして、この考えを応用すれば、台湾人の給与が計算できます(笑)
まず、台湾の人に毎月の家賃がいくらか聞いてみてください。

次に、家賃関連の支出が可処分所得の25%程度であることを念頭に、逆算をすれば、所得がなんとなくわかってしまうということです。

例えば、家賃が 12,000NT の人の場合、12,000NT を25% で割った、 48,000NT ほどが給与である可能性が高いということです。

もちろん、人によっては 60,000NT の給与で12,000NT のアパートに住んでいる人や、48,000NTの給与で20,000NT のアパートに住んでいる人もいるでしょう。
あくまでご参考に!

増え続ける◯◯の支出!!

transportation

次に交通費を見ます。

交通費は過去15年を通して、コンスタントに支出の大体 13% を占めているようです。

しかし、交通費がコンスタントに支出の13%を占めるということはおかしいと思いませんか?

公共の交通はあまり値上がりしないので、通常収入が増えれば、収入に占める交通費の支出比率は下がるはずです。
ちなみに、お分かりかもしれませんが、台湾人の収入は上がっています。

参考:中華民國統計資訊網家庭收支調查


交通費が可処分所得に占める割合が下がっていないということは、交通費の支出が上がっているということです。

これはつまり、台湾の人が中心部から、郊外の家賃が比較的に安くて広い場所に引っ越していることを表しているように私は感じました。

郊外に引っ越せばその分交通費がかかります。
そのほか車の移動が増えたことも考えられますが、今回は車の販売台数は調べていないのでなんとも言えません。

この仮説が正しければ、台湾の人の通勤の時間が増えることになるので、通勤の隙間時間に何ができるかアンテナを張れば、面白いビジネスを考えつくかもしれません。

娯楽への支出

次に、娯楽や文化、教育に関する支出についてお話します。
この支出は 2001年は全支出の12% だったのが、 2015 年には 9% に減りました。

つまり、台湾人は娯楽や教育に対して使うお金が減って、節約志向になっている可能性があります。

或いはテクノロジーの発達により、youtube や netflix など、そこまでお金をかけなくても、色んな娯楽が楽しめることが提供される時代背景も、関係しているかもしれません。

最後に、レストラン及び旅館 (ホテル) の支出を見てみました。

2000年と比べると全支出のうち、2015年のレストラン及び旅館への支出は8% から 11% まで増え、支出総額も 86% アップです。

物価が上がったことが影響しているとはいえ、節約志向になればこの数字は減るはずです。

つまり台湾人は、自由に使えるお金の割合が少なくなってきたにも関わらず、レストランや旅行への出費は増えているようです。
これは非常に興味深いですね。

また、表には載っていませんが医療保険の支出も顕著に伸びており、総額だけでいうと、2015年は2001年から 96% のアップです。

高齢化社会という現実がじわじわきているようです。
この事象に対して、台湾人の医療負担は低いため、財政が心配です。
(医療費負担を上げれば、選挙に負けるため、いつまでもあげられないのでしょう)

まとめ

今回支出を調べてみてわかったことは以下です。

  1. 食料品への支出は増えている
  2. 衣類への支出は減少傾向
  3. 水道・電気・家賃への支出はコンスタントに全体の25%ほど
  4. 交通費への支出は増加中
  5. 娯楽や文化への支出は減少傾向
  6. レストラン・旅館への支出はかなり増加中

この消費傾向から見える私の洞察は、限られた生活費で贅沢をしようとするマインドです。

住居は郊外に広さを求め、衣類や娯楽への支出を節約する一方で、旅行にはお金をかけています。
なぜか?

これらの事象の本質は、もう少し考える必要があると思っています。
ただし、周りの台湾人を見ていて、どうやら台湾人はマズローの欲求でいうと、尊厳欲求のステージにいる印象を受けます。

日本人も大多数はこのステージにいると思いますが、日本人は 20年前にはすでにマジョリティーがこのステージに辿り着いていたのに対して、台湾はようやくマジョリティーがこのステージに辿り着いた印象を持ちます。

参考:http://www.motivation-up.com/motivation/maslow.html

私の友人は旅行やいいレストランに頻繁に行き、その都度インスタでその様子をアップします。

この SNS のアップ頻度が日本人に比べて、非常に多い印象を受けます。
これは大多数の台湾人が、他者から認められたいという欲求を内在しているように感じています。

もしこの仮説が正しいようであれば、私は台湾では他人に自慢できるような商品/サービスがうまくいく気がしています。
つまりその商品/サービスを受けていることが、社会的にステータスになるようなことです。

例えば台湾人がマクドナルドと超おしゃれカフェに行ったらどっちを SNS でアップするでしょうか?
もちろん後者でしょう。

これは台湾に限らず日本でも同じですが、台湾の方が後者を SNS にアップする確率が高いと思います。

なぜなら「私はここで食べた」という主張をしたいためだと思います。
日本人はおそらくどちらかと言うと、食べ物のビジュアルや店のビジュアルがいい場合に SNS にアップするのに対して、大多数の台湾人は有名店に行ったらアップする印象を受けます。

そこで私なら、レストランは少々ユニークなデコレーション、そこでしか見られない演出が効果的と思います。

価格は需要と供給のバランスを見て、少し高めの値段設定もいいかもしれません。
もしチームラボのようにユニークな空間を演出できたら、人々はそこへ行ったことを自慢するために行き、SNS にアップして拡散されそうです。

如何でしたでしょうか?
台湾人の消費データを見て私なりに結論を導いてみました。

今後も台湾のリサーチを続けたいと思います!

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Leo Sato 佐藤峻

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