こんにちは!台湾でデジタルマーケティング会社の代表を務める、applemint の佐藤 (@slamdunk772) です。
今回は、最近台湾で存在感を増してきた“韓国発のEC企業”について、リアルな視点からお話ししたいと思います。
「え、韓国のEC企業?」と思われるかもしれませんが、実はここ数ヶ月で台湾ビジネス界隈ではよく名前が挙がるようになってきた企業があるんです。
それが、クーパン(Coupang)です。
Contents
クーパンとは?

参考:https://www.coupang.com/
まず、クーパンって何?という方のために簡単にご紹介を。
クーパン(Coupang)は韓国最大級のECプラットフォーム。韓国では「韓国版Amazon」と呼ばれることもあるほど存在感があり、物流やカスタマーサービスなど全体のユーザー体験にとても力を入れている企業です。
日本ではあまり耳にしないかもしれませんが、台湾では2023年ごろからじわじわと話題にのぼるようになってきました。
2023年の大攻勢と一時の沈黙
クーパンが台湾市場に本格進出してきたのは、僕の記憶では2023年頃です。
その当時の印象は、とにかく「広告費使ってるな〜」というものでした(笑)
InstagramやFacebookを開くと、どこもかしこもクーパンの広告だらけでしたね。
もしかしたら僕がドンピシャりのターゲットになっていたのかもしれません。最初の頃はディスカウントのクーポンコードもあり、韓国のラーメンや韓国のグッズを購入したのを覚えています。
でも、その後しばらくすると広告の勢いも落ち着き、僕自身もあまり名前を聞かなくなっていました。
2025年、クーパンが再び動き出した!?

ところが、2025年6月の“ある出来事”をきっかけに、僕はクーパンの名前をよく聞くようになりました。
その出来事とは、「618キャンペーン」。
日本人には馴染みのないキャンペーンかもしれませんが、中国や台湾ではよく聞くキャンペーンです。
どうやら6/18 っていうのが、一年の半分で、一年の半分経ったことをお祝いしてのキャンペーンだそうです😅
もうなんでもありですね😁
そして2025年6月18日のこのタイミングで、クーパンが大々的なセールを仕掛けてきたんです。
驚くべきことに、なんとMOMO(台湾最大級のECモール)に勤めるスタッフでさえ、クーパンで買い物していたという話まで聞きました。
もはや敵の陣営すらも動かす勢いです(笑)
韓国企業が台湾市場に興味を持っていなかった理由

ここでちょっと面白い話を。
去年、韓国の大手広告代理店の社長さんとお会いしたのですが、その際にこんな話を聞きました。
「韓国企業って今まであんまり台湾市場に興味なかったんですよ。人口もそこまで多くないし、どちらかと言うと、中国や東南アジア、日本の方に目を向けていたんですよ。」
あーなるほどって思いましたね。
日系企業にとって台湾って、海外進出のハードルが他国と比べて低いし、最初の海外進出先としてよく選ばれますが、韓国企業からすると「いや、そこでうまくいってもあんまり旨味ないじゃん」ってわけです。
それはすごく納得です。
でも最近、その流れに少しずつ変化が出てきているそうです。
特にクーパンの場合、創業者の奥様が台湾人!?らしく(韓国人の知り合いから聞いたものの真相は定かではない)、クーパンのリソースを使って台湾進出を片手間でできないかと考えている企業がちょくちょくいるそうです。
あ、ちなみに知り合いの代理店さんは、どうやら台湾から韓国のアウトバウンド(観光客)を狙った取り組みをしたいみたいでした。
MOMOの牙城を崩せるか?

参考:https://www.momoshop.com.tw/main/Main.jsp
とはいえ、台湾のEC業界ではMOMOとPChomeという二大巨頭が圧倒的に強いです。
楽天は…😅
今のところ、クーパンは商品の取り扱い数がやや少なめで、「品揃えが物足りない」という声もあります。
ただ、その弱点を埋めようと、クーパン側からブランドやメーカーに積極的に声をかけているという話も聞いています。
実際、僕の知り合いのクライアントの元にもクーパンからアプローチがあったそうで、「取り扱い商品を増やしたい」「ディールを組みたい」といった話が進行中のようです。
ただ、出店側からするとクーパンは、
- 大きなディスカウントを求められる
- 条件がやや厳しい
といった声もあるので、まだ課題は残っている印象です。
それでも、このまま頑張れば数年後にはもしかしてMOMOの地位を脅かす存在になる可能性は十分にあると僕は見ています。
というわけで今回は、韓国のEC企業クーパンが台湾市場で再び攻勢をかけている件についてお話しました。
今後台湾で販路を増やしたい日系ブランドやEC担当者の方にとっては、「クーパンをどう使うか」がこれからの課題になるかもしれません。
また面白い動きがあれば、引き続き現場からリアルな情報をお届けします!
ということで以上、applemintの佐藤でした。
また次回も台湾から、マーケティングの最前線をレポートしていきます!
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