こんにちは、applemintの津山です!皆様は、ここ数年、世界で「ベジタリアン」人口が増えていることをご存じですか?日本では東京オリンピックの際に、外国人ベジタリアン向けの食事対策が話題になったので、記憶にある方もおられるかもしれません。
日本では「ベジタリアン」の存在は、まだ珍しいイメージがありますが、実は台湾では、ベジタリアンがとても身近な存在です。台湾の国民に対するベジタリアン人口の比率は、なんと世界2位の高さなのです。
台湾のベジタリアンは「素食」と呼ばれており、現在、台湾には、6,000を超えるベジタリアンレストランがあります。私も台湾に来て4年になりますが、台湾のベジタリアンフードの豊富さには今でも驚かされます。
しかし、一方日本のホテルやレストランは、ベジタリアン対応の意識がまだ高いとはいえず、再び台湾人旅行客が増えた際には、不満や不便を感じる人が出てくる可能性があります。
そこで今回は、台湾人向けインバウンドに関わるレストランやホテルの方に向け、台湾ベジタリアン市場のまとめとベジタリアンに人気のメニュー、そしてベジタリアン向けの対策を、台湾現地の情報をもとにお届けします!
Contents
台湾のベジタリアンは推定330万人で世界2位の比率

まず、台湾のベジタリアン市場についてご紹介します。現在の台湾のベジタリアン人口は約330万人、 台湾総人口の13%も存在しており、国民全人口に対する比率は、インドに続き世界で2位、となっています。
ちなみに、日本国内におけるベジタリアンの割合は5%程度なので、それと比較すると、台湾におけるベジタリアンの多さが、よくわかっていただけるかと思います。
台湾人になぜベジタリアンが多いのか、主な理由は、宗教の問題です。台湾人の信仰宗教は、日本と同様に不殺生の習わしがある仏教信仰が35%を占め、特に慈済基金会という台湾最大の仏教系慈善団体が素食を推進している背景があるため、ベジタリアンを選択する人が多いようです。
宗教以外の理由では、動物保護の観点や、健康の観点で、素食を選んでいる人もいます。
台湾のベジタリアン市場は600億元規模に
次に、台湾のベジタリアン市場の規模ですが、現在では約600億元(22年11月のレートで換算して、約2,700億円)に達しています。特に台湾素食のレストランの店舗数は、コロナ前の2019年を見ると前年比で12.5%も増加しました。

台湾で現在、ベジタリアンフードの加工品(植物肉や豆腐系料理)を提供する業者は約300件あります。日本人には意外と知られていませんが、台湾の素肉(ベジタリアン向けお肉)では、日清オイリオグループが販売している大豆ミートが有名です。

私もベジタリアン料理店でおそらくこの大豆ミートを使用した滷肉飯(ルーローハン)を食べましたが、これが意外と美味でした!


ただ、同僚のベジタリアンArielによると、ベジタリアンの中には肉の味がそもそも好きじゃないので、植物肉であっても食べない人もいるそうです。
台湾に存在する5種類のベジタリアンとは
台湾のベジタリアンは全部で5種類あり、それぞれ食べられるものが異なります。台湾人が多く訪れるホテルやレストランでは、違いを把握しておくとさらにホスピタリティが上がるのではないかと思います。
まず、大きく分けて「卵や牛乳も含めて絶対動物性の食物を口にしない」というヴィーガン(完全なベジタリアン)と、それ以外のベジタリアン、という2種類に分けられます。ベジタリアンはさらに、卵だけOK、牛乳だけOK、など食べる食材により細分化され、呼び名が異なります。
- ヴィーガン(完全なベジタリアン)=全素(純素)
- ベジタリアン=蛋素・奶素・奶蛋素・植物五辛素
それぞれのグループが口にする食材については、以下の図をご参考ください。

台湾における各ベジタリアンの割合ですが、観光課の学生の調査によれば、卵や牛乳はOKという蛋奶素の方が最も多い、という結果となっています。




同僚のArielはベジタリアンですが、彼女もやはり蛋奶素です!
台湾ベジタリアン料理の驚きのクオリティをご紹介
台湾のベジタリアン向け料理は、台湾素食と固有名詞になるほど、ベジタリアン界では世界的に有名です。そんな台湾で人気のベジタリアンフードの一部をご紹介します。
台湾で食べられるお勧めベジタリアンフード3選
その1. ラーメン
こちらは台北の松江南京にある、ベジタリアン向けのラーメン店三本のラーメンです。見た目も味もかなり本物のラーメンに似せて作られています。


その2. 自助餐(バイキング)
台湾のバイキングスタイルのベジタリアンレストランです。写真の料理は、一切肉を使ってません。野菜や大豆なので味が薄くないか心配でしたが、味付けは意外と濃かったです。


その3. コンビニ飯
こちらは2020年から台湾のセブンイレブンが導入している、ベジタリアン専門のブランド「天素地蔬」のリゾットやラップサンドです。トリュフの香りがして結構美味しいです。


現地イベントで発見!新しいベジタリアンフード
実際に2022年12月10日に開催された、台湾のベジタリアン向けイベント「無肉市集」に行ってみました。ここで販売されているのは全て肉を使わない食べ物です。また同時に環境保護イベントも兼ねており、使い捨て食器やペーパーの提供が一切ありません。


この日は雨にもかかわらず、エビ風味のフライやたこ焼きなど、人気屋台には長蛇の列ができており、ベジタリアンと思われる台湾人で溢れかえっていました(もちろん中身にタコなし)。
私は左の写真のイカ風味ハンバーガーを注文しました。味はマックのフィッシュフィレオに近く、ベジタリアンじゃなくても大満足の美味しさでした!


日本が台湾のベジタリアンに向けてとるべき対応とは?


では最後に、台湾で見たベジタリアン対策を参考に、日本のホテルやレストランで参考にしていただきたい対応をご紹介します!
- 5種類のベジタリアンの違いを理解した上で、どのベジタリアン向けかメニューに表記する
- ベジタリアンフレンドリーであることをFacebookやインスタで情報発信する
先日、弊社では2023年の知床社員旅行のために行動プランを立てていたのですが、その時に判明したことは、日本のレストランは、ベジタリアン料理に関する情報をほとんど出してない、ということです。
弊社の台湾人社員のArielはベジタリアンですが、残念ながら、知床のレストランはベジタリアン向け料理が少なく、なかなか昼食の場所が見つかりませんでした。
もしレストランが、SNSでベジタリアン向けメニューを載せたり、情報発信をしたりしてくれると、かなりその店を選びやすくなると思います!
台湾人に効果的にアピールできるSNSについては、以下のブログで詳しくご紹介しています!




弊社スタッフArielいわく、台湾人のベジタリアンは、ネギやニンニクを食べない人が多いので、使用有無の記載がほしいとのことです。
台湾のベジタリアンは全体の13%程度とはいえ、グループ旅行や団体旅行でベジタリアンが含まれる可能性は低くありません。顧客満足度を上げて、リピーターを増やすためにも、ぜひ日本でインバウンド需要が本格化する前に、取り組んでいただきたいと思います!
また、これから急速に回復するであろう台湾人向けインバウンド対策で、本格的なマーケティングを検討したい企業様は、台湾現地で6年のノウハウを持つapplemintまで、ぜひご相談ください!
applemintへのご相談やご連絡はこちらから!