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数字が物語る台湾の”現状”台湾という国の財務諸表から見る今後の台湾市場の可能性

数字が物語る台湾の”現状”台湾という国の財務諸表から見る今後の台湾市場の可能性

こんにちは、applemint 代表の佐藤です。台湾市場に関する現状ってみなさんどれくらいきちんと調査をしていますか?

「人口 2300万人!」「男女比大体半々!」「出生率が低い!」「EC 市場規模が毎年10% 拡大!」今回はもう一歩踏み込んで台湾の財務諸表を通して、 wikipedia やにニュースサイトでは見れない「台湾」をご紹介しましょう。

※2018年12月30日更新

台湾を会社として見たとき、「台湾」という会社は儲かっているか?


まずは台湾の財政収支を見ます。これは簡単に言うと儲け (歳入) に対してコスト (歳出) がどれだけあるのかという数字です。

結論から言うと毎年マイナスです….

つまり毎年台湾という会社は収入より借金が多いということです。これがリアルな株式会社であれば株主からブーイングの嵐でしょう。

ただし、2015 年度を境にマイナスの額が非常に減っていています。いいニュースです!

しかしながら毎年マイナスというのは困ります。なぜ毎年のようにマイナスなのか検証していきたいと思います。

“台湾” という会社の全体像を把握


taiwan-finance
参考:https://www.dgbas.gov.tw/public/data/dgbas01/

少し古いデータですがまずは 2016年”台湾”という会社の売り上げを見ていきましょう!

一番左上の「一、収入合計(A+B)」 =売り上げになります。
二、支出合計(C+D)」はコストです。この数字は毎度同じ金額になります。

(C+D) は払わなければいけない支出で、(A) は台湾政府の営業活動(税収入など)によって得られた売り上げと考えてください。そして B の部分は公債などの借入金、いわゆる借金です。

つまり(A)-(C+D)= 会社のリアルな業績で、通常(B)の借金を使ってマイナス分を相殺します。

結果は以下です:
18,856.72 (A) – 19,617.32 (C+D) =-760.6(B)
完全に借金です。

そしてこの借金が毎年のように繰り返されています。

では台湾がどのように借金をしているのか次に収入源を探っていきたいと思います。

“台湾”の収入源・台湾はどうやって儲けてるの??


台湾の収入源は下の「収入合計(A)+(B)」になります。この表には民国104年 (2015年)から民国106年 (2017年)の数字が明記されています。

まず2015年から2017年の全体的な儲けを見ると…微増です….

次に台湾政府はどのような収入があるか見ていきます。

収入トップ3はそれぞれ税課収入 (税収入) 、営業なんたら事業収入 (営業税) 、規費収入 の3つです。しかしこれらの3項目は3年間で収入が上がるどころか下がっています….

しかし2015年から2017年の3年間、毎年 A+B (収入)が増えています。なぜでしょうか?

(B)「公債及賒借收入」、つまり借金が増えているのです。

要するに国が国債を発行して収入を得ているということです。この国債を購入しているのが国外投資家だとギリシャみたいに国債の暴落リスクが高まりますが台湾は日本と同様に銀行が購入をしているようです。

おそらく日本同様、銀行側はリスクを恐れ、融資する先がなく国債に手を出している状況です。いぜれにせよ要約すると台湾政府の財源は税収入(所得税など)、営業税、その他の三つが主で、そのうちの所得税などの税収入が一番高い収入ということです。

“台湾”の支出・国は何にお金を使っているのか?


