【台湾リアル店舗ビジネス必見】デジタル大変革時代の危機感

【台湾リアル店舗ビジネス必見】デジタル大変革時代の危機感

こんにちは applemint 代表の佐藤(@slamdunk772) です。

台湾でレストランやアパレルショップ、マッサージ店など様々な形態で店舗を運営されている方!今デジタルマーケティングがとんでもないスピードで動いています。

レストランを経営している人は日々の業務に忙殺されててデジタルマーケティングなんて見てられないかと思います。また、ただでさえ原価が高いのにデジタル・マーケティングなんて無駄なコストと捉えているかもしれません。しかしこれだけは言わしてください。

今本気で取り組まないと手遅れになります。

このブログでは今デジタル・マーケティング(主に Google 関連のサービス)で何が起きているか動向を簡単に説明し、台湾で行なったある集客ケースを紹介します。

私は何度か台北にある飲食店にデジタル・マーケティングの話をしたことがありますがあまり真剣に捉えてもらえませんでした。私の伝え方にも問題はあったかと思いますが….「あー Facebook とかの SNS ね。」「ちょっとよくわからないので….」大抵こんな反応です。

とりあえずこれをご覧下さい。

Google の AI サービス CallJoy そして Duplex

もう人が電話の予約を取る時代は終わりに近づいています。同時に、人が予約の電話をする時代も終わりに近づいています。Google はアメリカで CallJoy という AI 電話引き受けサービスを月額39ドルで開始しました。簡単に言うと予約の電話をしてくる人に対してAI が自動で対応し、予約の人数や時間まで全て自動でとってくれるというサービスです。

AI の応対と聞くと非現実的と思うかもしれませんが iphone の Siri だって AI の自動音声です。そして予約を引き受けるサービスがあればその逆もあります。Google は Google Duplex という自動予約アシスタント機能を去年発表しています。

予め Google アシスタントに予約の時間や人数を伝えれば AI が勝手に電話をしてくれます。以下の記事に Google Duplex が予約をとった時の音声が貼り付けられています。みなさんが想像しているようなぎこちないロボットの音声ではなくびっくりするほどリアルな電話応答です。

関連記事:Google、AIが喋って電話予約するDuplexを来月提供。米国のPixelユーザーから順次拡大

これによりAI が電話予約をして、AI がその対応をするような時代がくることが予想されます。予約はする側も受ける側も面倒だと思うので面白いことになりそうですね。

Google map の広告機能強化

先月行われた Google のカンファレンスで Google は Google map に広告の機能を強化することを示唆しました。でもそもそも現在の Google map広告をあまり知らない人がいると思うので Google map の広告を簡単に説明します。

今の Google map は検索なしでアプリを開くと以下のように Explore nearby って機能が画面下に付いています。勝手に近くのバーやカフェを紹介してくれるので見知らぬ土地やあまり馴染みのない土地に行った時に便利な機能です。

googlemap 2 in 【台湾リアル店舗ビジネス必見】デジタル大変革時代の危機感

次に実際に検索バーに『國父紀念館 (地名)』と『バー』と検索した時のGoogle map の画面です。

googlemap2 in 【台湾リアル店舗ビジネス必見】デジタル大変革時代の危機感

このようにカクテルグラスのアイコンがマップ上に多数表示され、そのすぐ下には実店舗の情報が表示されます。

今後はここに広告が表示されそうなのです。

どう言うことかというと仮に僕のレストランが國父紀念館にあり、僕が『國父紀念館』『酒吧 (バー)』という二つのキーワードを入稿したとします。次に Google my business の設定を完了させ、Google 広告と連携させます。

そしたら上の写真でいう Beau というレストランの場所に自分の店が表示されるということです。もしかしたら既に始まっていますが私はまだ見たことないので始まっていれば教えて下さい!

ちなみにこの Beau というお店は広告をしていません。広告をしていれば 『AD』と表示されます。

ではなぜなぜ一番上にあるのでしょうか?

Google map 上の検索順位を位置付ける1番大事な要素は Google my business の登録情報がきちんと入力されているか否かと言われています。Google mybusiness って営業時間や電話番号、写真アップなど実は入力項目がたくさんあり、多くの人は面倒で入力をしないケースが多いです。しっかり登録しましょう。

次に重要と言われている要素は Google のレビュー数です。ここではどちらかというと点数ではなく、レビューの数が重要になります。しかし点数が極端に低いお店をトップに表示させることはあまり考えられないので点数もそれなりに重要だとは思います。

こういった Google map 上の検索で上位につける施策のことを MEO (map engine optimization) といいます。まずは Google my business の各項目を丁寧に入力することが大事なので興味のある方は試してみて下さい!正直専門の業者に頼む必要はないです。でもどうしても必要であれば applemint にご相談ください。

Google map 今後の可能性

例えば上の例だと『國父紀念館』『バー』とかって検索した時たくさんカクテルバーのアイコンとフラッグがたくさん出ましたよね?でもこれって正直フラッグが密集しすぎてタップしにくくないですか?選択肢がありすぎて逆に不便になっている気がします。なので僕はこれらフラッグが今後はもしかしたら広告を出しているお店だけ表示させるようなことになるのではないかと思っています。

