【台湾で MBA を考えている人へ】政治大学の MBA に通って思ったこと

【台湾で MBA を考えている人へ】政治大学の MBA に通って思ったこと

こんにちは!台湾で applemint というデジタル・マーケティングの会社を創業した佐藤  (@slamdunk772) です。

プロフィールにある通り、私は数年前台北の国立政治大学というところで、IMBA という外国人向けの MBA を2015年に無事修了し、現在に至ります。

どうやら最近少しずつ、台湾の MBA や大学院が日本人に注目されているようなので、今回は MBA 時代の授業、同級生との交流、ネットワーク、コスパなどその時の体験を赤裸々にお伝えしたいと思います。

良かった点と改善点を両方、正直に書きたいと思いますので台湾で MBA や大学院を考えている人の参考になれば幸いです。なお、今から述べることは全て2013年から2015年までの経験を基に書いてます。一部状況は異なるでしょうが、大部分はあまり変わっていないと思います。

ちなみに動画でも台湾 MBA のこと話しているので、動画の方がいいという方は以下の動画からどうぞ!

授業に関する良し悪し

まずは授業に関して、個人的に良かったと思うところと、そうでもなかったと思うところを列挙したいと思います。

授業の良かったところ

・いろんな国籍の人とチームワークを行い、日本ではありえないぐらい協調性がない人と作業できたところ(苦笑)
・たまに本当に質の高い授業があり、影響されたところ

授業に関してあんまり良くなかったところ

・所謂「ザ・アジア」みたいな、受動的に授業を受けるクラスが多かったところ
・フィールドリサーチなどなく、 MBA なのに実践的でなかったところ (2015年時)
・MBA なのに授業によっては就労経験がない普通の大学院生と同じクラスになり、非現実的なディスカッションが多かったところ

全体的に質の高い授業と、そうでない授業の格差が非常に激しい印象を持ちました。また、実践的でなかったところが非常に残念でした。

個人的にすごい影響を受けたクラスは、蔡教授の財務のクラスで、ビジネスを学んだことがなかった僕には IRR や NPV はとても新鮮でした。テストの点数は最悪でしたが、財務に対する関心が持てました。

大部分の授業が実践的でなかったのは非常に残念であり、課題だと思います。例えば Kellogg に行った友人の話では、 Kellogg には NPO支援のクラスがあってそこでは実際に NPO の団体に訪問し、NPO の職員と数週間かけて課題抽出と課題解決の戦略立案を共に行うようです。

また、Kellog は大学周辺のコミュニティと連携が取れているようで、MBA 生が大学周辺のお店や、企業とコラボする例がよくあるようです。とても実践的でいい取り組みだと思いました。

これに対して、政治大学の MBA は、大きな教室で教授が話をして、生徒がレクチャーを聞くというスタイルが大半でした。僕は正直、このような授業形態はあまり好きではありません。(苦笑)所謂授業らしい授業が好きな人には向いているかもしれません。

僕は個人的にレクチャー形式の授業を最初の半年から1年行い、その後は Kellogg みたいに積極的に外に出て、企業と連携する仕組みがあればいいと思いました。

同級生との交流に関する良し悪し

では一緒に MBA を学ぶ同級生はどうだったか?こちらも良かったところと、そうでもなかったと思ったところを述べたいと思います。

クラスメートの良かったところ

・一人だけ今も付き合っている友人ができたところ(もうかれこれ7年目)
・結構優秀な同級生と出会えて刺激になったところ、「あいつがこれだけやってるから自分も頑張らなきゃ」と思えたところ
・ズルを正当化して、自分は何も悪くないみたいに振る舞う「ザ・外国人」みたいなやつがいたこと(笑)
・自己主張の激しいやつに会って、海外のやつと共同作業するシミュレーションができたこと

クラスメートの良くなかったところ

・結局外国人は同じ人種でかたまり、少々浅はかな国際交流が多かったところ
・台湾人の学生はパートタイムの学生ばかりで、夜授業に参加する以外は付き合いがあまりなかったところ

最高のアメリカ人の友人一人に出会えたことは、とてもよかった所です。
また、ブルキナファソからの同級生が非常に優秀で、真面目で刺激を受けました。

僕はそのブルキナファソから来た彼とボランティアの団体を率いていたのですが、あるプロジェクトで朝の8時ぐらいに集まらなければいけませんでした。海外の人はこういう時、大抵遅れますが彼だけは時間通り来ました。

夜も仕事が終わる9時まで残業してくれた、とてもありがたいクラスメイトでした。他の外国人の学生は残業なんてしません。仕事よりプライベートが大切ですから。まー海外の人なんてそんなもんです。

嫌だったところは海外組の同級生(ラテンアメリカ系)がいつもラテン系の学生同士でかたまっていたことです。世界中どこ行っても似た人種同士で集まるのは一緒ですね。

僕もアメリカにいた時、落ち着いたのはやはりアジア系の人たちと話している時だったのでその気持ちはわかります。しかし、厄介なのはこれらのラテン系の学生が、グループワーク時に仲間意識を働かせることでした。

どういうことか?