次に支出先を見ていきたいと思います。以下の C+D(合計)とその内訳をご覧ください。

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支出(コスト)大公開!防衛費はやっぱり大事!嫌でも中国は常に意識

支出が大きいのは順に社会福祉 (#5)、教育科学文化(#3)、防衛費(#2)、経済発展(#4)の4つです。そしてこれらのコストは毎年上がっています。

まずは防衛費から見ていきます。
防衛費は毎年常に 15% はあります。台湾の現与党は独立派であり、中国も圧力をかけているため、直近この額が下がるとは思えません。この表にはありませんが尖閣問題が起きた時の防衛費は全体支出の 18-20% ありました。

つまり中国と融和という方向性に傾かない限り、この固定費は今後も下がることはないと考えていいと思います。

安定している教育の予算と下がり気味の経済関連の予算


次に教育科学文化の支出を見ます。この支出は全体の 19 % あります。他の国を調べてないのですが教育と文化への支出が全体予算の 20% あるのは教育熱が非常に高いということでしょうか。

いずれにせよ教育と文化への予算は毎年全体予算に対してコンスタントに20%ほどありそうです。

次に経済発展支出です。詳細はわかりませんがおそらくインキュベーターの施設やハイテクパークなど経済発展につながる支出なのかと勝手に予想をしています。ここはむしろ支出が減っています。

仮にこれが本当にインキュベーターの施設やスタートアップ支援の予算であればスタートアップは以前より補助金の手配が難しいのかもしれません。でも、教育というくくりで事業を行えば政府からの支援もあり得るかと思います。

福祉の支出・高齢化社会の現実


最後に社会福祉の支出を見ます。やはり上がっています。台湾の出生率はシンガポール、香港に次いで三番目に低く、高齢化社会に突入すると言われています。(詳しくはコチラ

現在 60歳以上が人口に占める割合は 15% ちょっとぐらいあります。しかも私の勝手な意見ですが台湾の健康保険は異常なほど国民の負担が低いです。歯医者やお医者なんて一律150NT (500円ほど)で本当に不安になってしまいます。

今更国民健康保険の国民の負担額を増やすなんて言ったらあっという間に政権を交代させられるのでなんで初めからこんな低い負担にしたのか不思議でなりません。政府はパンドラの箱を開けてしまったようなものです。

台湾ってどんなところですか?結論


台湾という国の収入の見通し

特に伸びる気配はないです。しかし、歳出も下がる気配はないため、必ずどこかで消費税の導入や営業税の増加がくると私は思っています….苦笑
(2018 年予想通り営業税が上がりました 苦笑)

台湾という国の支出の見通し

増える予定です。防衛費が増加傾向。福祉の予算も増加傾向。台湾の財政収支は結局国が公債を売って得た収入で増えていて民間の銀行が購入者なため、根本的な収入の問題は解決していません。

物価は上昇中なのに大学新卒の給与は 10万程度なので消費税や所得税を増やせばその政権は即抗議にあって政権を奪われるので税収は増える見込みはありません。私は交通規制を厳しくして罰則からの収入を密かに期待しています!(特にタクシー会社 笑)

積極的に外資を呼び込んで、営業税を増やすといいかもしれませんが国として認められていない台湾と積極的にビジネスをすることで中国の怒りを買う可能性があることを考えるとなかなか外資も難しいのかもしれませんし、そもそも2300万人のマーケットなので外資も積極的に来たがりません。

はたまた、起業家を増やして営業税を徴収できる企業数を増やす策もありますが、きちんと儲けられるスタートアップがどれだけいることやら…

見つからない結論….

いかがでしたか?
台湾はいいところです。僕ももう5年ほど住んでいます。しかしながら台湾という国が豊かになる絵は現時点で想像できません….

幸い日本ほどの高齢化社会でないため、社会福祉の支出がしばらくは爆発的に増えないかと思います。悲観的な事ばかり話し、結論らしい結論がないのですが敢えてあげるとすればもっと歳入の強化が必要になってくると思います。願わくは外資の誘致と起業家の育成、交通の規制が強化されて収入が増えることを祈っています。(笑)

参考:http://ecodb.net/country/TW/

※当ブログの内容を元にした行動によりおきた損害・損失について、管理人は一切の責任を負いかねますので、自己責任のもとで行ってください。

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