こんにちは!台湾でデジタルマーケティング会社の代表を務める、applemint の佐藤 (@slamdunk772) です。
今日は「台湾におけるPR事情」について、リアルな話をしたいと思います。
特に日系企業の皆さんにとって、台湾でのPR活動って日本と勝手が違う部分が多いんですけど、それを理解している人が少ないのが現状です。
僕自身、最近お付き合いを始めたクライアントさんとのやり取りを通じて、改めてこのことを感じました。
なのでこのブログでは、台湾のPR文化がどうなっているのか、実際に企業がやりがちな誤解、そして台湾市場で効果的なアプローチについてお話しします。最後まで読んでいただけると、きっと台湾でのPR戦略のヒントが見つかるはずです!
台湾に「PR文化」が根付いていない!?

日本だと「プレスリリースを出せば誰かしら記者が来る」「PR会社にお願いをすれば、記事が出る!」と思っている方は少なくないと思います。
でも、台湾ではこれが通用しないケースが多いです😅
というのも、台湾の記者さんやメディアの多くは、記事を書くこと=ビジネスと捉えていて、無償で記事を書くということはあまり一般的ではないんです。
だからこそ、日系企業が「イベントを開くので、記者に招待状を出して記事を書いてもらいたい」と考えても、そもそもそれが無料では成立しない場合が多いのです。
僕のクライアントさんも、商品の発表会を開く際に「PRのサポートをお願いしたい」とご相談をいただきました。
その際に、「やってもいいですが、多分記者さん来ないですよ」と率直に伝えました。
そしたらクライアントさんは驚いていて、僕がさらに、「なんならミニマム10万台湾ドル(50万円)払えば一応記者さん一名は来てくれそうです」と話をしたら、日本との PR 文化の違いに驚いていました。
メディア掲載は「有料」が前提?

台湾では、媒体によっては“広告枠を買う”という形で記事を出すことが一般的です。日本でいう「タイアップ記事」に近いです。
しかも、その記事を出すためには ・事前の打ち合わせ ・構成案の提出 ・撮影や取材対応 ・修正対応 といった作業が伴うので、当然費用もかかります。
僕の肌感ですが、メディアに1記事出すのに大体10万台湾ドルくらいはします。
これは決して安い金額ではありません。
特に「無料で掲載してもらえる」前提で考えていると、台湾でのPR活動は思うように進まないことが多いです。
昨年、紗倉まなさんを招いて性教育のイベントを開催しました。
その際、記者の方々にもご案内し、当日は約10名の記者が来場してくれました。
案内はメールで一斉送信した後に、個別にフォローアップの電話もかけました。
また、紗倉まなさんが8年ぶりの台湾訪問という話題性に加え、近年のセクシー女優人気の高まりもあり、多くの記者の関心を集めることができました。
台湾で無料で取り上げてもらうハードルは日系企業の皆さんが思うよりも高いケースが多いです。
なぜ台湾ではこうなったのか?

これは僕の考察ですが、台湾のメディアは昔から広告収入に大きく依存していることが背景にあると思います。
また、市場が日本ほど大きくないので、各メディアがサバイバル的に収益を確保しなければならないという事情もあると思います。
市場規模が小さいため、例えば一社が無料でどこかの会社の特集を行い、所謂PR をすると、他の会社もそのPRに期待し、有料のメディアを購入されなくなるというケースが起こりえます。
日本は市場規模が台湾よりも遥かに大きいので、例えどこかが無料でメディアに特集されても、それが特別であることを理解し、有料の広告枠を購入する広告主はいます。
また、昨今は SNSやKOL(インフルエンサー)の台頭も影響しています。 広告主は彼らの方が宣伝効果があると感じており、従来のメディアよりもインフルエンサーに宣伝をお願いするケースがどんどん主流になっています。
そうすると、所謂メディアはますますPRをしている余裕は無くなります。
どうすれば台湾で効果的なPRができる?
ここまで読むと、「じゃあ台湾ではどうすればいいの?」と思った方もいるかもしれません。
僕がおすすめするのは、以下のようなアプローチです:
- KOL・インフルエンサーとの連携:媒体を通じたPRではなく、信頼のおけるインフルエンサーに商品を体験してもらい、その感想を発信してもらう。
- コンテンツマーケティングの強化: 自社メディア(ブログ、YouTube、SNS)を活用して、自ら情報発信すること。
- 広告とのセットで考える: PRだけではリーチに限界があるため、必要に応じて広告(Meta広告やGoogle広告)との併用を前提にする。
台湾で PR に期待するのは、正直難しいでしょう。そのためPR会社にお金を払ってPRを期待するよりも、その費用をそのままインフルエンサーに渡した方が効果があるケースがほとんどです。
ただ、インフルエンサーの影響力がどこまで続くかわかりませんし、昨今は台湾人ユーザーのリテラシーが上がりインフルエンサーの宣伝効果も限定的になっています。
つまり、自分たちで発信する必要も出てきているということです。
なので、インフルエンサーに頼るだけでなく、自分達の言葉で発信することも意識し、必要に応じてデジタル広告を出すことも考えるのがトータルで見るといいです。
以上、applemint 代表佐藤から台湾のPR 文化についてでした!
このブログが、台湾でPRをしようと考えている皆さんにとって少しでも参考になれば嬉しいです!
それではまた!
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