【2023年インフルエンサーマーケ】バブル、金額高騰を経て

【2023年インフルエンサーマーケ】バブル、金額高騰を経て

こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!

今日は2023年3月現在、台湾のインフルエンサーマーケティングがどうなっているか?という事についてお話をしたいと思います。

結論から言うと、台湾では一部を除いて、インフルエンサーやユーチューバーに何万円も払って、その費用を回収するような時代はとっくに終わっています。

要するにインフルエンサーの投稿や動画に 100万円払って一発回収しようと思ったら99%ぐらい無理ということです。

別に台湾でインフルエンサーや YouTuber を手配する業者や、会社さんを非難するつもりはありません。

YouTuber の動画はやり方によっては会社の財産になるので、僕はタイミングが良ければ提案しています。

ただ、現実問題として YouTuber の動画を長期的な財産と捉えずに短期的に利益を回収しようとする人ばかりいる事は事実です。

このブログではまず 2023年3月現在の台湾インフルエンサーや Youtuber の事情について述べたいと思います。その上で現状に対する僕の見解を述べられればと思います。

少し長文ですが、僕が知る限りの現状を包み隠さずお話しいたします。

インフルエンサー/ユーチューバーの現状:費用

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まずは台湾のインフルエンサーやユーチューバーの費用からお伝えします。インフルエンサーの費用は現在上がっている気がします。

知らない方のためにお話をすると、台湾では 2016年から2019年ぐらいにかけてインフルエンサーのバブルが起こりました。この時に多くの方がインフルエンサー業に参入し、インフルエンサーの値段は、高い人と安い人で真っ二つに割れました。

フォロワーが数千-数万人規模の人は、”業配”と言って、広告主から商品だけ貰って宣伝する場合が多いです。一方フォロワー数が10万人以上になると、数十万円から数百万円もらえるようになってきます。

参考までに10万台湾ドルで起用できるインフルエンサーは FB及びIG のフォロワー数が大体10-15万人程度の方です。

ケースバイケースですが、台湾のインフルエンサーの費用は1フォロー1台湾ドルぐらいに覚えておくと便利です。

ただ2023年3月現在は、物価の上昇やそれに伴う人件費の高騰などが影響し、インフルエンサーのお値段はまた少し高くなった気がします。

ただフォロワーが100万人を超えるインフルエンサー/YouTuber が100万台湾ドルするかというと、それよりは安かったりします。

インフルエンサーの詳しい値段が知りたい方は是非一度有料台湾ビジネス情報サイト applemint lab をのぞいて見てください。メンバー限定で一部公開しています。

残念ながら、10万台湾ドル(約45-50万円)を毎度払える会社はいません。そこで近年は KOC (Kye Opinion Consumer) という、フォロワーが3-5万人のインフルエンサーが増えています。ただ正直な話、彼らを複数人使用した所で効果は限定的なのが現状です。

次の章でお話しします。

インフルエンサー/ユーチューバーの現状:効果

冒頭でもお伝えしたように、インフルエンサーの投稿から一発で何万円も売上を回収するのは、現在はほぼ不可能だと思います。

一般に Facebook のニュースフィードに投稿が反映されるのは、フォロワーの10%ほどと言われています。要するに、1万人のフォロワーがいる人が、投稿をしても大体1,000人ぐらいにしかその投稿は見られないという事です。

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投稿に対するクリック率は 3-5%ほどで、1万人のフォロワーがいる人でさえ、投稿をしても30-50人しか投稿をクリックしない計算になります。

これが10万人だと、300-500人が投稿をクリックし、そのうち購入に至るのは2%ほどなので、購入者は 6-10人とかです。

従って、1回の投稿から数万円の売上を回収するのはほぼ不可能です。

今では信じられませんが、インフルエンサーもブームだった2015-2017年ぐらいは、ものすごく効果のいい施策でした。ただし、あまりにも多くの企業がインフルエンサーを起用したため、ここ数年でインフルエンサーによる宣伝は急激に悪化しました。

台湾の緩い規制が招いた消費者のリテラシーアップ

日本では、インフルエンサーが金銭を受け取って、商品をPRする場合、必ず PR である事を伝える必要があります。そうしないと企業はステマと認知され炎上しますし、下手すれば法の観点からもアウトです。

ステマに関しては、法律云々より企業イメージの悪化を懸念する会社が多いです。

その結果、日本のインフルエンサーやユーチューバーの PR 動画は、PR動画であっても視聴者が楽しめる工夫がかなりされています。なぜなら、消費者の多くは通常『PR動画』という表示を見た瞬間コンテンツを見たくなくなるためです。

以下の、江頭2:50のPR動画は焼肉屋さんとのタイアップ動画で、PR動画であるにも関わらず、コンテンツが面白いので再生回数は2022年8月21日時点で、200万回を超えてます。

エガチャンネルを手掛けるディレクターさん

それに対して、台湾では PR 動画に対して、『PR動画』と表示する義務はありません。

その結果、多くの企業は 『PR動画』と表示しません。なぜなら企業側も消費者は『PR動画』を見たくない事を知っているからです。

そうすると、企業がPRをお願いしたインフルエンサーの動画は、大体2パターンに分けられます。

  1. 『PR動画』の表示なしでゴリゴリに商品を宣伝する動画
  2. PR と悟られないため、ストーリーを入れるがしれっと PR をする動画

インフルエンサーが商品を PR し始めた初期は、商品をゴリゴリ宣伝しても消費者は PR と気づかず、商品が売れまくりました。

しかし、その後消費者のリテラシーが上がり、今では 『PR動画』の表示がなくても、商品の宣伝が入ると、消費者は PR 動画をPRと認識出来る様になりました。

その結果、『PR動画』の効果が悪化します。そうすると、広告主は「ゴリゴリ宣伝してはいけないのではないか?」と考え始め、#2 のストーリーにしれっとPRを挟む動画が流行ります。

しかし、このしれっとPR動画がびっくりするぐらいつまらないケースが大半です?

