台湾向け越境EC大苦戦事情と3つの理由【2022年版】

台湾向け越境EC大苦戦事情と3つの理由【2022年版】

こんにちは!台湾で主にデジタルマーケティングのお手伝いをしている applemint 代表の佐藤(@slamdunk772) です!

applemint は主に現地の日系クライアント及び台湾向け越境EC を運営しているクライアントのお手伝いをして早5年になります。

台湾現地の日系クライアントは比較的にうまくやれている一方で、越境EC は大苦戦です。そして、台湾現地にいる私から一言お伝えしたいことがあります。

これは私の感覚ですが、台湾向けの越境 EC は恐らく 6-7割はうまくいってないと思います。そして私はこの比率が今後ますます悪くなると予想しています。

その理由は台湾の政府による越境ビジネスの規制です。また、台湾向け越境EC をやる会社の中には日本の成功体験に固執してしまっている会社も少なくありません。このこのブログでは台湾に越境EC で進出した企業が実際に直面している現状と苦戦している理由、台湾政府による規制について述べたいと思います。

台湾越境ECの現状

結論から申し上げます。これは私の感覚ですが、越境ECの形で台湾に進出多くの日系企業は進出から大体2-3年で撤退をしています。台湾向け越境ECのブームは大体2-3年ほど前だったので、ちょうど2020年から-2021年にかけて撤退企業は増えた印象を受けます。

もちろん、これは私個人の感想であり、いくつかの広告代理店や越境EC支援会社は必ずしも賛同しないでしょう。ただし私は自信を持って越境ECが好調と言える日系企業は多くないと言えます。

ではなぜ皆うまく行かないのでしょうか?原因を説明する前に、まずは改めて台湾向け越境ECのメリット及びデメリットについて振り返りたいと思います。

台湾向け越境ECのメリット

まず台湾越境ECのメリットは以下と思われます:

台湾向け越境ECのメリット

・2,000元以下の商品は関税なし (2,000元以上は抜き打ち検査)
・広告表現が比較的に自由
・地理的に近いことによる物流コストの安さ

こんなところじゃないでしょうか。次に台湾越境ECのデメリットをまとめます。

台湾越境ECのデメリット

台湾向け越境ECのデメリット

・送料/物流負担 (ユーザーが送料を負担する場合は CVR が下がる)
・配達までの日数が長い
・現地決済に一部対応できない (コンビニ受け取りなど)
・そもそも商品が届かないという不安は消費者に残る

台湾向け越境ECは送料をユーザーに負担する場合、どうしても CVR (購入率) が下がります。それでも多くの日系企業が越境ECをが選ぶ理由は台湾ドルに対応したカートと LPさえ準備すればすぐにでも始められるためです。最悪、台湾ドルに対応しなくても売れます。

しかしローリスクでハイリターンの越境ECを選んだ結果、撤退を決意する企業が後を絶ちません。次の章からは私が思う越境ECが台湾で苦戦する理由についてお話をしたいと思います。

苦戦理由その1. EZ WAY易利委の存在

突然ですが EZ WAY というシステムをご存知でしょうか?2020年5月16日から始まった国外配送品に対して実名で登録をするアプリです。今まで台湾にお住いの方はオンラインで台湾国外から購入した商品を特に何も意識せずに購入をしていたと思います。

参考1:EZ Wayについて(政府系サイトより) https://web.customs.gov.tw/cp.aspx?n=88C3016BD909355C

参考:EZ Way について https://www.bnext.com.tw/article/57295/ez-way

当然、皆さん関税なんか無視していました。そもそも2,000元以下の商品は関税がつかなかったので、関税の存在を知っている人でもオンラインで国外の物を購入する時は2,000元以下に抑えていました。

しかし今後は国外商品のオンライン購入の仕方が劇的に変わります。

まず、今後はオンライン上の如何なる国外の商品であっても購入者は実名で何を購入したか登録しないといけません。例えば私が今日日本の ZOZO Town で服を買って台湾に送ろうとしたら、僕は買った服とその金額を実名で登録をしなければいけません。

iHerb の例。購入ページに申告をするよう注意書きが足されています。

仮に私が購入した商品の合計金額が2,000元を超えたとします。この時に関税を逃れるために登録情報の金額を適当にしてもいいですが、税関で登録情報と送付側のインボイスに不一致があれば商品が届きません。

また、今後は台湾国外の 2000元以下の商品を免税で購入できるのは半年に6つまでとなります。

更に!2022年7月からの新しいルールによると、台湾に届いた商品に対して購入者は 7日以内に申請をしなかった場合、商品は強制的に送り返されます。送料は当然メーカー側の負担です。

これにより今後考えられる台湾向け越境ECの影響は以下です:

EZ WAY が台湾向け越境ECに与える影響

1. 関税が怖くて越境EC の購入率が下がる
2. 売る側の運送費が増える可能性がある (税関で戻される)

つまるところ、今までやりたい放題だった台湾越境EC にメスが入ったため、今後は越境ECでの成功がより難しくなるということです。これが私が越境ECは減って、本当に台湾に進出したい現地販売の会社が増えると言った意味です。

詳しくは以下のブログにて書いています。台湾越境EC従事者は是非一読ください。

More to read

台湾向け越境ECに新しい動きがありました。EZ WAY易利委というアプリを使って国外で購入したものを申告する必要があるのですが、このブログではその詳細について述べています。

苦戦理由その2. 現地決済不可

台湾の方の多くがコンビニ決済や着払いを希望します。特に現地の通販 LP の買い物はコンビニ決済や着払いを選ぶ傾向が多い気がします。(返品率も結構高いですが….苦笑)

なぜか?私は「安心感の欠如」が根本的な原因と思います。やはり台湾の消費者はどこのメーカーのものかわからない商品に対して、心理的に届くか不安になるのだと思います。

「いやいや、日本のメーカーですからちゃんと届けますよ」と思いの方!

