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日系会計事務所が教えてない台湾スタートアップのリアル法人税 (營所稅)事情

日系会計事務所が教えてない台湾スタートアップのリアル法人税 (營所稅)事情

こんにちは、applemint 代表の佐藤です。台湾の5月といえば確定申告です。個人も会社も確定申告で色々ドキドキします。

突然ですが台湾の法人税について皆さんはどこまでご存知ですか?20%ということしか知らないのではないでしょうか?実は台湾には法人税に関しては3つの確定申告方法があります。そして売り上げ規模が少ないスタートアップは確定申告の仕方が一般企業と違う可能性があります!にも関わらずそのことについて触れている情報はほとんどありません。試しに『台湾』『法人税』と検索してみるとわかりますがどの記事も法人税は 20% ということにしか触れていません。

そこで今回は改めて台湾の会社が納めないといけない税金について述べ、3種類の法人税の確定申告方法について触れた上で何をすべきかお話したいと思います。

台湾の会社の税金:営業税


台湾営業税

台湾の会社が支払わなければいけない税金は大まかに営業税と法人税(營所稅)の2種類です。一般的に営業税は5%、法人税は20%です。営業税は消費税とほぼ同義で、サービスを売る側は買う側に対して5%を請求します。売る側はその5%を政府に納めます。

例:
デジタル広告手数料:10,000NT
営業税 (5%):500NT
合計:10,500NT (税込)

ちなみにこの営業税は売る側が台湾にいる限り必ずつくため、買い手が日本にある日本の企業だからといって免税ということはありません。台湾の多くの銀行は外貨に対応しているのでもしも日本円で支払いを希望の場合は通常通り小計に対して5%の営業税をかければいいかと思います。

台湾の会社の税金:法人税


法人税は一般的に売り上げから原価や経費を引いた後の利益(営業利益)に対して20%かかります。

例:
売り上げ:1,000,000NT
原価:500,000NT
経費・販管費:300,000NT
営業利益:200,000NT
税金:200,000NT x 20% =40,000NT
純利益:200,000NT – 40,000NT = 160,000NT

ということになります。これは他の日系の会計事務所のブログにも同様のことが書かれています。

しかし!実はこの情報が実はスタートアップに当てはまらない場合があるのです!

売り上げ規模が小さいスタートアップの法人税(營所稅)


台湾スタートアップの税金

冷静に考えてみて下さい。例えば売り上げがたかだか300万NT (1100万円ほど)の企業があったとします。従業員の給与や仕入れを引いていくと結果的に営業利益が30万NT (110万円ほど) ほどになったとします。この企業から営業税の20%にあたる6万NTを徴収するのはどう思いますか?

これでは中小企業は育ちません。スタートアップが増えればそれだけ政府の収入源が増えるためどこの国も表向きはスタートアップを支援しようとします。しかし微かな営業利益から絞り出すように法人税を徴収したところで短期間にとても低いリターンしか得られません。そのため、台湾には中小企業やスタートアップに少しばかり有利な税制があります。そしてなぜだかわかりませんが多くの日系会計事務所はこのことを書いていないのでこれを機にシェアしたいと思います。

3種類の法人税(營所稅)確定申告方法


台湾には会社の規模に合わせて3種類の法人税の確定申告方法が存在します。

その1:擴大書面審核申報

営業収入(売り上げ)が3000万NTを超えない中小企業が行う確定申告方法です。中小企業ではよく細かい経費や領収書を保管しないことから申告した経費とアカウントバランスが合わないことが多々あります。そんな時国税局が台湾に何千とある中小企業の会計書類の経費等をいちいち確認していたらいくら時間があっても足りません。そこで国税局は予め業界別の営業利益率を算出し、中小企業の営業利益に対して業界の標準営業利益率をかけたものを法人税(營所稅)とします。
関連記事:台湾の業界別営業利益率(2016-2017)(中国語)

メリット:
・例えばこの確定申告方法を用いて算出した法人税が営業利益に対して 20% の法人税率をかけた時より少なかった場合、追加で課税される可能性があります。しかしこの確率は一般的に10%と言われており、課税をされたとしても追加で5%納税すればいいようです。
デメリット:
・もしも実際の営業利益率が政府が規定としている利益率よりも低い場合、法人税が多くなる可能性があります。
・仮にある年は収入が多くて、ある年は少なくてもプラスマイナスを相殺して税額を下げることはできません。

その2:查帳申報

3000万NT-1億NT (日本円約1億円 – 3.5億円) 以上の売り上げがある企業に適用される確定申告の方法です。この確定申告方法は皆さんがご存知のように収入に対して仕入れコストと販管費、必要経費を引いて算出した営業利益に対して20%の法人税が取られます。

メリット:
・営業利益がマイナスの時は法人税を払う必要がありません。
デメリット:
・会計士への委託費用が高くなります。(書審より手間がかかるため)
・経費や売り上げに対する正確な記述が必要になります。正確でない場合、追加で課税される可能性があります。

その3:會計師稅務簽證申報

売り上げが1億NT以上ある企業に適用される法人税の確定申告方法です。確定申告のやり方は查帳と同じです。しかしながらメリットとデメリットが異なります。

メリット:
・交際費用(経費)の限度額が上がり、経費として落とせる金額が増えます。
・国税局の立ち入り監査や調査を受ける可能性が低いと言われています。(第3者によって確定申告がされるため)
デメリット:
・外部の会計士に業務委託をする必要があります。
・会計士への業務委託費用が高くなる可能性があります。

通常多くの会社はなんでも経費として計上できる訳ではありません。例えば applemint の場合、売り上げ規模がまだまだ小さいので食事をした時に経費として計上できる交際費は非常に少ないです。これが売り上げが1億NT 以上ある企業になると相当額を経費として計上できるものと見られます。また、今まで経費として認められなかったような経費も交際費として計上できるようになるようです。

また、売り上げが1億NT 以上になると監査の意味合いも含めて外部の会計事務所に確定申告の処理を委託しないといけないようです。売り上げ規模によって費用が変動するようですが見た感じ結構な費用をとられるようです。
関連記事:外部の会計士への業務委託費用参考(某会計事務所より)

スタートアップが確定申告時にやること


いかがでしたか?台湾には確定申告の仕方が3種類あることを知っていた方は少ないのではないでしょうか?多くの日系会計事務所が書いた法人税に関する記事は恐らく台湾に進出する体力があり、それなりの売り上げがある日系企業のみを対象に書いてあります。しかし、スタートアップの多くは創業時にいきなり3000万NT の売り上げを上げることは難しいと思います。もちろん弊社も例外ではありません。今回の記事が台湾で起業を考えている多くの方の参考になれば幸いです。

関連記事:營利事業所得稅的三種主要申報方式(3つの法人税確定申告方法)(中国語)

以下に私が今まで書き溜めた台湾起業に関する記事やリンクを貼り付けたいと思います。

関連記事:【激動の台湾起業1年目を振り返って】
関連記事:この業種で台湾で起業してはいけない!?台湾中小企業徹底リサーチ!
関連記事:【台湾で起業】 リアルな労働許可証とビザの手配について【2019年版】
関連記事:【台湾で起業】リアルな台湾起業の費用、登記、設立までの時間について
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関連リンク:applemint の台湾起業に関するブログリンク

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