その理由はなぜか?僕は2つ理由があると思っています:

  1. 広告主が動画を企画する
  2. いい動画を企画出来るディレクターがいない or リソースがない

広告主は動画を作るプロではありません。しかし、広告主はお金を出しているので、インフルエンサー側は広要求に逆らえないケースがほとんどです。

広告主は、お金を出しているからには商品を宣伝したいので、結局コンテンツの質より、宣伝ができたか否かを優先します。

その結果、動画は PR の比重が高くなり、つまらなくなります。

また、インフルエンサーを管理する会社さんも、カジサックや江頭2:50のように優れたPR動画を作れるディレクターが一人一人ついている訳ではありません。

通常一人のマネージャーが複数のインフルエンサーを担当しますし、広告予算が少ない広告主の動画は、リソースの問題からディレクターではなくマネージャーが動画を企画する場合もあります。

話をまとめると、台湾では PR 動画は日本のように「ステマ」と認識されず、結果的に PR 動画とそうでない動画の境界線が曖昧になりました。

その結果、消費者の PR 動画を見分けるリテラシーが上がり、つまらない PR っぽい動画はすぐに見抜かれ、効果がなくなったと考えています。

フォロワーは買える:インフルエンサーの詳細を伝えない会社には気をつけたい

ここまで、ご覧頂きありがとうございます。最後にどうしてもお伝えしたいことが2つだけあります。

まずお伝えしたいのは、台湾では Facebook やインスタグラムのフォロワーはいつでも買えるという事です。

台湾版のメルカリとも言われている ShopeeやGoogle で「買fb粉絲」(Facebook フォロワー購入)と検索してみてください。

以下が2022年に検索した際の結果です:

FB購入1312 in 【2023年インフルエンサーマーケ】バブル、金額高騰を経て

2023年3月現在の Shopee ではファンや登録者を買えなくなりましたが、違うサイトで買えるようになりました…

これは別に今に始まったことでは無いのですが、あまりにこの事実を知らない方が多いので、書きます。

従って、Facebook でインフルエンサーを起用する際に大事なのは、フォロワーが何人いるかではなく、フォロワーがどんな人で、フォロワーが投稿に対してどれだけ反応を示しているかです。

僕はこの事を知っているので、フォロワーのデモグラフィー(年齢、性別など)とエンゲージメント(投稿に対する反応率)を教えてくれない業者のインフルエンサーは一切使うつもりはありません。

お金で買ったフォロワーは投稿にほとんど反応しません。

今も昔も重要なのはシェア

最後に、インフルエンサーやユーチューバーを起用する際に注意していただきたい点をお話しして終えます。

インフルエンサーに Facebook で投稿してもらう際、一番大事なのは、「シェア」です。僕の経験上、シェアされれば拡散され購入に繋がります。

みなさんが今後インフルエンサーを起用して Facebook で投稿をする際は、「どうすればシェアされるか?」を念頭に入れれば間違いないと思います。

例えば、僕は2022年、換日線というメディアに寄稿したコラムが Facebook で投稿され、シェアされまくってバズりました。

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その結果、僕の存在はそれなりに多くの人に知れ渡ったようで、この前も初めてお会いした日本人の方に、「コラム見ました!今日はわざわざ来て頂きありがとうございます!」と言われました?

シェアされれば、それだけ商品やサービスを認知する人が増え購入につながります。では、どうすればシェアされるか?

僕のバズったコラムや、今までシェアされた投稿を見ると、共通しているのは、良質なコンテンツということです。それが動画でもいいですし、ブログでもいいですし、写真でもいいです。

ちなみにブログコンテンツはうまく書くと、狙ったキーワードで Google の検索からも流入が期待出来ます。なのでブログコンテンツは一石二鳥なのですが、ブログ執筆は地味で費用がかかって、長期的な効果しか見込めないため、誰もしようとしないのが現状です…?

applemint は台湾で日系のデジタルマーケティングをする会社の中では、ダントツにコンテンツ力があると自負してます。

最近では競合他社もコンテンツの重要性を理解し、僕らを真似てコンテンツを書いてますが、更新頻度が低かったり、失礼を承知で言わせてもらうと内容がまだまだだと思っています?

喧嘩を売ってすみません…

「ローマは一日にして成らず」と言うように、コンテンツは急に書けるようになるわけではありません。僕は5年間ほぼ毎日書いてここまできました。

ちなみに YouTube も台湾の他社に先駆けて始め、2023年3月現在 YouTube の登録者は台湾ウェブマーケの会社では異例の5,600人います。

この前国民党の議員さんとの対談動画を3週連続でアップしたら登録者が減りました?

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長文になりましたが、2023年3月現在の台湾のインフルエンサーの現状について、僕が知る限りを書かせていただきました。

もしもこれをご覧になって、applemint のコンテンツ制作に興味を持った方 applemint までご相談ください。

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Leo Sato 佐藤峻

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