【台湾の法人税は20%じゃない!?】年商が低い企業の特殊な法人税in台湾

【台湾の法人税は20%じゃない!?】年商が低い企業の特殊な法人税in台湾

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

「台湾」「法人税」って検索しても1ページ目に出てくるコンテンツが全然使えないと感じたのでブログを書くことにしました。

結論から言うと台湾の法人税は 20% です。しかしですね、台湾は全ての企業が一律に法人税が 20%なわけではないんですね。それというのも実は台湾は法人税に関しては3つの確定申告方法があるんです。

ある一定の年商を超えると法人税が 20%なのは間違い無いのですが、僕らみたいに年商が小さい中小企業は 20%とは限らないのです。それは何も僕らが優遇されているとかそういう訳ではなく、単純に台湾には何万もの中小企業があって国税局が確定申告の作業を簡素化するために、年商が少ない企業には違う確定申告を準備しているという話です。

しかし、「台湾 法人税」と検索するとわかりますが、この事実に触れているブログはめちゃくちゃ少ないです。

そこで今回は改めて台湾の会社が納めないといけない税金について述べ、3種類の法人税の確定申告方法について触れたいと思います。

台湾の会社の税金:営業税

台湾営業税

台湾の会社が支払わなければいけない税金は大まかに営業税と法人税(營所稅)の2種類です。一般的に営業税は5%、法人税は20%です。営業税は消費税とほぼ同義で、サービスを売る側は買う側に対して5%を請求します。売る側はその5%を政府に納めます。

例:
デジタル広告手数料:10,000NT
営業税 (5%):500NT
合計:10,500NT (税込)
→お金をもらう側は500NTを政府に納め、お金を払う側は10,500NTを払います。

この時お金をもらった人は、お金を払った人にレシート(發票)を渡します。「あれ、でも夜市でレシートなんてもらった事ないぞ」と思った方!

台湾では年商が低い人たちは国税局に「営業税勘弁してください!」と申請できます😅これが認められれば、5%の営業税を払わないで發票を発行する必要がありません。ただし彼らが完全に営業税を払わないで良いかというというとそうではなく、彼らは決まった営業税を国に支払う必要があります。

台湾の会社の税金:法人税

次に法人税についてお話をします。台湾では法人税は一般に売り上げから原価や経費を引いた後の利益(営業利益)に対して20%かかります。

例:
売り上げ:1,000,000NT
原価:500,000NT
経費・販管費:300,000NT
営業利益:200,000NT
法人税:200,000NT x 20% =40,000NT
純利益:200,000NT – 40,000NT = 160,000NT

これは「台湾 法人税」と検索した際の日系の会計事務所のブログにも同様のことが書かれています。しかし!冒頭でもお話ししたように実はこの情報がスタートアップや中小企業には当てはまらない場合があるのです!

売り上げ規模が小さいスタートアップや中小企業の法人税(営所税)

台湾スタートアップの税金

冷静に考えてみて下さい。
例えば売り上げがたかだか300万NT (1100万円ほど)の企業があったとします。
この企業が従業員の給与や仕入れを引いていくと結果的に営業利益が30万NT (110万円ほど) ほどになったとします。この企業から営業利益30万NT の20%にあたる6万NTを徴収するのはどう思いますか?

なんかちょっと酷な気がしませんか?😭😭 また、政府がこうした中小企業のわずかな営業利益から絞り出すように法人税を徴収したところで、短期間に税収入を得るだけで長期的には良くありません。

国は企業の数が増えれば増えるほど税収が増えるわけで、そんな弱い物いじめみたいなことをしていたら起業しようとする人が減ります。

あと、年商がたかだか300万元ぐらい(日本円で1200万円ぐらい)の中小企業の細かな経費を国税局がいちいち確認してたらいくら人がいても足りません。

そこで台湾には年商が少ない企業向けの簡素化した確定申告があるんです。どのブログにも書いてないので特別にこのブログでご紹介します。

3種類の法人税(営所税)確定申告方法

台湾には会社の規模に合わせて3種類の法人税の確定申告方法が存在します。

その1:擴大書面審核申報

営業収入(売り上げ)が3000万NTを超えない中小企業が行う確定申告方法です。中小企業はよく細かい経費や領収書を保管しないことから、申告した経費と実際の数字のバランスが合わないことが多々あります。

