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【台北でお店を出す!】第一部:台北の人の流れを見る

【台北でお店を出す!】第一部:台北の人の流れを見る

初めまして、applemint 代表の佐藤です。

飲食店やアパレル業等、リアル店舗でのビジネスを生業にする方が、台北でお店を出そうとしたら、まずぶち当たる問題が『どこにお店を出せばいいか?』ではないでしょうか?

実は applemint は 2021年にイベント空間を開こうと思っていて、台北で何処にイベント空間を開けばいいか?、という問題に直面しています。
そこで今回のブログでは、台北でリアル店舗を開こうとしているような方向けに、 applemint のリサーチ結果を3回に分けてお話をしようと思います。

第一回目は applemint が「なぜ」イベントスペースを開きたいか簡潔に述べ、MRT の人の出入りをもとに導き出した、 applemint にとっていい駅とお勧めしない駅をお伝えします。

三国志の諸葛孔明も、戦いの前に地形や天候を入念に調べ、戦略を立てました。
僕はビジネスという戦いは、リサーチで8割は決まると思っています。
このブログが台北でお店を開きたい人の参考になると幸いです。

リサーチの前に…

台北で「どこ」にお店を立てるか決める前に、「なぜ」お店を建てるのか再確認する必要があると思います。

お店を出す多くの方の目的は売上アップと思いますが、 applemint の場合は認知度アップが目的です。
そのため今からブログで話す内容は、 applemint の目的に沿った店舗の選び方になることを予めご留意ください。

ただし探し方の本質はどんな目的でも変わらないと思うので参考になるはずです!

では具体的に applemint が考えている認知度とは何か?
applemint が欲しい認知とは以下のような認知です。

Q1. applemint を知っていますか?
A. Yes

Q2. クリエイティブなことをしている/面白いことをしている会社と言えば?
A. applemint

つまり、applemint = 面白くて、クリエイティブなことをしている会社と多くの人に認知されたいということです。
この理由に関しては他のブログで書こうと思います。

次に、これらの認知度をどんな人に広げたいか説明します。
例えば三井物産という会社を日本全国の小学生に知ってもらってもあまり意味はないですよね? (もちろん目的によりますが…)

applemint が考えている広義のターゲットは『ビジネスマン/OL』です。
つまり applemint はできる限り多くの働く台湾人/日本人 applemint は面白いことをしている会社、と知ってもらえると嬉しいと思っています。

また、イベント空間を開いた後は、実際にイベント空間の運営を開始すると思います。
この時プロジェクト毎に狭義のターゲットを定義し、その狭義のターゲットに合わせたイベントを行なっていきたいと思っています。
どういうことか下の図に書いて説明します。

ビジネスマンや OL と言ってもいろんな人がいます。
一つのイベントで、全ての人に効果的にコミュニケーションをしようとするのは無理です。
そのため applemint は広義のターゲットの中から狭義のターゲットを選定し、イベントを企画するということです。
applemint ではまずは 20代の働いている人をターゲットにしようと考えています。

目的とターゲットが決まったらいよいよ本格的に調査に入ります。
applemint が考えなければいけないのは、ビジネスマンが平日/週末どこに行くのか、そしてどういう所に applemint のオフィスがあればクリエイティブなイメージが定着するかということです。

上班族 (サラリーマン) を探せ

では applemint のターゲットである台湾のサラリーマンは平日どこにいるのでしょうか?
週末はどこに行くのでしょうか?
また、どんな所に住んでいるのでしょうか?調べたのは以下です:

1. 平日/週末 の MRT の乗車率 (出入り)

2. 台北の空室率

3. 人間の行動範囲

平日/週末 の MRT 各駅のトラフィック

まず、MRT を使う大部分の人はビジネスマン/OL(働く年齢の人達)と仮定しました。
次に平日に乗車/下車が多い駅は、多くの人が働いている場所と仮定をします。
この仮説が正しければ、平日に乗車/下車が多い駅は多くの人が働いている駅と言えます。

同時にこの仮説が正しければ、平日にトラフィックが多い駅の一部は週末のトラフィックがかなり減ることが予想されます。
なぜなら週末はそれらの駅に行く用事がないためです。
反対に、平日と週末でトラフィックの落差が少ない駅は、毎日コンスタントに人の出入りがあることを指します。

台北 MRT 各駅のトラフィックは、幸いにも台北メトロが親切にも統計数字を出していたのでコチラから調べました。 (以下画面スクショ:2019年9月21日)

データが多すぎるので、 108年(2019年) 8月のデータをサンプルとして使いたいと思います。

平日人の出入りが激しい台北 MRT 駅 (200万人オーバー編)