私の日系企業クライアントは詐欺サイトの対応に追われています….本当です。詐欺サイトは巧妙に出来ていて、画像は全てパクっています。サーバーは海外に置いてあるので、台湾の法律で裁けません。

おまけに詐欺サイトではクライアントの商品が半額で売られていました。試しにクライアントが詐欺サイトから商品を購入した所、全く違う商品が届いたそうです。詐欺サイトはみなさんが思っているよりあります。

苦戦理由その3. スモールスタート1

越境EC を希望する会社の半分ぐらいはスモールスタートを希望されます。まずは低い広告予算で様子を見て、徐々に広告予算を上げたいというパターンです。

残念ながら私の周りでスモールスタートで始めてその後調子を上げて予算を上げた会社はほとんどいません。認知度がない状態でレスポンス (CV) を取りにいっても購入になかなか至らないのです。

しかしスモールスタートで台湾に進出する企業の多くは会社の方針で台湾向けにあまり広告予算を割けません。尚且つ少ない広告予算で非常に低い CPA を求めます。

結果スモールスタートで始めた会社の多くは上がるタイミングを逃し、いつまでもスモールなままズルズル時間だけが経過することが多いです。私はこのパターンで撤退をした会社を何社も知っています。

台湾越境EC がそこそこ好調なクライアント

では越境EC は全てうまくいっていないかと言うとそうではありません。一部上手くいっている会社はいます。最後に比較的に上手くいっている例をご紹介してこのブログを終えたいと思います。

弊社の某コスメクライアントはスモールスタートですでに1年ほど経ちましたが、CPA は単価と同等ほどに抑えられています。なぜでしょうか?ここでは具体的な商品名は言えませんが、まず機能のアピールが非常に簡単な商品を売っています。

ビフォー・アフターが面白いぐらい一瞬で現れる商品です。Facebook で動画広告をすると機能性に惹かれて購入する人がいるのだと思います。また、このクライアントは日本の某有名ユーチューバーの動画を買い取り、台湾で動画の配信を行うことができました。

このユーチューバーを台湾の人が知っているかはわかりませんが、日本では割と有名な人なので CV に一役買っているかもしれません。この動画の CPA は非常に低いです。

前章で話したことと少し矛盾しますが、知名度がなくても効果をデジタル広告で表現しやすい商品は越境でも売れることを確認できた気がします。

台湾越境EC が比較的にうまくいったクライアントの施策その2 – 店舗誘導

弊社の某クライアントBさんは非常に単価が高い商品を越境EC で売っています。

このお客さんは越境EC で苦戦が続きましたが、ポップアップストアに勝機を見出しました。不定期に台湾で現地の企業と共同でイベントを行い商品を売り、あるイベントでものすごく商品が売れました。

これは何を意味するか?

商品が高くても、その商品に魅力を感じるターゲットがいれば売れるということだと思います。「そんな当たり前のこと言われても…..」と思いますよね? 笑

ではなぜオンライン上ではなぜ苦戦したのでしょうか?台湾の消費者は 越境ECの送料を節約するために現地のイベントで購入したのでしょうか?

私はイベントで売れたのは「安心感」が理由だと思っています。実物を見たことで本当に買えることがわかったため購入したのだと思います。

この仮説が正しいかはわかりませんが、私はこのイベント以降、「安心感」ということを強く意識するようになりました。また、今後はやり方によっては越境で売りながら不定期にポップアップストアを開き、ポップアップストアへ台湾の消費者を誘導するような施策も考えられます。

まとめ

つまるところ越境EC の攻略の鍵は「安心感」だと思っています。如何にして台湾の消費者にサイト及び商品は「安全」「本物」と訴えられるかではないでしょうか。

また、某コスメ会社のように機能がズバ抜けている商品の勝算は高いと思いますが、みんながみんなそんな商品を持っている訳ではありません。そんな時に鍵になるのはインフルエンサーやアンバサダーです。

重要なのは安心感を与えられるインフルエンサーを起用することであって、数を打つことではありません。越境EC で失敗している企業のもう一つの共通点は単価の安い信頼できないマイクロインフルエンサーを多く起用している点です。

お金ばかり減って認知度アップにも貢献しない最悪なパターンです。台湾のインフルエンサーについて興味のある方以下のブログをどうぞ!

EZ way の導入で逆風が吹いてきた台湾の越境ECですが、みなさんは準備ができていますでしょうか?

弊社は悪い施策や失敗に蓋をして広告主を台湾に進出させるのが目的ではありません。また、進出させるだけさせて自分たちだけが儲かるようなことには興味はありません。

弊社が興味があるのはデジタルマーケティングを必要としている企業を成功させることです。ご興味のある方は是非コチラからご連絡ください。

このブログがみなさんの参考になれば幸いです!

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Leo Sato 佐藤峻

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