そこで国税局は予め業界別の営業利益率を算出し、中小企業の営業利益に対して業界の標準営業利益率をかけたものを法人税(營所稅)とします。
関連記事:台湾の業界別営業利益率(2016-2017)(中国語)

例えば僕らは広告代理店です。僕らの年商が100万NTだったとします。通常はそこかから経費を引いて、20%を法人税としますが、この確定申告を用いた場合の法人税は以下です:

売上:100万NTD
広告業界の営業利益:15%
営業利益:15万NTD
法人税:15万NTD x 20% = 3万NTD
*広告業界の営業利益は15%は適当です。

このように法人税を計算します。

メリット:
・例えばこの確定申告方法を用いて算出した法人税が、実際の営業利益に対して 20% の法人税率をかけた時より少なかった場合節税となります。
しかし節税をしても、節税が見つかった場合は追加課税となります。

デメリット:
・もしも実際の営業利益率が政府が規定としている利益率よりも低い場合、法人税が多くなる可能性があります。

3000万NT-1億NT (日本円約1億円 – 3.5億円) 以上の売り上げがある企業に適用される確定申告の方法です。この確定申告方法は皆さんがご存知のように収入に対して仕入れコストと販管費、必要経費を引いて算出した営業利益に対して20%の法人税が取られます。

メリット:
・営業利益がマイナスの時は法人税を払う必要がありません。

その2:査帳申報

デメリット:
・会計士への委託費用が高くなります。(書審より手間がかかるため)
・経費や売り上げに対する正確な記述が必要になります。正確でない場合、追加で課税される可能性があります。

その3:會計師稅務簽證申報

売り上げが1億NT以上ある企業に適用される法人税の確定申告方法です。確定申告のやり方は查帳と同じです。しかしながらメリットとデメリットが異なります。

メリット:
・交際費用(経費)の限度額が上がり、経費として落とせる金額が増えます。
・国税局の立ち入り監査や調査を受ける可能性が低いと言われています。(第3者によって確定申告がされるため)
デメリット:
・外部の会計士に業務委託をする必要があります。
・会計士への業務委託費用が高くなる可能性があります。

通常多くの会社はなんでも経費として計上できる訳ではありません。例えばapplemint の場合、売り上げ規模がまだまだ小さいので食事をした時に経費として計上できる交際費は限られています。

これが売り上げが1億NT 以上ある企業になると相当額を経費として計上できるものと見られます。また、今まで経費として認められなかったような経費も交際費として計上できるようになるようです。

また、売り上げが1億NT 以上になると監査の意味合いも含めて外部の会計事務所に確定申告の処理を委託しないといけないようです。売り上げ規模によって費用が変動するようですが見た感じ結構な費用をとられるようです。
関連記事:外部の会計士への業務委託費用参考(某会計事務所より)

スタートアップや年商が低い中小企業が確定申告時にやること

いかがでしたか?ここまで3種類の確定申告のやり方をご紹介しましたが、一般に売上が少ないスタートアップや小規模の中小企業が行うのは擴大書面審核申報と言う確定申告です。

これは法人税 = 20% ではありません。しかしこのことを書いている記事は中々見つかりません。

多くの日系会計事務所が書いた法人税に関する記事は恐らく台湾に進出する体力があり、それなりの売り上げがある日系企業のみを対象に書いてあります。

しかし、スタートアップの多くは創業時にいきなり3000万NT の売り上げを上げることは難しいと思います。もちろん弊社も例外ではありません。
今回の記事が台湾で起業を考えている多くの方の参考になれば幸いです。

関連記事:營利事業所得稅的三種主要申報方式(3つの法人税確定申告方法)(中国語)

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