まず平日に人の出入りが多い台北の MRT 駅を列挙します。

台北駅:6,999,615
西門:3,294,182
市政府:2,919,398
忠孝復興:2,578,406

平日人の出入りがそこそこ激しい台北 MRT 駅 (100万人~編)

次に人の出入りがそこそこ多い駅を列挙します。

南京復興:1,938,743
板橋:1,882,627
新埔:1,812,883
松江南京:1,853,171
忠孝敦化:1,681,111
など

この他『行天宮』『台北小巨蛋』『國父紀念館』が100万前後の出入りがありました。
『國父紀念館』は『市政府』と『忠孝敦化』というトラフィックが多い駅に挟まれているのに、出入りがこれら2つの駅と比べて 50万も少なく、少し驚きました
以下は平日人の出入りが多い駅のヒートマップです。

平日と週末の出入りを比べた時に落差が小さい駅は?

次に週末の人の出入りが多い駅を調べたら以下のような結果になりました。

台北駅:3,195,038
西門:1,488,196
市政府:1,072,735
忠孝復興:860,832
結果、平日人の出入りが多い駅は週末も割と多い傾向にありました。

次に週末と平日の人の出入りの差を見ていこうと思います。
平日は月20日前後あるのに対して週末は10日前後しかないため、母数を比べて意味がありません。
そこで各駅の平日と週末のトラフィック (出入り) の落差の比率を調べて、比較しました。
例えば平日100万人出入りする駅が、週末に30万人しか出入りしないと落差は70%減です。

この落差が大きいほど、その駅は『ビジネス街』として利用されていて、落差が小さいほど、ビジネス街及び週末のレジャーでも利用される駅と言えると思います。

まずは、平日と週末の人の出入りの落差が比較的に少ない駅をご紹介します。
これらの駅は平日と週末で安定して人のトラフィックがある可能性があり、リアル店舗のビジネスをする上で有利になると思われます。

平日と週末の出入りを比べた時に落差が小さい駅は?

淡水 (53%)
台北駅 (54%)
西門 (55%)
公館 (55%)
台北101/世貿 (56%)

『淡水』駅の人の落差が低いってものすごく意外じゃないでしょうか?
僕もびっくりしました。
台北駅や西門は妥当な結果です。
以前台北で 4店舗飲食店を経営している方が、出店に『西門』をお勧めしていましたが、平日と週末の人のトラフィックの落差が少ないので納得ですね。

次に平日と週末の人のトラフィックの落差が大きい駅をいくつか挙げたいと思います。

西湖 (87%)
台大醫院 (82%)
松江南京 (80%)
南京復興 (78%)
などなど

やはりいわゆるオフィスしかないような駅が、平日と週末の人のトラフィックの落差が大きいです。
例えばこれらの駅で飲食店を開くようなら、一定数地元民に支持されていないと難しいかもしれません。
西湖や台大醫院駅で飲食店とか開こうものなら、週末の売上はかなり下がることを覚悟する必要があります。
南京復興にある有名な海南チキンライス店『慶城海南鶏飯』は、週末お店閉めてます(笑)

落差から見る店舗立ち上げをあまりお勧めしない駅

ずばり『西湖』『南京復興』『松江南京』は平日と週末の MRT の出入り落差が大きいことから、個人的にあまりお勧めしません
ただし松江南京駅のくら寿司は週末も多くの人が並んでいることから、お店が何処にあっても、そのお店に行くだけの価値を提供できれば、うまくいくかもしれません。

そのほか、僕だったら『信義安和』『國父紀念館』はあまりお勧めしません。
まず信義安和は平日と週末の人のトラフィックの落差が 72% あります。
その上、平日の月間トラフィックも80万前後とメジャーな駅に比べて少ないです。
さらに信義安和は高級住宅街という位置づけから家賃が高いです。

同じような理由で『國父紀念館』もあまりお勧めしません。
『忠孝敦化』『市政府』という月間トラフィック平均100-200万のメジャーな駅の間に挟まれているにも関わらず、平日のトラフィックはこれら2駅に比べて50万低いためです。
そして週末は平日と比べて、トラフィックが 66%ダウンします。
それでいて好立地な影響から家賃がものすごく高いです。

最近だと Ice Monster 國父紀念館店が売上不振から閉店を決めたようです。
関連記事:ICE MONSTER熄燈 台北東區真的沒落了

國父紀念館駅の2番出口をちょっと進んでみてください。
空き部屋がかなりあります。
例えば國父紀念館駅でお店をやっていくのなら、くら寿司同様、週末でもわざわざ足を運びたくなるような特別な価値を提供しつつ、それなりの単価を取れないと難しそうです。

MRT のデータから見た良さそうな駅

避けるべき駅がわかったところで、次に出店に良さそうな駅をご紹介したいと思います。
僕が思う良さそうな駅とは『平日と週末のトラフィックの差が少ない』『家賃がそこまで高くなさそう』『平日も週末も割とトラフィックがある』『アクセスがいい』の4点です。
この条件に当てはまりそうなのは以下の駅です:

・中山
・東門
・忠孝新生
・西門

淡水はアクセスが悪いので省きました。

中山は日本人観光客が多いため、日本人に向けて発信したいお店を企画すると面白そうです。
また、中山駅付近は最近新しい商業施設がどんどん建っています。
家賃は現在既に割と高く、今後は更に高騰することが考えられるので、もしかしたら割りに合わないかもしれません….