奨学金を得ているラテンアメリカの学生

政治大学の MBA は、奨学金を得ている学生と一般学生に分かれます。ラテンアメリカからの学生は、皆奨学金を得て台湾に来ており、IMBA ではマジョリティを形成します。そのため、例えば 5人のチームを作った時、3人はラテンアメリカ系の生徒になる場合があります。このようなチームに入ると最悪です。

具体的なストーリーをシェアします。あるクラスで僕はラテンアメリカ系学生3人と組むことになりました。最終日に与えられたプレゼン時間は10分。プレゼン資料を準備して気づいたらスライドが40枚になりました。1枚15秒です….苦笑

もちろん僕はスライドを減らすよう提案しました。僕の言い方も悪かったのでしょうが、リーダー格のラテン系の子がせっかく作ったスライドが使われないの嫌だと主張し怒り始めました。

この時隣にいたもう二人のラテンアメリカ系の子は、苦笑いだけして何も反対しませんでした。リーダーの子との関係性を壊したくなかったからです。

結局チーム内でイメージだけのスライドは本番では飛ばすということで妥協しました。でも実際のプレゼンになると飛ばすはずないですよね?そもそも飛ばすだけなら入れる意味はどこにもありません….

結果的にこの時反対した僕は、孤立しました。その後のプレゼンはこのボスの子の独壇場で、もちろんプレゼン時間は10分を超え、マイナス評価。

ただし現実社会ではこんなこと日常茶飯事だと思うので、この時に予め他のメンバーに根回しして周りを巻き込むコミュニケーションを取っていればなー、と今なら思います。

台湾人の学生

次に、台湾人の学生についてちょっとお話をします。問題だと思ったのは、政治大学の台湾人の学生の大半がパートタイマーだったことです。彼らは平日夜の授業に出て、授業後はスタスタ帰るのみです。なぜなら次の日仕事ですから。

土日のクラスではたまに授業前後に一緒に食事をしましたが、それぐらいです。お酒もたまーに飲んだぐらいです。

なぜこんなにもインタラクションが少ないか?結婚しているパートタイムMBAの台湾人が割といたのと、台湾人の学生はそもそも台湾に友人がいるので、無理して英語でコミュニケーションを取る友達を作らなくてもよかったのではないか、と思っています。

卒業後、一度日本に戻った僕はその後 IMBA の台湾人の友人とは疎遠になり、今連絡は取り合っていません…. (最初の2年ぐらいはちょくちょく連絡をとっていましたが….)

台湾大学の MBA は皆フルタイムらしいので、もしかしたら台湾大学の MBA の学生の方が学生同士のネットワークや絆が強いかもしれません。

ネットワークに関する良し悪し

MBA はネットワークが一番大事なんて言ったりもしますよね。政治大学の IMBA はどうでしょうか?次にネットワークに関して僕が思ったいいところとそうでもなかったところをお伝えしたいと思います。

良かったところ

・自分が起業する時後輩ですでに起業していた子がいて、その子に会計士を紹介してもらえたところ

あまり良くなかったところ

・あまり機能しているとは思えないところ(苦笑)
・同級生の半分以上は台湾が外交を結んでいる聞いたこともない国出身の生徒で卒業するとほぼ確実に再会できないところ(苦笑)

MBA 時代に後輩だったタイ人の子に紹介してもらった会計士の方は非常に誠実で、起業時から現在に到るまで色々助けてもらってます。政治大学 IMBA の HP にはアラムナイ(卒業生)が何百人もいて、色んな業界の色んな人がいるなんて謳っています。

僕は残念ながら今の所このネットワークから何かコラボが生まれた例はないです。一応卒業後は色んなイベントがあって、たまに招待状が来ることは事実なので、僕のせいかもしれないですね。

ただ、過去2回だけアラムナイと在学生のイベントに行った経験を言わせてもらうと、イベントに参加するアラムナイは大体いつも同じです….

アラムナイは何百人といるかもしれませんが、連絡するもしないもあなたの自由ですという感じです。OB/OG 訪問みたいに仲介の人なしにアポとるのに問題がない人であれば活用できるかもしれません!