「そんなことしたらお金を持つレストランばかり有利になるじゃないか!」という主張が出るかもしれません。しかし検索広告だって広告費を出しているレストランが優先的に出るのである意味しょうがないかと思います。

仮に予想に反して Google 広告を出すお店がいっぱいいたらフラッグが乱立するのじゃないかという不安があるかもしれません。しかしそうなったら今度はレビュー数が高い順に決まった数だけフラッグが立つと思っています。

関連記事:ローカル キャンペーンをより使いやすく効果的に

Google my business を使った集客ケース・スタディ

map in 【台湾リアル店舗ビジネス必見】デジタル大変革時代の危機感

レストランやショップでよく 『Facebook でチェックインしたら一杯ドリンクサービス』みたいなキャンペーンありますよね?あれは本当にやめた方がいいと個人的に思っています。チェックイン投稿を自分だけへの表示にできますし、投稿してもその投稿が他人のフィードにそもそも載らない可能性が高いためです。

僕がおすすめするのは Google my business への投稿キャンペーンです。Google my business に投稿したら、〜割引とかです。(飲食は割引きついのでギフトやドリンクサービスで対応がいいかもしれません)

レビューの星の数は正直プラスでもマイナスでもいいと思います。心理学で『両面提示の法則』ってあるのですが人はメリットばかり提示されても逆に疑ってしまいます。つまりレビューはプラスの面もマイナスの面も両方出すことでプラスの情報が引き立ちます。

従ってプラスのレビューを書いた人だけにディスカウントをあげるようなキャンペーンにしなくてもいいと思っています。ちなみに僕が Google mybusiness への投稿を促すキャンペーンをお勧めする理由は 以下です。

  1. レビュー数が増えれば MEO で有利になる。
  2. もしネガティブなコメントを書かれても、その場で顧客に面と向かってヒアリングを行ないフォローアップできる。(顧客はフォロアップされることで逆にファンになる可能性大)
  3. 恐らく顧客の多くは店側に遠慮してポジティブなレビューばかり書く。(笑)
  4. ポジティブなレビューが増えると新規ユーザーの目に止まり、選ばれやすくなる。
  5. レビューが溜まった後、追加で『地区名』+『(自身のサービスカテゴリー)』の Google 検索広告を行えばより新規が集客できる可能性がある。

いいことだらけです。ちなみに Goole mybusiness を使った施策は applemint 顧客でもうすでに実施をしていて、売り上げは前月比20-30%でした。シーズナリティもあるので前年度同月比でどうだったかクライアントに聞いておきます。また、新規顧客数も増えたようです。

Nike の D to C 施策への本気度

nike in 【台湾リアル店舗ビジネス必見】デジタル大変革時代の危機感

D to C とは Direct to consumer の略です。例えば今まで zozo を通じてオンラインで顧客に売っていたアパレルメーカーが自社 EC サイトで直接顧客に売るようなことを指します。

Nike は去年あるスタートアップを買収したのですが そのスタートアップの技術を用いて Nike Fit というアプリを開発しました。ユーザーはこのアプリを使って自分の足をスキャンするとユーザーの足のデータが保存され、Nike Fit がぴったりのサイズをお勧めしてくれます。

しかもこの Nike Fit は Nike + (Nike の会員) の顧客の情報とシンクするので顧客は以降 Nike の店に行って Nike + の ID を伝えれば店員がサイズを即座に理解するという仕組みです。

すごいですよね。ちなみについ前日 zozo が zozoマットを出していましたが Nike は既にマットも何も入らずに足のサイズを測れるので一足遅かった気がします。

Nike は今は足に限定しているかもしれませんが今後は zozo スーツの時みたいに体全体のスキャンができるようになるでしょう。しかもzozo より数倍簡単に。

そうすると例えば Nike が今後は肥満の人に対して服だけに限らず健康食品や身体状態に適した運動をお勧めできるようになります。ビジネスがめちゃくちゃ広がるな〜と感心してしまいました。

関連記事:ナイキ のテック企業買収、1兆円規模の DTC 事業 を後押し

関連記事:Nike Fit について(Axis 記事)

終わりに

飲食でもアパレルでもなんでもリアル店舗を持っている人は良いものを作ればいいって言う時代じゃなくなっている気がします。技術と経営は必ず一緒に考える必要があるのではないでしょうか。三國清三も以前日本のシェフは腕は良いけど経営を知らないなんて話をしていました。

僕が高校3年次に入ろうとしていたサンフランシスコにあるアメリカトップの調理学校は4年かけて技術だけじゃなくて物流や原価まで徹底的に学びます。ちなみにその学校は調理学校なのになぜか高校時代の成績がオールAみたいな生徒しか入れない学校で、僕には少し無理でした…

デジタル・マーケティングはリアル店舗の経営をしていく上では避けては通れないトピックだと思っています。エージェンシーに頼むお金がないのなら、放っておくのではなく、自分で勉強すれば良いのです。

このブログが少しでもリアル店舗を経営している方の刺激になっていれば幸いです。

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Leo Sato 佐藤峻

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