僕は近くに住んでいることもあり週末によく行きますが、年々人が増えている印象を受けます。

そのほか、『東門』や『西門』、『忠孝新生』の駅も常に人がいる印象を受けます。
忠孝新生は近年『華山』というオシャレスポットや、電気街の近くに新しい商業施設が建ったことで、人のトラフィックが増えている印象を受けます。

過去の MRT の出入りから人の流れを追う

最後に過去の MRT 各駅の出入りを調べて終わりたいと思います。
過去の出入りが分かれば、台北の人の流れがわかるかもしれません。
データは5年前の8月のものを使用しています。

まず、5年前に平日に出入りが大きかった駅をご紹介します。
今も過去も人の出入りが多い駅は、基本的に変わりませんが若干数字が違います。

台北車站:6,727,920 (現在:6,999,615)
西門:3,083,671 (現在:3,294,182)
市政府:2,473,319 (現在:2,919,398)
忠孝復興:2,176,579 (現在:2,578,406)

南京復興:1,544,431 (現在:1,938,743)
板橋:1,639,636 (現在:1,882,627)
新埔:1,658,352 (現在:1,812,883)
松江南京:1,592,903 (現在:1,853,171)
忠孝敦化:1,769,895 (現在:1,681,111)

國父紀念館:1,009,794 (現在:1,071,515)
台北小巨蛋:854,914 (現在:1,035,849)
松山:828,056 (現在:1,150,890)
行天宮:1,140,329 (現在:1,319,651)
東門:1,002,700 (現在:1,190,314)

どこの駅も、5年前に比べると、人の出入りが増えていることがわかりました。
東区 (『忠孝敦化』、『國父紀念館』あたり) はあまりトラフィックが増えていない一方で『忠孝復興』、『市政府』、『松山』、『台北小巨蛋』のトラフィックが大幅に増えた印象です。

台湾の人口が影響しているのかと思い、人口推移を調べると微増でした。
恐らく都心部に人口やオフィスが集中している可能性があります。
参考:Global Note

では気になる平日と週末のトラフィックの落差はどうだったでしょうか?

5年前落差が小さかった駅は何処?

西門:52% (現在:55%)
台北101/世貿:52% (現在:56%)
淡水:53% (現在:53%)
公館:53% (現在:55%)
台北車站:53% (現在:54%)
忠孝復興:56% (現在:67%)
忠孝新生:57% (現在:60%)
中山:58% (現在:58%)
市政府:59% (現在:63%)

平日と週末のトラフィックの落差が小さい駅は、今も5年前もあまり変わらない印象を受けます。

ワーストの顔ぶれも変わらず『南京復興』、『松江南京』、『西湖』などでした。

五年前と比べて平日と週末のトラフィックの落差がほとんど変わらないのは『淡水』や『中山』です。
逆に『忠孝復興』は5年前と比べて落差がものすごく増えたので週末のトラフィックが伸び悩んでいる可能性があります。

結局何処にするべきなの? MRT のデータを見た結論

結論から言うと MRT の駅のデータを見ただけではまだ何とも言えません。(苦笑)

ただし何となく『中山』と『忠孝新生』が applemint に向いていると思っています。

忠孝敦化駅や國父紀念館駅の人の出入りは5年前と比べてあまり変わらず、平日と週末のトラフィックの落差が増えています。
それにも関わらず、これら二つの駅周辺の不動産が高騰しています。
つまり近い将来以下のような現象が起こる可能性があります:

1. 不動産価格が高騰する → 2. お店が撤退する → 3. お店がないので人が来なくなる

地主も高い価格で土地を買ったので、家賃を下げられない悪循環に陥る気がします。
もしも東区の空室率が増加していたら、かなりの確率で上記のような現象が起こっている気がします。
そのため次回のブログでは空室率や台北の地区ごとの家賃について書きたいと思います。

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第3部のブログでは人間の行動範囲を心理学の観点から考え、台湾人の可処分所得の推移から見た行動について書き、applemint なりの結論を出したいと思います。
結論を出した後は実際に現場に行って人の流れを観察できればと思っています。

次回乞うご期待ください!

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