参考までに以下にアラムナイ関連の URL を貼っておきます。

政治大学 IMBA アラムナイのページ:https://imba.nccu.edu.tw/en/alumni

また、前章でもお話ししましたが、政治大学の IMBA の学生の1/3ぐらいは、台湾政府が奨学金を出して外交関係のある国から来てもらっている学生です。台湾と外交を結ぶということは台湾(中華民国)を国と認めることであり、そんなことをすれば中華人民共和国(中国)が黙っていません。

従って中華人民共和国と友好なビジネス関係を維持したいような国は、台湾と外交を結びません。日本も台湾と外交関係はありません。

簡単に言うと先進国やみんなが知ってる国の人は奨学金を使って来ないという事です。こちらの記事に台湾と外交を結んでいる国が列挙されてあったので一部抜粋します。

ベリーズ

エルサルバドル

ニカラグア

グアテマラ

ホンジュラス

ハイチ

パラグアイ

キリバス

パラオ

ナウル

マーシャル諸島

などなど

これらの国々から来た学生とネットワークを築いたところで、将来的にそのネットワークを活かせるか?正直商社マンでもない限り難しいと思います。

これがシンガポールの NUS の MBA だと、卒業後出張で上海に行って誰々と会ってきた!韓国に行って誰々と会ってきた!という話を聞きます。僕もシンガポールで交換留学をしていた時の同級生が、この前台湾に出張に来たので会いました。

彼は某外資系メーカーのアジア責任者だったので少し商談もしました。これが台湾の大学で MBA を取るのと、シンガポールの大学で MBA を取る違いですかね….

あ、僕はどちらかというと MBA 否定派なので、どうしても MBA に行きたいという人はこれらのコメントを無視してください!

その他

最後にいくつか補足したい点があるのでお話したいと思います。

政治大学IMBA に関する注意点

・政治大学周りは台北の都心部から遠く、積極的に学外でネットワーキングする人は近くに住まない方がいいと思う
・政治大学周りの飯屋がびっくりするほど美味しくない(2015年時点。もちろん例外はありました)
・政治大学内の食堂の料理もびっくりするほど美味しくない

政治大学の MBA に行ったことで、今の僕があるので後悔はしていません。でも、行き直せるなら、以下のことをすると思います:

政治大学IMBA中にしたらいいと思うこと

1. 授業の合間にプログラミングやデザインを学ぶ。自分でサイトぐらいは作る。ブログを書いて「書く」練習と発信をする。
2. SNS を積極的に活用する。
3. 台北市内で色んな意思決定者(駐在員など) にアポをとって意思決定者に会う。
4. 東南アジアに行って遊びまくる
5. 絶対に政治大学の近くには住まない(笑)

デザインが出来れば在学中フリーランスで稼げます。僕は在学時にフリーランスでデザインしていた経験が今も活きています。ブログを書き始めれば、将来的にアフィリエイトや広告収入が少しばかり入る可能性があります。

あと、 MBA 時代に失敗してもいいので何かしらのビジネスをするといいと思います。軌道に乗ったら起業してみていいですし、失敗しても卒業後の転職の面接でネタに使えます。

最後に、台湾で MBA に行く目的について

MBA の2年間は総合的に楽しかったですし、色んな国にも回れて充実していました。しかし卒業後間も無く起業した僕にとって、 MBA で学んだことが起業に役立ったことはあまりありません。

財務知識やマーケティング知識なんて、実践の中で働きまくりながら学びました。なのでもしも『起業』とか本気でビジネスを学びたいと思っているなら、僕は政治大学の MBA はオススメしません。というかそもそも MBA をオススメしません(苦笑)

本気でビジネスを学びたければ、学費と同じ金額を起業に費やした方が100倍学ぶと思います。

一方、台湾の大学院や MBA に行きたい人の中には、ただ台湾に行きたいという人もいます。そんな人は僕の意見なんて無視して台湾に来て、台湾で好きなようにするといいと思います!

結構時間はあるんで、ビジネス学びながら中国語だって学べちゃいます。

今回、このブログでは僕の個人的な意見を書きました。僕はそもそも MBA 否定派で、そのことは起業一年目のブログにも書いています。(以下参考)

しかし僕の周りには政治大学 IMBA 万歳みたいな人もいます。色んな人に意見を聞き、目的を明確化した上で政治大学の MBA に行くことを決めれば、充実した MBA 生活を送れるのではないでしょうか?

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このブログが皆さんの参考になれば幸いです。

ちなみに MBA で何百万も費やした授業料が現在役に立ってないことを踏まえ、僕は台湾で超実践的なビジネスクラブを立ち上げました。

現代に必要なデジタルマーケティングとコミュニケーションを徹底的に身につけられます。実践をしてもらうことで、インプット及びアウトプットが出来るのが特徴です。

台湾にお住いの方で興味のある方は是非!(2020年12月14日現在、5名 (台湾人2名 + 日本人3名))

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